ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2004/08/01) B
【高山植物】
ウサギギク(花) |
今年はいろいろな高山植物が一斉に咲いてしまい紹介しきれない状態です。そんな中、こちらのウサギギクは花の一番よい時期を少しばかり過ぎてからの紹介となり、少しばかりかわいそうな感じです。例年、大雪渓エリアのウサギギクは8月下旬に紹介しておりますが、こちらのウサギギクは登山道入口のもので、大雪渓のものより少しばかり早く花をつけています。それでもやはり今年はいつもよりも少し早めの開花です。
大きさも花の形も野菊そのもので、誰もが一度は大雪渓エリアで目にしているはずです。このようにアップで撮影するとまるでヒマワリのようですね。(ヒマワリも同じキク科の植物です。)
ヨツバシオガマ(花) | エゾシオガマ(花) |
こちらはシオガマの2種類。特にヨツバシオガマは非常にポピュラな高山植物で、いたるところでよく見かけます。4枚の葉が輪生しているところからその名が命名されています。6月ころであればピンクの花と言えばショウジョウバカマやコイワカガミでしたが、7〜8月では、このヨツバシオガマかコイワカガミがよく目立つところです。
また、右のエゾシオガマは北海道に限定されているわけではなく、中部地域まで自生しています。花の形はヨツバシオガマとよく似ていますがクリーム色で、葉のつき方が左右に互い違いについている(互生)ところが大きな違いです。また、花の形や色がエゾシオガマとよく間違えるものにセリバシオガマがあります。こちらは葉が裂けている点が見分けのポイントとなります。
シオガマの由来については以前にもお伝えしたと思いますが、特にヨツバシオガマなどは花だけでなく葉の美しさから「葉まで美しい(はまでうつくしい))」と言う言葉が「浜で美しい(はまでうつくしい)」変化し、浜で使う塩釜に懸けて「シオガマ」と呼ばれているようです。確かに茹蛸(ゆでだこ)のように全身紫に染めたヨツバシオガマの紅葉はみごとなものです。
モミジカラマツ(花) |
こちらの花が咲き出すと大雪渓も夏はピークを向かえ、少しずつ秋へと進んで行きます。モミジカラマツは例年よりそれほど早いわけではなく、大雪渓エリアにおいては8月上〜中旬に花の時期を迎えます。花そのものは大きくありませんが、群生していることが多く、遠くからでもその存在ははっきりわかります。
もう少し前なら白い花と言えばチングルマでしたが、チングルマのピークが終わり始めると、モミジカラマツのピークが始まりだします。この時期の白い花といえば、このモミジカラマツに加え、今年はコバイケイソウがその役目を担っています。
コバイケイソウ(花) |
コバイケイソウ(花・実) |
そのコバイケイソウも今年はほんとに当たり年で、大雪渓エリアのコバイケイソウは見る限りほとんどが花をつけています。まだもう少し花の時期が楽しめそうですが、中には右の画像のようにもう実がなりかけているものもあります。
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