ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2005/06/25) @

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(Update:2005/06/30)

 

【大雪渓】

前回のノリクラ雪渓カレンダーでも同じようなことを申し上げましたが、ほんとに梅雨入りしたのか疑ってしまうような天候が続き、特に今回はこれまでになく、気温が上昇しました。まるで梅雨明けしたのではと思ってしまうほどです。そのおかげで、例年、6月になると雨量規制のため、乗鞍スカイラインは何度か通行止めになることがあるものの、土日に限ってはそのような日がありませんでした。しかし、天気がよすぎるのも困ったもので、西日本を中心に水不足の声がテレビや新聞の記事にだいぶ登場するようになり、それとは逆に新潟を中心に降り続く大雨など、今年の夏も昨年と同じように猛暑と豪雨が繰り返されると思うとぞーっとしてしまいます。

後ほどお伝えしますが、先週の段階ではもう1週間くらい滑走できそうな感じだった稜線付近の雪がすっかりなくなり、、積雪量の比較的多かった2003年の積雪量にだんだん近づいてきています。この調子だと今年は積雪の多い年に分類されるとは思いますが、目立って多いということはないように思います。

今回は25日(土)に取材した画像をもとにお伝えいたします。なお、積雪量は、通常、昨年と比較しながら紹介しますが、昨年と今年では1ヶ月近い開きがありますので、雪の多かった2003年と比較しながら紹介します。

 

【畳平付近】

先週と比べるとお花畑の大半の雪がなくなり、残っているのはお花畑入り口付近の遊歩道の一部の区間のみとなっています。特に雪解けの早かった奥のほうはだいぶ青々としていますので、ハクサンイチゲやショウジョウバカマなどが花をつけているのではと思います。しかし、お花畑はまだ立ち入り禁止になっていますので確認することはできません。

畳平の方にお伺いすると、「鶴ヶ池周辺などほかにも観察する場所があるから、別に急いでお花畑に行く必要はないのでは...」という回答がありました。お花畑は木道が整備されおり、一般の方々が観察しやすい形態になっていますので、積雪など特別な事情がなければ早めに開放してもらいたいと思います。これから高山植物のハイシーズン迎え、移り変わりの変化を手に取るように感じられるものです。高山植物は開花したときだけ、観光客に見せればよいという考えではなく、その前後の移り変わりも積極的に案内してこそ、環境への関心を引き寄せることができるのではと思います。規制だけが環境保護ではないことだけを考えなければいけないでしょう。

右の画像の鶴ヶ池の周囲もだいぶ青さが増してきています。ごらんの画像ではよくわかりませんが、池の右側の平地に白のハクサンイチゲ、黄色のミヤマキンバイがだいぶ花をつけています。

次回より長野県側より大雪渓に向かいますので、畳平周辺の様子は今回が最後になります。

 

【肩の小屋へ】

分岐点−左が肩の小屋、右はコロナ観測所へ 先週と比べ積雪はかなり減少している

こちらは肩の小屋とコロナ観測所の分岐点。右の画像で道路左側に雪の壁がありますが、先週は1.5メートルほどあったものの、ごらんのように50センチ〜1メートル程度に減少しています。

 

雪渓下部に続く急斜面

道路から雪面に降りることができません

分岐点から数十メートル進んだところにある、雪渓下部に続く急斜面です。先週は雪渓の上端が道路よりも50センチから1メートルほど低い程度でしたが、今週は1.5メートルほどになっており、道路から雪渓に乗り移ることができません。そのためここから滑り降りることはできません。

 


岩の頭が気になりつつも滑走できます。

上から雪渓に乗り移って滑り出すことはできませんが、雪渓下部から上ってきて滑走することは可能です。しかし、ごらんのようにだいぶ岩の頭が出始めてきております。後ほど紹介しますが、稜線からの滑走ができなくなりましたので、貴重な急斜面となってしまいました。なお、雪渓下部から撮影した画像は、後ほど「雪渓下部 T」のコーナーでご紹介します。

 

【肩の小屋周辺】

こちらは肩の小屋...

 

今日から今シーズンの営業開始 皆様のお越しをお待ちしております!

今日から今シーズンの営業開始です。これから10月の体育の日まで連日営業しております。宿泊はもちろんのこと、喫茶・軽食・お土産などの販売もしております。

6月26日付けのお知らせでもご案内しましたが、乗鞍岳にはもうひとつ山小屋があります。主峰 剣ヶ峰のすぐ下にある山頂小屋では夏のアルバイトを募集しています。かつては宿泊もやっていたそうですが、最近はお土産や飲み物の販売などが主体のようです。今のところアルバイトの方が見つかっていないため、今シーズンの営業の見込みが立っておりません。お手伝いしてみたいという方、ぜひ、お問い合わせください。

 

今日のような天気のよい日は、テラスで山頂を眺めながらゆっくりと過ごすのもよいものです。ここにいると、時の流れ方がどうも下界と違うように感じるのは私だけではないように思います。肩の小屋は山頂を目指すのはもちろん、周辺の室堂ヶ原や富士見岳をゆっくり散策したり、広大な大雪渓をボーっと飽きもせずに眺めていることができる、貴重なスポットであることは間違いないと思います。
こんな時間の流れ方は下界で宿泊していてはなかなか味わえるものではないでしょう。

 

こちらは肩の小屋から大雪渓に続くエリア、先週と比べ高さで1メートルから1.5メートルくらい雪解けしています。

 

今のところ、十分な広さ

今のところ、十分な広さがあります。今後、積雪量が少なくなり、ある時期が来ると急激に滑走エリアが減少してくると思います。それでも、もうしばらくは滑走できそうな感じです。

 

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