ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2005/07/03) D

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(Update:2005/07/07)

 

【高山植物】

室堂ヶ原は一気に高山植物の世界

雪解けが驚くほど急速に進んだこの一週間、室堂ヶ原の高山植物は一気にハイシーズンへ突入してしまったようです。画像ではわかりにくいかもしれませんが、緑の中に白いところが点々とあるのがお分かりでしょうか?すべてハクサンイチゲです。

 

コイワカガミ(花)・チングルマ(花)

そして、その周辺をよく見るとハクサンイチゲ以外にもたくさんの高山植物が花をつけています。こちらはピンクのコイワカガミと白のチングルマ。カメラのレンズを向けただけで、2〜3種類の高山植物が必ず写りこむほどです。チングルマが咲き出すと、ホントに高山植物の季節がやってきたなぁ〜と実感します。

 

ミネズオウ(花)

さて、大雪渓エリアでもどんどん高山植物の季節がやってきています。こちらは先週、つぼみの状態を紹介したミネズオウ(峰蘇芳)。しっかりとした模様の花をつけています。花の大きさは1センチにも満たないものですが、かなり花つきがよいので、注意して観察していれば必ず見つけることができます。

ミネズオウと同じツツジ科の植物にコケモモとコメバツガザクラという高山植物があります。ノリクラ雪渓カレンダーVol.5(2005/06/12)で、コケモモを紹介しましたが、よく調べたところ、葉のつき方と花の形などからコメバツガザクラ(米葉栂桜)であることがわかりました。また、該当ページについてはすでに修正しております。

ショウジョウバカマ(花)

こちらはショウジョウバカマ。今週になって一気に花をつけています。花茎がちょうどツクシのようなハカマ状になっていますが、由来はここからではなく、根元から出たばかりの根生葉がちょうど袴を広げたような格好からこのように呼ばれ、赤い花が中国の伝説の猿、猩猩にたとえられ、ショウジョウバカマという名称が出来上がったようです。

 

コバイケイソウ(葉−有毒)

ショウジョウバカマと同じユリ科の植物のコバイケイソウ。この姿からは大きな円錐状の白い花をつけた姿を想像することはなかなか難しいものです。コバイケイソウは数年に一度しか開花のピークを迎えないといわれ、ちょうど昨年はピークの年でしたので、今年はあまり開花は期待できないかもしれません。

コバイケイソウと同じユリ科の山野草に「オオバギボウシ(大葉擬宝珠)」があります。ゴールデンウィークあたりのオオバギボウシの若芽はおひたし・和え物など食用にすることができますが、姿形はちょうどこの画像の新芽のコバイケイソウとよく似ていています。そして、山菜採りの時期になると、コバイケイソウをオオバギボウシと間違え、食中毒を起こしたというニュースが聞かれます。コバイケイソウには葉・茎・根などすべての部位(全草)が有毒で、加熱しても分解しないので、茹でても無毒化できません。葉脈(葉の模様)や葉柄(しゃもじにたとえるなら柄の部分)の長さ、葉のついている部位(茎か根か)で判別ができます。また、オオバギボウシと同じく、山菜として人気の高い「ギョウジャニンニク(行者大蒜)」も、コバイケイソウに似ていますので注意が必要です。

 

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