ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2005/10/02) A

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(Update:2005/10/06)

 

【高山植物】

今回は大雪渓エリアから離れて、別のエリアの高山植物を紹介します。標高2600〜2800mの大雪渓や標高2700mの畳平は高山帯と呼ばれる地域ですが、乗鞍高原〜位ヶ原の標高1500〜2500m付近は亜高山帯と呼ばれ、高山帯よりもかなり植生が豊かになります。厳密な言い方をすれば、高山帯に自生する植物が高山植物なのですが、一般的には高山帯に自生する植物に加え、亜高山帯に自生するものまで含めて高山植物をしているようです。ちなみにここで示した標高は本州中部地域のもので、北海道あたりになると1500mあたりから高山帯が始まります。

 

シラタマノキ(実)

シラタマノキ(白玉の木)は亜高山帯〜高山帯の高山植物。大雪渓エリアではあまり見かけませんが、県道乗鞍岳線の道端のハイマツの脇など、かなり普通に見かけることができる高山植物です。ご覧のように白い実ができていますが、つぶすとサロメチール臭(湿布臭)を感じ取ることができます。ですから、とても食べられる代物ではありませんが、完熟するとサロメチール臭が消え、甘みが広がってきます。ただし、国立公園の特別保護地域に指定されている大雪渓付近は植物の採取は禁止されていますので、ご注意ください。

 

ネバリノギラン(紅葉)

こちらはネバリノギラン(粘り芒欄)。山地帯〜高山帯にかけて分布する多年草の植物です。大雪渓エリアでも少数ですが見かけることができますが、むしろ、畳平のお花畑のほうがたくさん分布しています。あまりぱっとした高山植物ではありませんが、畳平でチングルマなどの夏の高山植物のピークが過ぎて、お花畑の彩が少なくなりかけた時期から咲き始めますので、お花畑をよく観察すれば必ず見つけることができます。

ご覧の画像は葉も実もきれいなオレンジ色に紅葉しています。花の時期はまだ青々とした葉をつけていますが、花の部分はもともと淡いオレンジ色をしていて、花の時期とそれほど変わりありません。

ネバリノギランは姿形が山野草のノギラン(芒欄)とよく似ていて、花の部分が粘っているところからこのように呼ばれています。

 

ヒロハノツリバナ(実)

こちらはヒロハノツリバナ。高山帯〜亜高山帯の林の中に自生する落葉低木。ノリクラでは宝徳霊神から位ヶ原山荘に向かう登山道の出口付近(位ヶ原山荘付近)から山麓にかけて、みられるようになってきます。かなりユーモラスな形をした実がなっていますので、登山道を歩けば、誰の目にも留まることと思います。

分布は北海道、近畿地方以北、四国となっていますが、四国の各県では、絶滅危惧種に指定されています。

 

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