ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2006/05/15) B

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(Update:2006/05/18)

 

【大雪渓へ】

位ヶ原は何もない雪原

途中に立つ竹ざおを目印に

夏場の位ヶ原はハイマツの一帯で多い尽くされ、緑のきれいな絨毯(じゅうたん)のような様相ですが、大半のハイマツが雪の下です。何もない平坦な雪原はどちらの方向に進んでよいか迷いますが、途中、肩の小屋方面に続く竹ざおが立っているのを見つけることができますので、それに沿って向かっていけば、大雪渓に到着することができます。ただ、視界の悪い日は次の竹ざおを見つけることすら困難な状況になりますので、天候によっては引き返したほうがよい場合もあるでしょう。

 

宝徳霊神バス停付近

こちらは先ほどの竹で目印されたコースをやや離れて、宝徳霊神(ほうとくれいじん)バス停付近。本来ならこの画像の手前を左右に道路が走っているはずですが、ご覧の状況です。

このバス停は目印がない中、唯一、どこにいるのか教えてくれるランドマークです。しかし、ツアーコースから離れていますので、これを見つけた時は、南寄りにルートを変える必要があります。

 

ダケカンバ 樹氷

さて、ルートを元に戻し、こちらは雪原に点在するダケカンバ。ツアーコースを示す木の看板がかかっていますが、識別できません。この日の気温は0℃。枝にはびっしりと樹氷が張り付いています。風で揺れるたびにガランガランと氷が触れ合う乾いた音を耳にすることができます。

ここまで来れば、大雪渓は目と鼻の先です。

 

【大雪渓は】

当WebSiteの読者の方なら、この画像でどこが大雪渓なのかすぐにお分かりになるかと思いますが、一面、銀世界ですので、初めてご覧になる方はどこが大雪渓なのかわからない状態ではないかと思います。

画像の右に、トイレの屋根が見えるのがわかりますか?それより上部が大雪渓のエリアです。

 

トイレ周辺はすっぽり雪の中

トイレ周辺はすっぽり雪の中です。右の画像はトイレ小屋から位ヶ原方面を見たところですが、竹ざおでマークされているコースは、斜め右方向へ進んでいて、ツアーコースもそちらの方面になっています。まっすぐ向かうと、宝徳霊神のバス停の方向です。

 

大雪渓前の県道乗鞍岳線

昨年より70〜100センチほど多い積雪量

昨年は駐車場がほぼ見えていましたが今年は一部しか出ていません。また、道路は完全に雪の下で、ご覧のようにどこにあるのかわからない状態です。左の画像はトイレ前から県道乗鞍岳線を見たところ。画像手前に見える岩は、トイレ前にある空き地が沢に落ち込んでいる箇所にある岩で、岩の左側が沢で右側が道路に面した空き地です。道路は右下から画像の左奥へと進んでいます。

右の画像出見える標識は、支柱の周りは雪解けしていますが、標識部分は雪面より30センチ程度のところにあります。同じ画像が 2005シーズン ノリクラ雪渓カレンダーVol.1(2005/05/14) B にあります。昨年と比べると70センチ〜1メートルくらいは積雪量が多いことがわかります。

昨年のこの時期は例年と比べて多い部類でしたので、今年は、ここ数年の中ではもっとも多い部類に入ると考えられます。

 

【雪渓下部】

大雪渓入口−看板がまったく見えません

いつもの「雪渓下部」のコーナーの最初の画像は、登山道とスキーヤー専用道を示す看板と、「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板が載っている大雪渓入口付近の画像です。
撮影箇所はいつもと同一名のですが、今年はその看板がまったく見当たりません。

積雪の多かった昨年ですら、看板の一部が見えていましたが、ご覧のとおり、まったく出ていませんので、この箇所ではどれだけ積雪量が多いのかわかりません。

 

大雪渓入口横の看板

こちらは、上記の画像のすぐ横にある、道路に面した1〜1.5メートルほど高さの石垣の上に設置された看板。昨年は看板の下のハイマツ帯も出ていましたので、1メートルほど積雪量が多いことがわかります。

大雪渓・位ヶ原周辺は風の音だけの世界

除雪作業が行われていない日曜日は、夕方近くになると誰もいない、風の音だけの世界になります。

 

そして、時折、「ガーガー」と甲高く、空を突き刺すような泣き声だけが、大雪渓に響きます。どこからとなく、近寄ってくるのが雷鳥...

 

雷鳥(雄)  特別天然記念物−絶滅危惧2

まだ大半が白い冬毛に覆われた雷鳥の雄。好奇心で近寄ってきたのではなく、縄張りを守るための威嚇のつもりなのかもしれません。

雷鳥はこれから時期は繁殖期に入ります。特にスキーなどで広範囲に雪渓に立ち入ることができるため、雷鳥を見かけると追いかけたくなるものです。絶対に追いかけたりしないでください。滑走中に見かけたら、静かに遠ざかる心構えも必要でしょう。もし、運よく雷鳥にめぐり合え、撮影するチャンスに恵まれても、ストロボなどの使用はせず、静かに遠くから撮影されるようお願いします。

また、雷鳥は下界の雑菌に弱い動物です。ペットの入山を禁じているのは糞中に含まれる大腸菌に対して、免疫を持っていないためで、また、食べ物・ごみを放置すると、天敵のキツネなどが寄ってくる原因になります。

観光客やカメラマンの中には、「雷鳥はいないか?」と問われる方がいます。まず、めぐり合えないと考えてもらったほうがよいと思います。
雷鳥に限らず、高山植物など、非常に限られた環境でしか生活できない動植物にとって、食べ物・ごみの放置や雪渓での硫安の使用など、人間によるちょっとした行為が、貴重な動植物の生活圏に大きな変化を引き起こすことがあります。

ノリクラはシャトルバスで気軽に入山できる高山帯ですので、観光地と勘違いしない努力が、何人にも求められるのです。

 

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