ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2006/07/08) A
【雪渓下部 T】
ここからはいつものように雪渓の様子をお伝えします。
雪渓縁から排水溝まで5メートル | 雪渓と大雪渓入口の高低差は約1.3メートル |
先週は、排水溝から1.5メートルの距離に雪渓の縁がありましたが、今週は5メートルほど離れています。また、右の画像の箇所では、先週の段階では、雪渓の高さは大雪渓入口の地面より50センチ程度低い状態でしたが、今週はその差が1.3メートルほどまで雪解けが進んでいます。
昨年と比較した雪解けの状況は、先週と同様、3週間ほど遅い雪解けです。
濃緑色のハイマツ帯の中に明るい緑のコントラスト |
標高2350メートルの位ヶ原山荘付近から上部は、森林限界を超え、ハイマツ帯の美しいエリアになります。深い緑一色だったハイマツ帯もごらんのように、所々、コントラストの変化を見せ始めています。
大雪渓入口から雪渓上部へ向かうスキーヤー専用道方面 | ウラジロナナカマド(新芽) 〜深い緑色のハイマツ帯の中に若い緑色が芽吹きはじめる〜 |
大雪渓入口から雪渓上部に向かうスキーヤー専用道が少しずつ姿をあらわし始めました。そしてこちらでも、深い緑色のハイマツ帯の中に若い色合いが目立ちはじめている様子が確認できます。ウラジロナナカマドの芽吹きです。
一目散に雪渓に向かうスキーヤーばかりですが、こんなちょっとした季節の変化を感じ取ることで、ノリクラでの夏スキーがより楽しいものになると思います。
登山道入口 |
雪渓下端は車道より1.5〜2メートルほど離れています |
大雪渓入口から、車道を50メートルほど登ったところにある肩の小屋・剣ヶ峰への登山口は、先週の段階ではまだ、すっぽり雪に覆われ、1メートル以上の積雪量を見せていましたが、ご覧のように、雪の厚みはかなり薄くなってきました。
雪渓下端は、先週は車道から1メートルくらいまでの所にありましたが、ご覧のように1.5〜2メートル離れるようになってきました。また、先週は下端部分でも50〜70センチ程度の高さがありましたが、ご覧のとおり、高さはまったくなくなりました。
登山道入口付近では雪解け水が渓流のごとく流れています |
登山道入口付近は、ご覧のように雪解け水がちょっとした渓流といってもよいくらいの勢いで流れています。上に被さっている雪渓を踏み抜くと危険ですので、この付近の雪解けが完全に終わるまでは、大雪渓入口から迂回して入ったほうがよいかと思います。
登山道が姿をあらわし始めました | 肩の小屋への登山道は左上の岩の左側です |
登山道が一部姿をあらわしつつあるののまだ雪の下です。雪の中の登山道は左上に見えるモーグルコーススタート付近の岩の左側に続いていますが、右の画像のような状態だと、そのまままっすぐ登り、モーグルコースのスタート付近の岩の右側を進む方がいらっしゃいます。右側を登っていくと、途中で雪解けが完全に終わって、ハイマツ帯に行く手をさえぎられてしまいますので、登山の方はまっすぐ登っているのではなく、斜め左に進んでください。
2006/07/09 09:55 畳平から降りてくる親子三人 |
7月9日(日)の朝、畳平から降りてくる親子三人にお会いし、少し、お話をお聞きいたしました。
2006/07/08 17:15 畳平へヒルクライム |
こちらの親子三人は、前日の7月7日(土)、三本滝から7時間30分かけて畳平までヒルクライムしていきました。大雪渓前を通過するころは、すでに17時を回り、撮影しているこちらのほうも、この後どうやって帰るのだろうと心配してしていました。
背中の重量は12kgプラスアルファ | 「また登りたい」の言葉に奥さんは苦笑 |
その日は、畳平の山荘にお泊まりになり、今日はこれから三本滝へ戻るところだとのことです。背中に背負う子供さんは2歳1ヶ月。体重12kg。それ以外にツェルトなど必要と思われる用具を一式搭載しています。よくこれだけの重量のものを担いでこられたものだと感心してしまいます。
ご自身もノリクラが大好きとのことで、子供のころはサマースキーキャンプで大雪渓をよく訪れ、『乗鞍大雪渓は、小生の少年時代にとって数え切れないほど沢山の影響を受けた特別な場所なので、うちの子供が成長したらまずは一緒に滑りたいと思っています。』と、後日、お便りを寄せてくださいました。
また、『体が動かなくなるまで乗鞍に訪問し続けるつもりです。』とも、おっしゃっています。ノリクラは、ある面、このような熱烈はファンによって支えられている側面もあります。
頂いたお便りは、本当にノリクラが好きでたまらないという想いが、ひしひしと伝わってくるものでした。全文をご紹介したいところですが、編集の都合上、今回は割愛させていただきました。(お便り、ありがとうございました。)
雪渓下部のモーグルコース |
それでは、次のページではモーグルコースの様子についてお伝えします。
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