ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.13(2006/08/05) E

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(Update:2006/08/10)

 

【高山植物】

大雪渓は登山道付近を中心に高山植物のピークを迎えてきました。特に今週は黄色の花がいたるところで咲き乱れています。

 

ミヤマダイコンソウ(花)

こちらの黄色の花はミヤマダイコンソウ。岩隙や岩礫地に自生する高山植物のため、雪田に自生するミヤマキンバイやミヤマキンポウゲなどとエリアが異なっているため、同じ黄色でも、自生している場所だけで判断することができるほどです。高さは30センチ程度で、花の大きさもミヤマキンポウゲと同じくらいですが、茎を抱くように巻いている大きな葉が特徴です。しかし、本来、自生するエリアが少し違うはずですが、場所によっては、右の画像のようにモミジカラマツの葉が何気なく混ざっていることがあります。それを見分けるのもまた楽しいものです。

右の画像の左上のに咲くミヤマダイコンソウのすぐ下の大きな葉がモミジカラマツ。すぐ下にあってモミジカラマツの葉の影になっているのがミヤマダイコンソウの葉です。見慣れてくれば、ミヤマダイコンソウのほうが光沢があり、葉の形がまったく異なるので、見分けることができるはずです。

 

ミヤマキンバイ(花) 花は梅そっくり、 三枚の葉が特徴

もう一つ黄色い花として知られている高山植物はミヤマキンバイ(深山金梅)。むしろこちらのほうが有名といってよいかと思います。ミヤマダイコンソウより小さく、高さは10〜20センチ程度で、ミヤマダイコンソウのように花茎がひょろひょろと長く伸びていません。また、自生している場所も異なり、砂礫地、草地、雪田といった少し湿り気のあるような場所を好むようで、大雪渓ではミヤマキンバイとミヤマダイコンソウが隣り合って咲いているという場所は少ないと思います。
クローバーのような三枚の葉が特徴で、梅の花を黄色くしたようなその姿は、まさに「金梅」という名にふさわしい高山植物といえます。

ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイともに、秋になるときれいに紅葉し、ウラジロナナカマドやダケカンバの紅葉とはまた趣の違った一面を見せてくれます。

 

モミジカラマツ(つぼみ)

先ほど、ミヤマダイコンソウのところで少し紹介したモミジカラマツ。まだ、つぼみをつけているものの方が少ない状態です。この高山植物が咲き出すと夏がピークを迎え、そして、秋に一歩近づいた証拠です。花がカラマツソウに似ていて、葉がモミジに似ているところから命名されますが、その名のとおり、モミジカラマツも秋になると紅葉する高山植物です。ただ、ミヤマキンバイやチングルマほどきれいな彩りのものを見つけることはあまり多くありません。

 

チングルマ(花)

ミヤマキンバイと同様、夏の高山植物の定番のチングルマ。場所によってはもう終わっているものもありますが、ちらほらと咲いているものを見かけるようになって来ました。

 

チングルマ(花)

定点撮影のチングルマもようやく花をつけ始めました。昨年と比べて3週間ほど遅い開花です。

 

コケモモ(花)

富士見岳や肩の小屋周辺などでは6月に咲くコケモモ。大雪渓エリアでは場所によって大きく異なりますが、1〜2ヶ月ほど遅れて開花です。どちらかというとまだつぼみに近い状態で、もう少しすれば、「小さな釣鐘がたわわに実っている」という表現がぴったりな様子を観察することができるはずです。

ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、モミジカラマツ、チングルマ、そして、コケモモ...今回は高山植物を代表するかのようなレパートリーでしたが、それだけ、高山植物の季節がピークになってきている証拠ですね。

 

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