ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.15(2006/08/19) A

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(Update:2006/08/24)

 

【雪渓下部 T】

ここからはいつものように雪渓の様子をお伝えします。先週までの様子と比べてかなり様変わりしています。

 

雪解けで上部の雪渓中段と分離しはじめました

先週と比べて、3分の2程度の広さになり、また、南側(左側)を中心に岩の頭がかなり多くなり、上部の雪渓中段とは分離してしまいました。雪渓下部と雪渓中段の分離は、昨年より3週間ほど遅い状況です。

 

雪渓縁から排水溝まで70メートル以上

雪渓の下端は、道路沿いにある排水溝から70メートル以上の距離があり、こちらに関しても、先週と同様、昨年と比べて3週間ほど遅い雪解けです。

 

北寄り部分は5メートルほどの上昇 平坦な部分は幅17メートルほど

雪解けのペースは先週とほぼ同じくらいです。右の画像は登山道側の北寄りに位置するところで、雪渓下端は先週より5メートルほど上昇しています。右の画像は少し南寄りで、車道付近から一段高く上がって平坦になっている箇所です。先週は幅が12メートルでしたが、今週は17メートルほど。

どちらの下端部分の画像も先週とほぼ同じ雪解けのスピードで、雪渓下端は5メートル程度上昇しています。また、先週と同様、昨年より3週間ほど遅い雪解けです。

雪遊び

雪解けが進んで、スキーヤー・ボーダーがいなくなった雪渓下部は、登山や観光で訪れた人たちが、真夏の雪に触れてみたいと、ほんのひとときの雪遊びにお越しになっています。足を滑らさないよう、しっかり踏ん張りながら雪渓を歩くのは、なかなか貴重な体験ですね。

 

雪渓の雪は口にしないでね

もう少し小さなお子さんだと、たまに雪渓の雪を口にしているケースを見かけます。ある大学の研究で、乗鞍岳の大気汚染の状況調査を行っている方に、お話をお聞きしたことがありました。近年、酸性雨だけでなく、中国などの大陸から窒素などの栄養分を含んだ大気が、偏西風に乗って日本に届き、乗鞍岳をはじめ、多くの高山の雪渓が汚染されつつあるとのことです。

特に、雪解けが進むと雪渓が黒く汚れてきますが、降雪時に大気に含まれるこれらの物質を取り込んだ雪渓は、雪解けが進んで雪渓の底に到達するにつれて、これらの物質が凝縮され、それが汚れとなって見える形になるとのことです。単に周辺の土壌が入り交ざって汚れていくだけではないようです。

もちろん、窒素以外のいろいろな物質も含有することも考えられます。上記の画像のような雪渓の縁は一番凝縮されていますので、口にしないほうがよさそうです。

 

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