ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.15(2006/08/19) D

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(Update:2006/08/24)

 

【高山植物】

ウラジロナナカマド(実)

まだまだ、秋の雰囲気は全く感じさせない大雪渓エリアですが、高山植物のほうは少しずつ変化を見せ始めています。こちらは大雪渓入口にあるウラジロナナカマド。まっすぐに空に向かって青い実がなっている様子がわかります。昨年より2週間遅れで実がなりました。

 

ミヤマアカバナ(花) − 8月12日撮影

高山植物の中には判別が難しいものがたくさんあり、こちらの高山植物は先週撮影したものですが、判別に手間取り、一週間遅れでノリクラ雪渓カレンダーに掲載することにいたしました。判別が難しいものの中には、平地で自生しているものを母種とし、高山で小型化した植物などや、今回のように、同じ種の高山植物の中に、似たものがものが複数あるときなども判別を難しくしています。
こちらのミヤマアカバナのほかに、アシボソアカバナ、ヒメアカバナなどよく似たものが2〜3種類存在しています。

こちらのアカバナは高さが30センチ程度で、葉がそれほど細くないことから、ミヤマアカバナといたしました。

 

ミヤマアカバナ(実) − 8月19日撮影

もう一度確かめようと翌週訪れてみると、花は終わって実を風に乗せようと毛状の種子が大きく開いています。

 

クロクモソウ

大雪渓エリアではあまり見かけませんが、こちらはクロクモソウ(黒雲草)。比較的湿ったところを好む亜高山帯〜高山帯に自生する高山植物。ユキノシタの仲間の中では珍しく、黒っぽい花をつけるのが特徴です。

花よりも、大まかに切れ込んだ丸い根生葉に特徴があり、その丸い葉がふきの葉に似ていることから、キクブキ・イワブキなどという別名が付いているほどです。

コケモモ(花)

先々週の ノリクラ雪渓カレンダーVol.13(2006/08/05) E でつぼみの状態をお伝えしたコケモモは翌週には花が咲きました。ただ、掲載する高山植物が多く、せっかくきれいに花を咲かせてくれましたが、お伝えすることが出来ませんでした。今週に入り、散り始めてしまいましたので、すぐ横に1週間遅れで開花したコケモモをご紹介します。

大雪渓エリアは畳平のお花畑や肩の小屋周辺の室堂ヶ原と比べて雪解けが遅いため、コケモモは他のエリアでは6月〜7月ごろに咲きますが、大雪渓では1ヶ月以上遅れての開花です。

 

ハクサンイチゲ(花) ハクサンイチゲ(奥)と
ミヤマダイコンソウ(手前)

大雪渓エリアで遅れて開花するのはコケモモだけではありません。ハクサンイチゲは場所によっては6月中旬ごろから咲き出しますので、その差は2ヶ月近いものがあります。大雪渓エリアでは7月下旬ごろから咲き始めるミヤマダイコンソウと、ハクサンイチゲが一緒に開花している様子が見られることは大雪渓特有の環境から生まれたものだと考えられます。

チングルマ(実)

こちらは定点でお伝えしているチングルマ。先週の段階で花がすべて終わり、今週は風車状態の実になっています。昨年より、2週間ほど遅い状況です。

 

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