ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2007/07/07〜08) C

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(Update:2007/07/12)

 

【雪渓下部 V】

モーグルコーススタート地点の岩

こちらはモーグルコーススタート地点の岩。先週は中央の岩付近までしか出てませんでしたが、今週はそれより下部で雪解けが進んでいます。

 

5週前の 2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.4(2007/06/02〜03)B よりお伝えしてきたクレパスはかなり縮小しています。長さ6メートル×幅2メートルで、大きさとしては先週と変わりありませんが、右の画像のようにかなりなだらかになってきていて、今後大きくなる可能性は低いと考えられます。

 

モーグルコーススタート地点の岩 − ほぼ昨年並み

モーグルコーススタート地点の岩は先週より1メートルほ雪解けし、3メートル近くまで高くなっています。先週と同様、昨年並みの積雪です。

 

石碑の岩 − 昨年より1〜2週間早い雪解け 石碑の岩の下部 − 昨年より1週間早い雪解け

こちらはモーグルコーススタート地点の岩の南側にある石碑の岩。先週より50センチほどの雪解けしか見られず、先週は昨年より2週間早い状況でしたが、今週は昨年より1〜2週間早い雪解けです。また、石碑の岩の下部のバーンでは先週より出始めた岩の頭が少し広がっています。こちらは先週と同様、昨年より1週間早い雪解けの状況です。

 

チングルマ − 若葉が出始めます

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。よく見ると若葉が出始めている様子がご覧になれるかと思います。よく見るとしっかりとした枝から若葉が出ています。こんな小さな高山植物でもその枝が木であることがわかります。

同じ場所に自生するには地下部分が残っている多年草か木本である必要があります。チングルマは小さな木本の高山植物の代表的な存在で、このほかよく知られているものとしては、先々週お伝えしたベニバナイチゴも木本の高山植物です。

 

 

【高山植物】

登山道入口付近の雪解け箇所 − すでに高山植物の芽吹きが始まっています

さて、雪解けが進むとすぐに新しい芽吹きが始まります。先週までは雪の下だった登山道入口はご覧の状態です。

 

コバイケイソウ(新芽) シナノキンバイ(新芽)

雪解け箇所ではぱっと見ても二種類の高山植物が確認できます。左の高山植物はコバイケイソウの新芽です。高山植物に興味のある方ならすぐにわかるものだと思います。コバイケイソウの新芽を紹介するときには必ず対比されるのが食用されるオオバギボウシ。GWくらいの時期に山麓で取れるもので、毎年、オオバギボウシと間違えて採ったコバイケイソウで食中毒を起こす記事を見かけます。コバイケイソウは全草にわたって毒がありますので食用にはなりません。

右の高山植物はまだこの状態でははっきりと判別できませんがシナノキンバイだと思います。おそらくもう少し大きくなれば、種類が確定できるかと思います。

 

ショウジョウバカマ(花)

そしてこちらはショウジョウバカマ。根から直接広がる根生葉が放射状に広がる姿(ロゼット葉)がハカマに似ていることと、花が中国の伝説の猿(猩々)の顔にたとえて命名されています。

ロゼット葉は葉を持ち上げることがないので、その分省力化されている一方、ほかに光をさえぎるものがないという条件が必要になります。ただ、実際のショウジョウバカマを見ると必ずしも、ロゼット葉の回りをさえぎるものがないかというとそうでもなく、他の高山植物に覆われているケースが結構見受けられます。したがって、これだけはっきりとロゼット葉を見ることができるのもそれほど多くはありません。

 

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