ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.10(2007/07/14〜15) @

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7  8

(Update:2007/07/19)

 

【大雪渓】

GW以降、サマーシーズンに入ってはじめての三連休を迎えました。しかし、梅雨末期に近づくこの時期は大雨に見舞われることが多く、さらに今回は、9日(月)に日本のはるか南の海上に発生した台風4号が、12日(木)に沖縄を暴風圏内に巻き込んでから、この週末にかけて本州南岸を沿うようにやってきました。14日(土)は九州から四国に、15日(日)は東海沖から関東方面へ抜けて行きました。ノリクラでは14日(土)の日中は終始雨と霧に見舞われたものの、本格的な降雨は夕方になってからで、乗鞍上高地地域には14日(土)17:10に大雨・洪水・強風・雷の各注意報が発令され、県道乗鞍岳線をはじめ主要な道路は軒並み雨量規制値を超えました。そのため、県道乗鞍岳線は14日(日)22:00から、県道白骨温泉線は14日(土)20:00から、県道奈川木祖線と県道奈川野麦高根線はそれぞれ23:00から通行止めの措置がとられて15日(日)のシャトルバスは運休となり、貴重な三連休のうち、二日間はとても楽しく過ごせたとはいえない状況でした。

三連休最終日の16日(月)は天候が回復し、人出もそれなりにありましたが、この日は取材に出向くことができませんでしたので、前二日間の様子をお伝えいたします。特に大雪渓の状況は14日(土)の濃霧と降雨の中での撮影のため、不鮮明な画像が一部ありますがご了承ください。なお、15日(日)の通行止めによる取材時間の制約上の都合から、畳平のお花畑はお休みさせていただきます。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月14日(土)、観光センター】    【シャトルバス、大雪渓へ】
Page-2 : 【雪渓下部 T】     【雪渓下部 U − モーグルコース】
Page-3 : 【雪渓下部 V】    【雪渓中段】
Page-4 : 【高山植物】
Page-5 : 【雪渓上部 T、肩の小屋付近】
Page-6 : 【雪渓上部 U − 基礎キャンプ】
Page-7 : 【7月15日(日)、雨量規制通行止め】
Page-8 : 【通行止め解除へ】     【昨年の今ごろは?】     <編集後記>

  

 

 

【7月14日(土)、観光センター】

観光センター前駐車場 − 人出はまばら

7月14日(土)早朝の観光センター前駐車場。アスファルトが雨にぬれて光っています。三連休初日だというのに訪れている車は15台ほど。

 

売店は早朝からの営業を開始

観光センター内の売店も早朝から営業を開始し始めました。ただ、ごらんのように人影は全くありません。また、乗鞍高原周辺には売店がほとんどなく、終点の畳平まで行く場合は、畳平のバスターミナルなどで飲み物や食べ物の調達ができるものの、大雪渓入口の肩の小屋口バス停など途中下車する場合は、必要なものはすべて持参する必要があります。登山やスキーにお越しになる方で合羽を持ってこない方はまずいらっしゃらないと思いますが、観光客の方でも合羽は持参され他方がよいでしょう。かさを持っていてもビニール合羽を羽織っていたほうがぬれずにすみます。

かさは強風が吹けば使い物にならず、畳平や大雪渓に立ち込める霧は粒が大きく、短時間でも全身ずぶぬれになります。

 

この天候ですが山頂付近ははっきりと

この天候にもかかわらず、山頂付近はごらんのようにはっきりとその姿を確認できます。小雨が降っているものの、上空の雲はどんよりとしたものではなく、明るさを感じます。

 

大半の人が車の中で、雨の状況を見ていらっしゃるようでしたが、それでも出発に向けて準備をする観光客も若干いらっしゃいます。今日はこれから台風の影響が強まっていくことが予測されるので、早めにあがって下山したほうがよい状況であることは間違いないとおもいます。

 

7時のシャトルバス

こちらは7時のシャトルバス。乗客は3名。先週もお会いしたこちらの車掌さん。「先日、初めて雷鳥を見ました。」と、教えてくれました。観光客の方の中にも「ノリクラに行ったら必ず雷鳥に会える」と思ってお越しになる方もいるかと思います。「まだ、おなかの辺りは白いんですね」と、そのときの感動を伝えてくれます。雄だったか雌だったかとお聞きすると「うん?わかりません...」とのこと。
ノリクラ一年生の車掌さんは「これからいろいろ覚えて行きます」と、毎日が勉強の日々が続くことだと思います。

 

それでは雨の中を出発です。

 

 

【シャトルバス、大雪渓へ】

今日は雨が降っているものの、霧に包まれること無く、視界は比較的良好です。

 

魔利支天バス停を過ぎてしばらくするとダケカンバの回廊の箇所に来ます。バスの車窓からだと、比較的大型の木々の様子しか観察できませんが、路肩などに目を凝らしてみてみると、黄色いヤマカラシやピンク〜紫色のホタルブクロを見つけることができます。

高山植物は標高によって咲く時期や植生が異なりますが、ホタルブクロは標高の低いこの付近からかなり広範囲にわたって沿道で咲いています。しかも、花をつけている時期もかなり長いので、見逃すことはないと思います。

ただ、今年は少し遅れていて、ホタルブクロはまだ小さな花しかつけていません。もう少し経ったら見つけられるはずです。

シャトルバスのオープン当時は冷泉小屋付近でも積雪が見られましたが、雪解けが進んで位ヶ原山荘の先の屋根板方面が見渡せる箇所に来てようやく残雪を確認することができるようになります。

屋根板付近の雪解けが進んで、登山道の残雪もなくなるとこれから位ヶ原山荘から宝徳霊神そして大雪渓まで新緑の中の登山を楽しむことができるようになります。

 

お花畑 − 沿道の積雪はツアーコース入口を過ぎたあたりから

沿道の残雪は位ヶ原山荘を過ぎてツアーコース入口付近に差し掛かるところから見かけられるようになります。左の画像はツアーコースの少し上部にあるお花畑。位ヶ原山荘からおよそ2km程のところです。7月中旬でこれだけの積雪は珍しく、今年の積雪の多さを物語っています。

大雪渓付近などを見ていると、位ヶ原付近はあまり残雪が多くないように見受けられますが、平年並み以上の積雪はあります。

今日はしとしとと降り続く雨。シャトルバスから下車したテレマーカーの親子は、早速ツェルトの設営の準備に取り掛かります。

 

ツェルトの設営

ツェルトはエマージェンシー用のテントといった位置づけのもの。登山に出かける際は必需品といわれているほどです。大雪渓一帯の特別保護地区や県道乗鞍岳線周辺の特別地域では、自然公園法で工作物の新築・改築・増築に許可が必要と規定されていることから、テントの設営は禁止されています。ただ、大雪渓一帯には毎年多くの登山者やスキーヤー・ボーダーが訪れるものの、落雷時に避難する場所どころか、風雨をしのぐ場所さえありません。

 

私が一番はじめに だって私のお城だもん...

もちろん いの一番に入るのはこちらのお子さん...雨はしとしとと降り続きますが風が無いため、固定しなくても大丈夫なほどです。雨さえなければ、本当に台風がやってくるのかと思ってしまうほどの状態です。

 

Next>>

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会