ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.11(2007/07/21〜22) F
【畳平のお花畑】
先週は台風4号の影響で訪れることができませんでしたので2週間ぶりのお花畑です。先々週は奥のほうでハクサンイチゲが満開状態でしたが、今週はどのように推移しているでしょうか?
入口付近 |
先々週はまだ緑の少なかった入口付近はご覧のように青々とし、開花している状態を遠くからでも確認することができます。
ハクサンイチゲが満開 | まだ花茎が短い |
咲いているのはハクサンイチゲ。ちょうど満開状態です。右の画像はハクサンイチゲを横から撮影したもの。後ほどお花畑の中央付近のハクサンイチゲの画像を紹介しますので見比べるとわかりますが、こちらのほうが茎と花との間、つまり花茎(かけい)の長さが短いことがわかります。花茎の長さについては後述いたします。
ハクサンイチゲの群生のなかにコイワカガミ − 例年よりも群生がきれいに感じます |
満開なのはハクサンイチゲだけではありません。ハクサンイチゲの群生のなかに点々とピンクのコロニーがめだつようになってきました。こちらはコイワカガミ。年によって変動があるかどうかわかりませんが、昨年よりも群生がたくさんあるように感じます。
ミヤマキンバイ − まだつぼみのもののほうが多い状態 |
コイワカガミほどの群生ではありませんが、少し咲き始めたのがミヤマキンバイです。まだつぼみのほうが多いくらいでこれからが楽しみといえるでしょう。
周遊コース入口 | こちらもハクサンイチゲが満開 |
周遊コース入口付近もハクサンイチゲが満開状態です。
ハクサンイチゲ − 花茎が長くなっている |
状態としては入口付近とそれほど変わりありませんが、前述の花茎を見ると、右の画像のように花茎が伸びている様子がわかります。ハクサンイチゲは開花した後もその花茎をどんどん伸ばして行きますので、その長さを見ると咲き始めたばかりなのか、時間が経過しているのか推測することができます。
したがって、周遊コース入口付近のハクサンイチゲはお花畑入口付近のものよりも早く開花していることがわかります。
ミヤマホタルイ | 茎の途中から咲いているようにみえます − 花から先は苞 |
きれいな花ばかりに目が移りますが、ミヤマホタルイも花を咲かせ始めました。茎の途中から花をつけているように見えるところが特徴的ですから、すぐに判別できると思います。ちなみに茎の途中から花をつけているのではなく、花より上部の部分はつぼみを包んでいた苞(ほう)です。
ミヤマクロスゲ |
こちらも目立たない高山植物。ミヤマクロスゲの暗紫色の穂先はまだつぼみといってよいのでしょうか。もう少し時間がたつとこの筆状の紫から、黄色の花が現れてくる様子が伺えます。黄色と紫のツートンがなかなかきれいなものです。
周遊コースの奥(折り返し地点) |
周遊コースの一番奥の折り返し地点付近まで進むと...
ミヤマクロユリ(つぼみ) | つぼみの数は多くて二輪で、一輪がほとんど |
先々週はつぼみすらなかったミヤマクロユリが今にも咲き出しそうな状態にまで成長しています。今年もたくさんのミヤマクロユリが花を咲かせそうです。右の画像でお分かりのように、通常のユリとは異なり、花は多くて二輪で一輪のものが大半です。
先々週満開だったハクサンイチゲはご覧の状態 |
この折り返し地点は先々週はハクサンイチゲが満開でしたが、ご覧のように大半のものが花を落とし始めています。そして周遊コース入口付近のハクサンイチゲよりもさらに花茎が伸びていることがわかります。お花畑を一回りすると、ハクサンイチゲの開花から花を落とすまでの推移を追いかけることができます。
畳平のお花畑は開花のピークを迎えつつあります。これからさらに別の種類の高山植物次々と咲き始めますので、目が離せません。
【昨年の今ごろは?】
この日は久しぶりにきれいに晴れた週末を迎え、梅雨明けを思わせるような状況でした。ただ、17日(月)から19日(水)かけての大雨で、国道158号線の冠水や土砂崩れの爪痕がいくつも残っている状態で、中央道・長野道も22日(土)の朝まで通行止めの状態でした。したがって、22日(土)はきれいに晴れ上がったものの訪れる人が少なく、夏休みを迎えたにもかかわらず、ハイシーズンといった雰囲気ではありませんでした。23日(日)も天候はよく、これで梅雨明けかと思ったほどでした。
<編集後記>
先週の台風4号が訪れた時ですら、二日とも濃霧ということはなかったのですが、特に21日(土)の濃霧はひどく、全く撮影にならない状態でした。そして短時間ではありましたが、両日とも合羽の必要な一日でした。記事の中で合羽の話をいたしましたが、梅雨に限らずノリクラでは合羽は必需品です。スキー板は忘れても合羽は絶対に持っていかなくてはならないアイテムです。
合羽の用意もせずにノリクラの天候の推移を非常に気にしながら行動される方がたまにおられますが、インターネットなどで一生懸命天気図を見るよりも、まずは装備をしっかりすることが先決です。
先ほど、お知らせに掲載いたしましたが、7月14日(土)に乗鞍岳に出かけたまま、音信不通になっている行方不明の方を探しています。この日は台風4号の影響などから一日中雨が降っていました。ただ、視界はよく、風もほとんどない状態でした。16日(月)より警察による捜索が行われましたが、手がかりが得られず、20日(金)で一旦捜索は終了となっています。登りのシャトルバスに乗車したという情報はあるものの、下り便に乗車したという情報がないため、乗鞍岳周辺の捜索が行われましたが、乗鞍高原に戻ってきていないという確証もありません。どんな些細な情報もかまいませんので、どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。
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