ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.17(2007/09/01〜02) @

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(Update:2007/09/06)

 

【大雪渓】

観測史上最高気温を更新する地域が続出し、全国的に猛暑となった8月が終わりました。大雪渓でも梅雨が明ければそれなりに暑い日が続くはずですが、今年はうだるような暑さを覚える日はほとんどなく、猛暑とは無縁の日々をおくりました。それでも天候のほうは梅雨明け前の7月とは大きく異なって連日晴天が続きました。天候において特筆すべき点は、今年は夏山特有の午後の雷雨(雷鳴)がほとんどなかったこと。午後の雷雨は7月を含めて8月11日(土)がはじめてで、その後はお盆が明けてマウンテンサイクリングまでに1日、月末に2日雨が降っただけといった状況で、高山市の月間降水量は平年比104%とほぼ平年並みでしたが、松本市は56%と平年よりもかなり少ない状況でした。

今回は9月最初のノリクラ雪渓カレンダー。晴天に恵まれた8月とは打って変わり、9月1日(土)は晴なのか曇なのかはっきりしない天候。そして、9月2日(日)は朝から濃霧に包まれ、10時くらいからは雨となって降ったりやんだりを繰り返した後、夕方近くになってようやく青空が戻ってきた状況です。常連の多くは8月の晴天に慣れてしまっているせいか、かなり辛そうな顔を見せながら滑っていらっしゃいました。それでも16時くらいまでがんばる方もいて、残り少ないノリクラを楽しもうとされています。

雪解けの推移は先週と比べて雪解けスピードに大きな変化はなく、雪渓下部では昨年と比べて先週は1週間、今週は2週間早く、中段は先週と同様1週間早い推移をみせ、上部は箇所によって異なりますが上端付近は昨年より0〜3週間遅く、下端部分が2週間早い状況です。

今月より紅葉の状況をお届けいたしますが、早い年だと9月上旬からちらほらと見え始めますが、現段階ではまだまだその気配は見られません。それでは9月1日(土)〜2日(日)の状況をお伝えいたします。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【9月1日(土)、観光センター】     【シャトルバス、大雪渓へ】
Page-2 : 【大雪渓に向けて】    【雪渓下部 T】
Page-3 : 【雪渓下部 U】    【雪渓中段】
Page-4 : 【高山植物】
Page-5 : 【雪渓上部 T】    【雪渓上部 U − ジュニアレーシング】
Page-6 : 【雪渓上部 V − モーグルコース】
Page-7 : 【肩の小屋】
Page-8 : 【紅葉情報】     【昨年の今ごろは?】     <編集後記>

  

 

 

【9月1日(土)、観光センター】

観光センター前駐車場

9月1日(土)早朝の観光センター前駐車場です。お盆までのにぎやかさはもうすでにありません。ご覧のように空は全面雲に覆われ、鳥居尾根のゲレンデすら確認できないほどです。

 

こちらは観光センター。夜半まで降り続いた雨でテラスはまだ乾ききっていません。そして、7月中旬ごろから早朝営業を行っていた売店もご覧のとおり、ひっそりとした状況になっています。

 

7時のシャトルバス

こちらは7時便のシャトルバス。ほとんど人影はないもの、発車時刻が近くなるにつれて一人また一人と集まってきます。

 

乗客の方は少なめです

それでも乗車されたのは11名。これからしばらく紅葉シーズンを迎えるまではこんな状況が続きます。

 

うろこのような雲のグラデーション

上空を雲が完全に覆いますが、厚みのない上層のうろこ雲が日の光を受けて、きれいなグラデーションを見せてくれます。

 

それでは大雪渓に向けて出発します。

 

 

【シャトルバス、大雪渓へ】

どんよりとした曇り空の中、紅葉の時期までまだもう少し時間があり、夏でも秋でもないちょうど狭間の時期を迎えています。

 

谷間に低く雲が流れ込む

通常、雲海は位ヶ原山荘を過ぎて森林限界に達したあたりから眼下に広がりますが、今日は谷間の地形に雲が低く流れ込み、標高1900メートル付近のかもしかゲレンデ付近から乗鞍高原・一の瀬方面に雲海に近い光景が広がっています。

都会に住んでいると高層の建物や電線など上空をさえぎるものが多く、雲にどんな変化や種類があるかなど、まじまじと観察できないものです。今日のようなどんよりした天候の中でも、そんなくものグラデーションの美しさを観察できれば、結構楽しめるものです。

 

所々赤くなっていますが紅葉が始まったとはいえません

ウラジロナナカマドを中心に所々で、ご覧のように赤くなったものが見受けられます。ただ、このような状態のものは7月くらいからよく観察でき、紅葉が始まったとはいえません。

 

位ヶ原山荘付近で少しモヤがかかるもののすぐになくなり、曇天の中でも今日は比較的視界がよい状態が続きます。右の画像の屋根板方面も一様に緑が続いています。

 

紅葉はこの付近から始まります

紅葉前線は標高の高いところから順次降りてきます。この県道乗鞍岳線沿いの場合、大雪渓付近よりも少し下がった付近、ちょうどこちらの2枚の画像付近からポツリポツリと始まることが多いようです。左の画像は位ヶ原山荘から1.5kmほど進んだツアーコース入口のある11号カーブ付近、そして、右の画像はそれより数百メートル進んだ宝徳霊神バス停手前です。

早い年だと、赤いところが見え始めますが、今年はまだまだです。

 

そんな車窓の風景を楽しみながら大雪渓前に到着します。

 

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