ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2007/09/29〜30) A

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7  8  9

(Update:2007/10/04)

 

【大雪渓に到着】

明け方の雨はすっかりやんで、車道のアスファルトも乾いてきます。いつもなら時間が経過するとともに消えてなくなる雲海が今日は終日続いています。

 

重厚な雲海が続きます

ご覧のように乗鞍高原などの山麓方面は完全に雲の中で、さらに南アルプスなどの遠方の山並みも隠れてしまっています。ノリクラは岐阜と長野の両県にまたがる山で、両者ともそれぞれの特徴を持っています。特に紅葉のシーズンでは長野県側に有名ですが、桔梗ヶ原付近から白山方面を望んだエリアの雲海は重厚で見事なものです。画像でご覧になっている大雪渓エリアから乗鞍高原方面も明け方はきれいな雲海を見せてくれますが、日が高くなるにつれてすぐに消滅してしまうことが多く、桔梗ヶ原付近の雲海ほどのスケール感はありません。ただ今回は終日にわたって重量感のある雲海を楽しむことができました。

 

左:鉢盛山 右:小鉢盛山 (左上に小さく蓼科山)

そして、普段なら遠景の八ヶ岳や南アルプスといったスケールの大きな山に押され、すぐ目の前にあるにもかかわらずなかなか存在感を示すことができませんでしたが、今日ばかりはこの山だけがスポットを浴びています。

標高2446メートルの鉢盛山は松本平の西端に位置し、松本市奈川、波田町、朝日村、木祖村にまたがる裾野の広い山です。そして松本平の東端には鉢伏山があり、二つの山は「鉢に盛ったような」、「鉢を伏せたような」と形容される山容を持ち、松本平は似たような二つの山に囲まれていることは有名です。

なお、いつもなら大雪渓から鉢盛山方面を望むとその背後に八ヶ岳が構えています。八ヶ岳・南アルプスを含めた遠景の様子は 2006ノリクラ雪渓カレンダーVol.17(2006/09/02)B◎ Topics − 大雪渓から見られる遠景の山々 で紹介しています。遠景まではっきり見えるときは、手前に鉢盛山がはっきり見えていても、八ヶ岳の方に目が移ってしまう理由が良くわかるはずです。

 

午前中の出席者はたったの1名 コース整備の鍬持参

乗鞍高原は午前中は雨が降り続き、山麓からは大雪渓付近の天候をうかがい知ることができません。そのため、午前中に大雪渓を訪れたスキーヤーこちらの常連の方一人だけ。モーグルコースではなくフラット練習ですが、この時期ともなるとバーン表面のうねりが激しく、フラット練習でもコース整備が必要です。ですから今日は鍬持参でやって参りました。

 

ノリクラの天候は来て見ないとわからないですねぇ〜

「いや〜、ノリクラの天候は来て見ないとわからないですねぇ〜。こんなに良いとは想像できませんでしたよ。」と、おっしゃりながら雪渓上部へ向かって行きます。今日は完全にプライベートゲレンデ。ちょっと紅葉にはまだ早い状態ですが秋スキーを楽しみます。

 

 

【紅葉の写真は撮れなくても、今日は雲海が...】

先ほども申し上げたように、乗鞍高原方面はご覧のように雲が垂れ込んで大雪渓付近からはきれいな雲海を楽しむことができます。

 

カメラマンの列

ご覧のとおり、沿道にはたくさんのカメラマンの方々が、一列になってシャッターを切っています。9月も下旬ともなれば紅葉のパノラマが一面に広がり、きれいな錦をどうやってフレームに納めようかと一生懸命になるカメラマンばかりですが、今日はちょっと様子が違うようです。

 

山並みにどんな雲がたなびくか、一瞬を追う

レンズの先は雲海に浮かぶ山々。その山にどんな雲が流れてくるかその瞬間を追います。

 

いい光だ。これ撮らなきゃ! フィルムがあっという間になくなります

「おお〜いい光だ。これ撮らなきゃ!すばらしいこの雲海!(フィルムの)消化の早いこと!」と、夢中にシャッターを切ります。

 

十数年、ノリクラの四季をカメラで切り取っていらっしゃいます

「えっ、どこの取材なの?... あぁ〜あれね。結構いろんな写真載ってるよね。私も結構見るよ。来るときちゃんと見てきたからさ!」  と、おっしゃってくださるこちらの方は、十数年間、四季を通してノリクラの風景をカメラで切り取っていらっしゃいます。今やノリクラは紅葉の人気スポットとして有名ですが、「私が通い始めた頃はまだ誰も撮りに来なかったのに、本に書いちゃったら どーっとカメラマンが押し寄せるようになっちゃって...」とその当時のことを教えてくださいました。

「マイカー規制後は前ほどの列はできなくなった。以前はマイカーで来て、ぱっと撮ってさっと帰る人ばかりだったけど、今は本当に好きな人だけが来ている。やっぱり時間をかけてじっくり見て撮らないとダメね。マイカーでいきなり来てもなかなかいい写真は撮れない...やっぱり何回も通わないとね。苦労せず一発で撮れれば誰も来ないよ。」と、写真の醍醐味を少しだけ教えていただきました。

 

次のポイントに移動

「あぁ〜(山並みが)真っ白になっちゃった。いいのが撮れたからおしまいにしよう!」と、次のポイントに移動です。紅葉がなくてもその時々のチャンスを切り取るための観察力・洞察力を求めるところが写真の面白さであって、またノリクラの面白さであるかもしれません。

 

<<Back | Next>>

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会