ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.5(2008/04/19〜20) E

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6

(Update:2008/04/24)

 

【20日(日)もスキーヤーを誘う危険な天候 U】

午前中の天気から一変し、昨日以上にひどい濃霧

お昼に近くなるにつれて霧に覆われる時間のほうが長くなり、午後はご覧のようにほぼ完全に濃霧の中。

 

視界が確保できた一瞬に、たくさんの方が滑り降りる − 多くの方が肩の小屋付近で霧が抜けるの待つ

それでも一瞬だけ霧が抜けるときがあり、大雪渓よりさらに上部に向かった方々がその一瞬を待って一斉に滑り始めます。

 

この後は一瞬も視界が回復しない完全濃霧

こちらの方も肩の小屋付近まで出向いたとのこと。この霧は肩の小屋付近まででそれより上部はきれいに晴れていて、その付近で何人かの人が大雪渓にかかる霧が晴れるのを待っているとのこと。

午前中の良い天気に誘われて上部に出向いたものの天候の変化を読みきれず、上部に取り残された方々が互いに声を出しながら位置を確認しあって滑り降りてくる様子を耳にすることができました。本当に危険な状態です。

 

【雪渓下部】

ここからはいつものように大雪渓下部の様子をお伝えしますが、濃霧のためほとんど撮影できませんでしたのでご了承ください。

 

今回(4月20日(日))の大雪渓入口 先回(4月12日(土))の大雪渓入口

こちらは大雪渓入口付近。左は今回(4月20日(日))の画像で、右は先週(4月12日(土))のものです。積雪量は先週と比べて10から20センチ程度増えていて、先週は部分的に見えていた「前川国有林」の文字が完全に消えています。先週の段階で昨年の最大積雪量を越えていて、今回はそれよりさらに多くなっています。(→ 2007ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.8 (2007/05/04)Page : 6

 

いつもならここからトイレが見えるはず

晴れているときなら、この画像の左上あたりにトイレの小屋が見えるはずですが、ご覧のようにその影も形も確認できません。視界は50メートル以下です。

 

トイレ前 すっぽりと覆われる − 昨年よりも多い

トイレ手前の駐車場の縁石は今週も確認できません。また、トイレの周囲はすっぽりと雪に覆われ、こちらに関しても昨年よりも多い状態になっています。
先週もお伝えしましたが、大雪渓付近は昨年よりも確実に多い状態が続いています。

 

<編集後記>

今回はこの天候にもかかわらず比較的多くの方が訪れたように感じます。そして、これまでにも何度もお伝えしていますが、一歩間違えれば惨事となるようなケースを見かけることが多かった二日間だったと思います。
「@ たまたま霧が晴れて下山ができた。」 「A ツアーコースから位ヶ原山荘に行く赤いリボンを見失って登り過ぎてしまい、山荘の方向がわからない。」  「B GPSどおりに進んだら、雪崩多発の崖に出てしまった。」 
お聞きすればぞっとするようなことばかりです。
霧の中では自然と地形の低いところを進んでいってしまいがちで、今回も位ヶ原からツアーコースに降りる際に違う沢筋に降りていった方もみえて、大変な状況と背中合わせでした。

人間も動物ではありますが、社会を形成しライフラインなどを整備して危険を回避する仕組みを作っています。そのため他の動物よりも五感が鈍っているかもしれません。置かれた状況を五感ですばやく察知して、自ら危険を回避する行動をとることが重要です。しかし、もっと恐ろしいことは、一歩間違えれば大惨事となるような行動をとっておきながら、その危険性に鈍感になっているということです。

春のおとずれ − クマの足跡

さて、春が進んで位ヶ原周辺でも大きな熊の足跡を見つけることができました。しっかりとした爪跡が残り、歩いてさほど時間がたっていないもののようです。

 

クマだって雪崩のオープンバーンを避けて林の中を歩む

熊の足跡は雪崩が多発するオープンバーンのすぐ脇のダケカンバの林の中を進んでいます。直感的に歩くルートをちゃんと選んでいるのかもしれません。

次の週末からGWとなります。三本滝ゲート手前まで車両の通行が可能となります。この時期の三本滝ゲート付近の路面は夜間になると凍結する恐れがありますので、通行には十分注意してください。
なお、春スキーバスの運行開始は5月3日(土)を予定しています。詳しくは お知らせ−2008シーズン GW〜6月末の位ヶ原山荘行きのバス(春スキーバス)の運行について<1日3往復に増便> をご覧ください。

 

<<Back |  >> Next-Page (Vol.6)  | IndexTop-page

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会