ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2008/05/17〜18) F

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(Update:2008/05/22)

 

【稜線へ】

肩の小屋から朝日岳の山裾に入るときれいな新雪の感触がさらに増してきます。例年、この時期になると朝日岳の山肌にもハイマツ帯が所々に見えるようになり、肩の小屋から上って行く場合、夏道沿いに進んで行く必要があります。しかし、前頁でもお伝えしたように肩の小屋から山頂方面にかけては例年よりも積雪量が多く、全くハイマツ帯がみえませんのでそのまま直登することが可能です。

 

魔利支天岳

登行する足をとめて、振り返ると魔利支天岳を望むことができます。こちらの魔利支天も例年よりも多い積雪量を見せています。

蚕玉岳〜朝日岳稜線

こちらは蚕玉岳〜朝日岳の稜線。例年なら左の蚕玉岳の尾根沿いには地面が露出し始める頃ですが、今年はまだその様子が見られません。

 

朝日岳から大雪渓へのバーン − 比較的新雪が残っています

少しばかりもたつくコンディションですが、このバーンを滑り降りる方が少なかったせいもあって、朝日岳から大雪渓に下りるバーンは比較的新雪が残っています。

 

蚕玉岳〜朝日岳稜線

例年ならかなりはっきりと紙面が露出する稜線沿いもご覧のようにほとんど雪に覆われています。

 

権現ヶ池 朝日岳

左の画像の権現ヶ池周辺の積雪も例年より多く、どこに池があるのか分からないほどです。朝日岳についても例年より多い状況。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線。すこしばかり雪庇(せっぴ)に近い形状になっています。

 

それでもここを上がれば、平らなバーンになっています。

 

下まで一直線のバーンはシュプール跡でガタガタ

剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線からの沢筋はフォールラインに絡んだ一直線のバーンで今日は多くの方が滑走されたこともあって、夕方にはかなりガタガタな状態になっています。

 

位ヶ原 − 白一色

位ヶ原 − 唐草模様
2006ノリクラ雪渓カレンダーVol.2(2006/05/21) E

昨年の同時期の 2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.2(2007/05/19〜20)では、同じ場所の撮影を行っておりませんが、昨年とほぼ同じ状況だと思います。ただ例年と比較すれば多いといえるかと思います。参考として2006年の同時期のものを掲載いたしますが、その違いは一目瞭然かと思います。

 

稜線直下に関しても例年なら岩の面積がもう少し多いはずですが、ほとんど全面雪化粧しています。

 

急斜面から緩斜面に滑り降りると...

例年なら沢の両脇にハイマツ帯が並ぶ
2006ノリクラ雪渓カレンダーVol.1(2006/05/15) G

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線を滑り降り、急斜面から緩斜面に斜度変化する場面から、いつもなら、沢の両端にハイマツが帯状に並び、その間を滑り降りてくる状態になりますが、どこにハイマツ帯があるのかすらはっきりしないほど。

 

そのハイマツ帯はご覧のようにわずかに見えているだけの状態です。

 

全景

フォールラインを中心にかなり荒れたバーンになっていましたが、これだけ広いエリアですので、少しラインを変えれば、新雪部分も十分楽しめる状況です。

 

【昨年の今ごろは?】

date:2007/05/19〜20

昨年は乗鞍スカイラインのシャトルバスも県道乗鞍岳線の春スキーバスも積雪凍結のため土日とも運休。特に乗鞍スカイラインはオープン初日から20日(日)までの間に16日(水)午後しか開通しなかったほどの状況です。19日(土)午後から急激に悪化し、氷の粒のような状態の吹雪のとなり、位ヶ原から上部は完全にホワイトアウト状態でした。しかし、この降雪が春のくすんだ雪面を雪化粧させて、翌日の20日は、真っ白な銀世界に、ダケカンバの樹氷がきらめく見事な世界を繰り広げています。

 

<編集後記>

3月下旬から開始したプレリリース版を終了し、今回より正式版となりますが、内容的にはほとんど変わりません。本来はプレリリース版をもっと簡易なもので実施するつもりでしたが、冬から春先の情報も意外と多く、取材を進めるうちに正式版とほとんど変わらないボリュームとなってしまいました。今年はほぼ通年で現地入りしていますが、さすがに1月〜2月の真冬は雪渓カレンダーとして成立させるだけの取材を行うことが困難な日が多く、速報のみとさせていただいております。

今回は春スキーバスが6台も運行されるなどかなりの人出がありました。おそらくこれまでの運行の中でも最高クラスの状況だったかと思います。そのため、現地で多くの方々にお会いすることができ、色々感想を聞かせていただくことができました。できるだけ多くの方をWebSiteでご紹介したいと思っておりますが、紙面の都合でご紹介できないケースもあり心苦しく思っております。たくさんの方にご覧いただき、お声をかけてくださることがこのWebSiteを継続して行くための「糧」となっております。

この時期に営業している山小屋は位ヶ原山荘だけですが、かつては冷泉小屋なども春スキーの時期に営業するなど、多くの方が訪れていました。地元の方の中にはその当時のことを懐かしむ方もいらっしゃり、今回のようにたくさんの方がお越しになることは色々な面で活気付いてよいことと思います。ただ、その反面、環境への配慮がなされないまま多くの方がお越しになっている現状に、どのような対策をとっていったらよいかも同時に考えなければならない状況に対して、今後、検討が必要になることと思います。

現在、春スキーバスは位ヶ原山荘止まりですが、6月からは状況によって大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで区間延長される予定です。そうすれば、さらに大雪渓付近にお越しになる方が多くなり、トイレなどの問題も考えなければならない状況がもうすぐそこに来ています。

 

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