ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.4(2008/06/07〜08) @

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(Update:2008/06/12)

 

【大雪渓】

関東甲信・東海地方は6月2日(月)に梅雨入りが発表され、これからしばらくの間は一年の中で一番過ごしにくい時期が続くことと思います。しかし、今回の二日間は梅雨であることを全く感じさせることのない天候に恵まれました。おそらくこの時期に二日間とも良い天候に恵まれることは非常に稀なことと思います。

乗鞍スカイラインは5月28日(水)の四ッ岳カーブ付近の落石のすぐそばでまた落石があり、6月2日(月)から再び通行止めとなり、復旧工事の末、取材当日の6月7日(土)から通行可能となりました。朝からきれいな青空が広がり、これぞ本当の五月晴れといっても良いかと思うほどでした。その天候も少しずつ下り坂傾向を見せ、昼過ぎには曇り空になってきます。しかし、それ以上の天候の悪化はなく、夜になってから少しだけ雨に見舞われるものの、日中は穏やかな天候そのものでした。そして、長野県側の春スキーバスも大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長運行が開始され、位ヶ原を縫うように走るバスのエンジンが唸りを上げて登ってくる様子を久しぶりに見ることができます。

翌日の6月8日(日)は朝はどんよりとした天候でしたが次第に回復して昼前には青空が広がるほど。あまりよい天気予報が出ていませんでしたので、この状況に何か得をしたような気分にさせられます。その後は少し雲に覆われるものの雨にはなりませんでした。

天気がよいというだけでこの時期は幸運と思えてしまいますが、そんな二日間の様子をお伝えいたします。今回は二日とも岐阜県側の乗鞍スカイラインから現地入りしております。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月7日(土)、ほおのき平駐車場】      【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【畳平周辺】     【肩の小屋へ】
Page-3 : 【肩の小屋】     【稜線へ】
Page-4 : 【稜線】     【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 T】     【山頂小屋】
Page-5 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 U】     【雪渓下部】
Page-6 : 【春スキーバス、大雪渓駐車場へ】     【昨年の今ごろは?】      <編集後記>

  

 

【6月7日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

早朝6時30分のほおのき平駐車場。ご覧のように梅雨に入ったとは思えないほどきれいに晴れ上がった快晴の空が広がります。

 

ほおのき平駐車場の現在の気温は10℃で、少しばかりひんやりとした空気が流れます。そして、乗鞍スカイラインの終点、畳平の6時の気温は0℃。山麓よりかなり低い気温ですが、この時期としては特に低いというわけでもありません。乗鞍スカイラインは毎年5月15日から通行できるようになりますが、オープン当初は気温の低い日が多く、夜間に路面凍結することがあり、そのため6月上旬までは7時の開門が延期され、シャトルバスは早朝の便を中心に運休されることはよくあります。

 

運賃はは変更ありませんが、ダイヤは天候によって2種類

シャトルバスの運賃は昨年と変わらず大人往復2000円ですが運行ダイヤが変更されています。これまでは運行ダイヤは1種類しかありませんでした。今年からは天候に応じて、通常の運行ダイヤ(Aダイヤ)と、前日の17時の段階で翌日の6時〜12時の降水確率が40%を超える場合の運行ダイヤ(Bダイヤ)の2種類があります。Aダイヤは右の画像のとおり、1時間に2本程度運行されますが、Bダイヤになると1時間〜2時間に1本とかなり減便されます。

今日はご覧のように雲ひとつない快晴ですからAダイヤで運行されます。ただし、Bダイヤが適用された場合、始発便は6時55分とAダイヤと同一ですが、次の便が8時55分と2時間後となってしまいますので、天候の悪化が懸念される状況で早めに入山されたいときは、必ず始発便に乗車されることをお勧めします。

こんなによい天気なんですが、今日は訪れるスキーヤーは少なめ。

 

シャトルバス始発便到着

6時55分定刻どおり、平湯温泉からシャトルバスがやってきます。

 

それでは畳平に向けて出発です。

 

【乗鞍スカイライン】

それではシャトルバスの車窓から乗鞍スカイラインの状況をお伝えしたいと思います。

 

猫の小屋 − 標高2200m付近はまだ残雪

標高1684mの平湯峠から乗鞍スカイラインに入り、標高2000mの夫婦松付近から周辺に残雪が見られるようになってきます。画像は標高2200mの猫の小屋付近。県道乗鞍岳線では冷泉小屋の下のつづら折れのヘアピンカーブが続くあたりとなります。県道乗鞍岳線で残雪が見られるようになるのは2150m付近の荒田沢橋周辺からですので、北側に面した乗鞍スカイラインの積雪の多さが分かります。

 

烏帽子岳 乗鞍スカイラインはそれぞれの頂を順番に巡ります

乗鞍スカイラインの別の特徴として、23あるノリクラの峰をひとつずつ巡るように登って行きます。先ほどの猫の小屋付近まではうっそうとした針葉樹の林の中を進みます。そして、猫岳の山裾を回り込んで行くと一気に視界が開け、ます最初に目に飛び込んでくるのが左の画像の烏帽子岳(えぼしだけ)、画像をご覧いただくと分かりますが、その先にもいくつもの頂があり、烏帽子岳の左肩には大丹生岳が頭を出しています。

さらに1kmほど進んで四ッ岳のカーブを過ぎたところで振り返れば、右の画像のようにこれまで山裾を進んできた猫岳を眼下に望むことができます。

長野県側の県道乗鞍岳線は山麓の乗鞍高原から常に剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳、そして高天ヶ原といった主要な山並みと、山頂付近から緩やかに流れる広大な森林との調和を楽しむことが大きな特徴といえますが、岐阜県側の乗鞍スカイラインはそれと対比して、南北に並ぶそれぞれのノリクラの峰を巡りながら進んで行くところから、乗鞍岳のスケールの大きさを実感できるところがひとつのポイントといえるでしょう。

 

四ッ岳カーブ

先週もお伝えいたしましたが、やはり四ッ岳カーブが一番の見せ場ですが...

最初の落石現場 さらに数十メートル先で新たな落石

この付近は落石が多いことも知られています。左の画像は5月28日(水)の落石現場で先週もお伝えいたしました。そして、その数十メートルほど先に新たに落石が発生し、6月2日(月)から6月6日(金)まで復旧工事が実施されて本日ようやく通行できるようになりました。

 

土嚢 − バスの高さまで積み上げられる

二次災害を防ぐため、道路の半分は大きな土嚢が積み上げられていてバスの高さに匹敵するほどです。

ビューポイント

四ッ岳カーブを過ぎて四ッ岳と土俵ヶ原を眺めながら、桔梗ヶ原の手前にはビューポイントがあります。

 

車窓の向こうに...

皆さん窓を開けて一斉にカメラを取り出します。

 

穂高の山並み − 手が届きそうなほど

左の車窓に眺められるのは穂高の山並み。もちろん右側の車窓でもたくさんのビューポイントがあり、穂高のほかにも笠ヶ岳や雲海の向こうに白山を眺められるなど、どちらの席にしようか迷ってしまうほどです。

 

桔梗ヶ原 畳平に到着

真っ青な空と丘陵地帯を思わせるような桔梗ヶ原の眺めを楽しんでいるともう畳平に到着です。 Next

 

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