ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2008/06/14〜15) B

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(Update:2008/06/19)

 

【肩の小屋】

こちらは肩の小屋。先週と比べて北側ではあまり変化はありませんが、小屋の南側で雪解けが目立つようになって来ました。

 

 

肩の小屋周辺 − ほぼ昨年並み

肩の小屋の南側は先週よりも高さで1メートル近く雪解けが進んでいますが、昨年の同じ時期は1.5メートルほどの雪解けを見せたため、先週の段階では昨年より1週間早い雪解けでしたが、今週はほぼ昨年並みの状況に落ち着いた感じがあります。

 

肩の小屋南側の平原 − 昨年よりも若干早い雪解け

それでも肩の小屋の南側に広がる平原の箇所はかなり雪解けが進み、こちらに関しては昨年よりも若干早いペースの状況を見せています。

高山植物

雪解けの終わったエリアではこれからたくさんの日を浴びて活動を始めようとしている高山植物の姿があります。

 

キバナシャクナゲ − 昨年の実が残る

先週もお伝えしたキバナシャクナゲ。雪解けからしばらく経過したものはしっかりしたつぼみができ始めますが、雪解け直後のものはまだ新しいつぼみは小さく、小指の先ほどもない状態で、ご覧のように昨年の実の跡形がそのまま残っています。

 

小さな針状の葉が密集

キバナシャクナゲの葉は肉厚でしっかりしていますので、すぐに見つけられるものですが、こちらのように小さな針状の葉が密集していて、なおかつ、これから青くなろうとする暗紫色の状態ではどんな高山植物なのか判別がつきません。またこの形状の葉を持つ高山植物は何種類もあり、分布も同じようなエリアのものがあります。

 

アオノツガザクラ − 実は枝先 ガンコウラン − 実は枝の途中に

それでもご覧のように昨年の実を見つけることができれば、容易に判別することができます。左の画像はアオノツガザクラ。葉の頂点から実がまっすぐ伸びています。花は壷状で下向きに咲きますが、実の時期になるとまっすぐ上に伸びるところが特徴です。そして、右の画像はガンコウラン。赤い小さな花が咲きますが、ご覧のように枝の途中からまるでイボのように黒い実ができるところが特徴です。

通常、インターネットや書籍では花期の高山植物しか掲載されていないことが多く、一年を通して高山植物の形態を知ることはなかなか難しいのが現状です。それでもこんなふうに花期以外のシーズンに高山植物を楽しむことができれば、ノリクラをさらに楽しく過ごすことができるはずです。

 

キバナシャクナゲは判別できてもアオノツガザクラとガンコウランは分かりにくいですね

撮影中に声をかけてくださったこちらの方。キバナシャクナゲの葉はすぐに見つけることができましたが、一様に見えるアオノツガザクラとガンコウランについてはちょっと頭をかしげていました。これからのシーズンは春スキーだけでなく、色々なものにアンテナを張って高山植物や景色の移り変わりを楽しんでください。

 

それでは稜線に向けて出発します。

  

 

【稜線へ】

肩の小屋から夏の登山道

肩の小屋から稜線までの登山道は全体の約3分の1程度で雪解けが完了しています。

 

今回(2008/06/14)の登山道(全体の3分の1付近) 回(2008/06/07)のの登山道(全体の3分の1付近)

 先週はしっかりと積雪があったこの箇所もご覧のとおりすっかり登山道が姿をあらわしています。

 

積雪は先ほどの場所から20メートルほど先から始まります。

 

ここからアイゼンが必要

山頂から降りてきた登山のグループの方々もここでアイゼンを外します。ここから先は山頂付近のごく一部を除いて全面積雪となりますので、必ずアイゼンを装着して登行してください。

 

アイゼンだけでなく、それぞれのザックに数本ずつ竹ざおを持参しています。濃霧の際に雪上に目印として立てて行くためのものです。春の位ヶ原のように何も目印となるようなものがない場合にはこのように竹ざおを立てながら進み、帰りはそれを目印に同じルートを戻ってくるための物です。

 

雪解けでルートが明確になってきた

先週まではどこに登山道があるのか分からないほどの積雪がありましたが、ご覧のとおり、登山道のルートが見当がつく程度になってきました。

 

今回(2008/06/14)の登山道(全体の2分の1付近) 昨年(2007/06/16)の登山道(全体の2分の1付近)
2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.6(2007/0616〜17) D

 この先の稜線までの登山道の積雪はごらん昨年とほとんどかわらない状況です。

 

積雪部分が細くなって、岩の頭が見え始める

さらに先に進むと大雪渓から稜線へ直登するルートと合流します。この付近はご覧のように積雪エリアが細くなり始め、さらに登山道上にある岩の頭が所々で出始めてきました。

 

魔利支天岳 − 昨年とほぼ同等

こちらは登山道のルートを振り返って望んだ魔利支天岳。先週までは昨年より1週間程度早い雪解けを見せていましたが、今週は雪解けの進み具合が遅く、昨年とほぼ同等か若干早い程度にとどまっています。 Next

 

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