ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2008/06/28〜29) C

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(Update:2008/07/03)

 

【肩の小屋】

こちらは肩の小屋。先週と同じ傾向を示していますが、小屋の北側の積雪状況に大きな変化がありません。

 

肩の小屋周辺 − 雪解けは昨年より1週間弱遅い

小屋の南側でも雪解けが少し遅くなり、先週の段階ではほぼ昨年並みの状況を見せていましたが、今週は1週間弱の遅れを見せています。

 

肩の小屋、本日より営業開始

肩の小屋は本日6月28日(土)から今シーズンの営業が開始されました。

 

山頂登山の方が立ち寄ります

山頂登山から戻ってこられた方々がノリクラの記念にとキーホルダーなどを買い求める姿があります。

 

うどん・そばコーナー − 新人スタッフが手ほどきを受けます

うどんやそばの軽食コーナーでは今シーズンから仲間入りしたスタッフが手ほどきを受けています。

 

今日はまだ人出もまばらで何とかこなすことができるようですね。

 

本格的な夏山シーズンで、忙しい毎日が始まるでしょう

「手順はすぐに覚えられますが、ハイシーズンになったときにテキパキと動けるようになるのに少し苦労が必要になりますね。」と先輩の方がアドバイスされます。本格的な夏山シーズンが訪れ、大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)から山頂へ向かう登山道と、畳平から山頂に向かう登山道の合流地点にある肩の小屋は、否が応でも忙しい毎日がやってくるでしょう。

  

 

【高山植物】

雪解けが進めば進むほど、高山植物のシーズンがやってくるわけですが、目の届かないような小さな変化が雪解けと同時に始まります。

 

ハクサンイチゲ − 雪解け直後から芽を出す

ミヤマクロスゲの枯れ草の中からハクサンイチゲの新芽が頭を出し始めている様子は先週もご紹介したとおり。ご覧のように雪解け間近の箇所から淡い緑の若葉が大きくなってきている様子がうかがえます。ハクサンイチゲは高山植物の中でも比較的早く花を咲かせますので、これから急いで大きく成長してゆくことと思います。

 

ミヤマゼンコ(新芽)

さて、こちらでもミヤマクロスゲの枯れ草の中から新芽が出始めています。こちらはミヤマゼンコ。セリ科の仲間はよく似たものが多く、大雪渓にはハクサンボウフウが多いため、もしかするとミヤマゼンコでない可能性もあります。ただ、肩の小屋付近のものは花期になっても花をつけないものもあり、判別に苦労させられます。もう少し大きくなってしっかりとわかるようになれば、再度紹介したいと思います。

 

キバナシャクナゲ(花) −昨年とほぼ同じ時期の開花

そして、今シーズン最初の開花はやはりキバナシャクナゲ。透き通る淡いクリーム色の花弁はいつ見ても飽きの来ないものです。シーズンによって開花時期が前後しますが、昨年とほぼ同じ開花で、いつもよりもやや遅めの状況です。

 

雌しべを取り囲むように10本の雄しべ

中央のやや黄色のやや太めの軸をしたものが雌しべ、それを取り囲むように雄しべが10本あります。受粉はマルハナバチなど訪虫によっておこなわれます。ツツジとシャクナゲは同じツツジ属でありますが、便宜上、落葉するものはツツジ、常緑のものはシャクナゲと分類されるようです。ただ、日本では常緑のものでもツツジと称するものもあるようです。

また、ツツジ属のさらに上の分類のツツジ科を見てみると、以前ご紹介したコケモモやアオノツガザクラ、ガンコウランといった常緑の高山植物もツツジ科で、知らずに眺めていても何かしらの関連があるのかもしれません。

 

キバナシャクナゲとは対照的に咲いているのか咲いていないのかわからないほど小さな高山植物もあります。

 

ミヤマタネツケバナ(花) − 花弁は1センチに満たない小さな高山植物

こちらはミヤマタネツケバナ。比較のため100円硬貨と一緒に撮影しておりますが、高さは5センチ程度。花の大きさにいたっては1センチにも満たないほどです。ただ、湿った砂礫地や岩隙など比較的見つけ易いエリアに分布しているようですので、そんな箇所を重点に探せば必ず見つかります。ただ、この時期は同じアブラナ科のハタザオの仲間も開花し、それも小さな花をつけていますので、見慣れないと間違い易いかもしれません。 Next

 

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