ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2008/07/05〜06) F

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(Update:2008/07/10)

 

【肩の小屋】

肩の小屋周辺 − 雪解けは昨年より1週間遅い

この付近は昨年と比べて徐々に雪解けのペースが遅くなっていて、先週の段階では1週間弱の開きが今週では確実に1週間遅くなっています。右の画像の位置から肩の小屋の建物まで70メートルです。

 

肩の小屋への登山道 − 姿をあらわし始めました

そして肩の小屋の東側では大雪渓入口付近からつながる登山道が姿をあらわし始めました。

 

大雪渓入口付近からの登山道は前述のとおりまだ大半が雪の中ですが、畳平からの専用道は全く雪はありませんので、今日も肩の小屋には山頂に向かう登山客がお土産や休憩に立ち寄る姿が見られます。

 

【登山道 − 稜線へ】

ここからは山頂へ向かう登山道の様子をお伝えします。

 

肩の小屋から朝日岳山裾は完全に雪解けが終わりました

肩の小屋から山頂に向かうルートはご覧のように朝日岳の山裾を巻くように進み、朝日岳直下からつづら折れのガレ場を登りつめると蚕玉岳〜朝日岳稜線に達します。ここからは稜線上を南へ進むと最高峰の剣ヶ峰に到達できます。

ご覧のエリアは肩の小屋から朝日岳山裾を進むところ。先週の段階でほとんど雪解けが済んでいます。

 

7月に入り一般の観光客の方も多くなりました もうひとがんばりすると展望がひらけます

7月ともなるとスニーカーで登って行く一般の観光客の方のく姿が見られるようになります。子供さんを抱きあげながらの山登りはかなりつらそう...途中で休憩をされますが、もうひとがんばりすれば展望の開けたところに出ることができますよ。

 

「もう歩けない!」 −足が棒になります それでもがんばって!

この先、少し傾斜がきつくなることもあって、足が棒になってしまいます。嫌々ながらもザックから飴を取り出しなだめながら、すぐそこに見えている大岩まで再び歩き始めます。

ようやく到達 − 眼下に位ヶ原の風景を望む

大岩の所までやってくるとこれまで望むことができなかった眼下に広がる位ヶ原の風景が目に飛び込んできます。

 

初めてのノリクラ − ここまで登って十分堪能できました

この先は積雪があり小さな子供さん連れではちょっと不安ですが、ここまで自分の足で登ってこれただけで初めてのノリクラは十分に堪能できたはずです。

朝日岳直下 − 踏み跡に沿って進む

この先はご覧のように積雪が残っていて、踏み跡に沿って先を進みます。土や岩の上でも積雪の上でも同様ですが、滑りやすいのは登りよりも下りであることはよく知られていて、山頂に到達できた安堵感から気が緩みやすく一層の注意が必要です。

 

雪上に慣れないと結構滑りやすい

多くの人が行き交うルートはやや踏み固められて周辺よりも一層滑りやすい状態になっています。おそらく最初は踏み跡がしっかりついていて、その段状の踏み跡にあわせて歩行すれば問題なかったものの、ご覧のようにスリップを繰り返すと踏み跡を消してしまい、さらに滑りやすい状態を作ってしまいます。

夏山シーズンを迎えて集団登山の予定もあることから周辺ルートでは登山道の掘り出しが行われていますが、積雪に対応できるようにアイゼンなどの携行は必須でしょう。

 

【稜線】

蚕玉岳〜朝日岳稜線

朝日岳直下の積雪部分をトラバースすると稜線が目の前に広がりここからはつづら折れの登山道のルートを進みます。この先は完全に積雪はありません。

大雪渓への滑り込みは分断 − 昨年よりも1週間以上遅い状況

朝日岳直下から大雪渓へのバーンはご覧のように分断されてきました。この状況は昨年よりも1週間以上遅い状態です。

 

蚕玉岳〜朝日岳稜線

こちらは朝日岳側から蚕玉岳方面を見た稜線。先週の段階ではまだ周辺にかろうじて積雪がありましたが、ご覧のようにもう完全に積雪はありません。

 

権現ヶ池 朝日岳

稜線の西側にある権現ヶ池は積雪エリアが先週よりもかなり小さくなってきました。朝日岳に関しても積雪エリアが先週よりも一回り小さくなっています。

これからのノリクラは観光でお越しになった方々が山頂を目指すケースが増えてきます。気軽に登ることができることは事実ですが、単なる観光地ではない山岳地帯という一面も持っていることを忘れてはならないと感じます。

 

【昨年の今ごろは?】

2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.9(2007/07/07〜08)

昨年もちょうど今回と同じような天候の推移を見せた二日間でした。梅雨の中休みとなった7月7〜8日は早朝は良く晴れるもののその時間も短く、濃霧〜曇の天候を見せます。大雪渓にお越しになっているスキーヤーやボーダーのメンバーもほとんど昨年と同じで、7月最初は必ずノリクラでという年間スケジュールで動いていらっしゃる方も多いのかもしれません。この週から畳平のお花畑は一般開放され、ちらほらとハクサンイチゲが咲き始めました。

 

<編集後記>

7月になるとやはり夏のノリクラの雰囲気が漂うようになってきます。それは天候ばかりではなく、訪れる方々の様子からもうかがうことができるよう思います。これまでは登山の方やスキーヤー・ボーダーの方が大半をしめていましたが、一般の観光客の方やヒルクライムにお越しになる自転車の方も多くなり、また、高山植物の季節を迎えることで、一年の中でも多様性に富んだシーズンへ向かって行きます。

7月4日(土)に平年よりも13日も早く四国が梅雨明けし、それに続いて梅雨明けするのではと感じさせるような二日間でした。ただ、梅雨末期になると大雨に見舞われて、乗鞍地域は陸の孤島となることもあり、これからの時期は注意が必要です。

関東甲信地方・東海地方の平年の梅雨明けは7月20日。昨年は梅雨入りも梅雨明けも遅れましたが、今年は平年よりも6日早く6月2日に梅雨入りしましたので、早く梅雨明けしてくれることを期待したいものです。そして、青空ばかりのノリクラをこれからもお届けできれば幸いです。

 

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