ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2008/07/12〜13) @
【大雪渓】
各地で猛暑日が続く中、ノリクラでは全くそんな雰囲気を見せない状態が続いてます。特に12日(土)は寒気が流れ込んでいるためか、位ヶ原より上部には西から絶えず雲が供給され、気温も10℃前後を推移する状態。長袖どころか、アウターを一日中手放せない状況でした。そのため、雪面も硬く、登ったり滑ったりを繰り返すスキーヤー・ボーダーも汗を全くかくことのなく、平地とは全く別世界が広がっていました。
12日(土)の朝は濃霧に覆われたノリクラも次第にその天候は回復に向かい、13日(日)はきれいに晴れ上がった空にしっかりとノリクラの稜線が浮かんでいます。日差しは真夏ほど強くなく、この時期は晴れればヒルクライムにとっては最適ともいえ、今日も多くの方がペダルを回して行く様子をうかがうことができました。8月末の大会に向けてトレーニングに励む方は県境まで一気に上って行きますが、まだシーズンはじめということもあって、位ヶ原山荘でゆっくりと休憩してしっかり給水した後、再びペダルに足をかけるといった方などもいらっしゃり、これからは本当に色々な楽しみ方ができるシーズンがやってきたものだと感じさせられます。
畳平のお花畑は10日(木)に開放され、2〜3週間ほど前から雪解けが進んだ遊歩道の奥のほうではハクサンイチゲがほぼ満開を迎えています。手軽に数多くの高山植物を楽しむことのできますので、シャトルバスの待ち時間を利用して少し散策されるのも良いでしょう。
そんな二日間の様子をお伝えいたします。
【7月12日(土)、観光センター】
観光センター前駐車場 − 激しく雲が流れて行く |
朝6時30分の観光センター前駐車場。青空が広がるものの、そこには雲の大群が激しく南へ流れて行きます。そのため、いつもならくっきりと西の空に浮かんでいるノリクラの稜線は雲の中に包まれて、位ヶ原付近より上部はその姿を全く確認することができません。
乗鞍高原ではほとんど風はありませんが、激しい雲の動きから、上部付近では強風に見舞われていることは容易に想像できます。
こちらは7時のシャトルバス。
乗車の準備 − 荷物はトランクへ |
いつものようにトランクにスキー板などを積み込むところから乗車の準備が始まります。7時の乗鞍高原の気温は20℃。上空を激しく行き交う雲で日差しがさしたり曇ったりを繰り返します。
この時期の乗鞍高原の日中はやはり半袖の必要性がありますが、朝晩に関しては長袖でないとやはり寒さを感じるもの。最低気温が25℃を下回らない熱帯夜が続くようになる真夏の平地とは大きな差があります。
先週から担当の車掌さん −手馴れてこられました |
先週からこの路線を担当された車掌さん。チケットの販売や回収をてきぱきと行い すっかり落ち着いた様子ですね。長野県側のシャトルバスは観光センターから畳平に到着するまでの間にバス停が11箇所あり、さらに幅員の狭い車道において大型車の対向できる場所とその地名(通称名)などを覚えなければなりません。
それでは大雪渓に向けて出発です。
晴れたり曇ったりを繰り返す | 29号カーブ付近 − いつものノリクラの姿は見えません |
乗鞍高原を出発した後も雲量の多い状態が続き、晴れたり曇ったりを繰り返します。右の画像は魔利支天バス停を過ぎた29号カーブ付近。いつもなら正面にノリクラの姿がありますが、ご覧のようにその姿は雲の中。
天候の変化はいつも位ヶ原付近から − 雲が低く垂れ込め始めます |
山麓にきれいな雲海が広がるときも、また、今回のように山頂付近に雲がかかるときも、大半のケースではその境目は位ヶ原付近。今日も位ヶ原山荘に差し掛かるとご覧のように低く雲が垂れ込め始めます。
11号カーブ付近 | 5号カーブ付近 |
左の画像は位ヶ原山荘から1.5kmほど進んだツアーコース上部の11号カーブ付近。ここまでやってくると完全に霧に包まれてしまいます。濃霧とともに風も強くなり、ダケカンバやウラジロナナカマドが激しく揺さぶられています。
【天候は次第に回復】
8時、シャトルバス到着 − 強風・濃霧 |
濃霧の中を7時のシャトルバスが到着です。
シャトルバスを降りれば、まずはトランクからスキー板を搬出するところから出発の準備が始まりますが...
気温10℃。あまりの寒さにアウターを羽織るところから出発の準備が始まります |
今日はその次の作業はアウターを羽織ることです。気温は10℃。シャトルバスが出発した頃の乗鞍高原とは10℃もの気温差があり、日差しがなく強風が吹きぬける状態ではそれ以上の温度差を感じるものです。
登山に限らず、大雪渓でスキーを楽しむ方も当てはまりますが、アウター代わりに登山用の合羽を用意されることをお勧めします。今日のような寒い時はスキーウエアでも問題ありませんが、蒸し暑い雨の日は冬用のスキーウエアを着続けることはなかなか辛いものがあります。
9時、次の便が到着 − 天候の回復は見込まれません |
こちらは1時間後の8時便。時刻は9時を回ろうとしている頃で普段なら少しずつ暖かさを感じ、強い太陽に照らされるようなときにはもう蒸し暑ささえ感じる時間帯です。
やはり一枚余分に着込むところから準備が始まります。 | 顔まで完全に覆って |
しかし、ご覧のように長袖をさらに着込む様子がこの時間になっても見受けられ、顔も完全に覆う方さえいらっしゃいます。
10時過ぎにようやく青空が... |
それでも少しずつ天候は回復傾向をみせて、観光センターを9時に出発した便が到着した10時過ぎには少しずつ青空が広がるようになってきます。シャトルバスも4台が運行され、大雪渓入口に降り立つスキーヤーも大勢になってきました。
大雪渓の濃霧も抜けて今日一日が始まります |
大雪渓を覆っていた濃霧もご覧のように晴れ上がるようになってきて、今日一日がやっと本格的に始まろうとします。(→ Next)
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