ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2008/07/12〜13) B

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(Update:2008/07/17)

 

【雪渓下部 V、雪渓中段】

石碑の岩 − 昨年より1週間程度遅い雪解け

石碑の岩の下部 − 昨年よりやや遅い雪解け

こちらは雪渓下部の西側上部にある石碑の岩。先週は1メートルほどの雪解けがみられましたが、今週は70センチほどにとどまっています。先週と同様、昨年より1週間程度遅い雪解けを見せています。

また、石碑の岩の下部のバーンでは先週あたりから画像中央に岩の頭が見え始め、今週はさらにその手前にも見え始めます。昨年と比べてやや遅い雪解けを見せていますが、その開きは1週間まで行かないと思います。

 

チングルマ − 若葉が全体的に

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週あたりから若葉が出始めて、今週はご覧のように株の全体から若葉が芽吹く様子が見られます。状況は昨年とほぼ同じです。

雪渓中段 − 昨年とほぼ同じ状況

中央付近に岩が頭を出す − 昨年より1週間早い状況

雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。中央付近に岩の頭が今週になって見えるようになって来ました。昨年とほぼ同じ状況を見せています。

 

肩の小屋への登山道付近 − まだ登山道の姿はありません

こちらは雪渓中段の北端に位置する肩の小屋への登山道付近ですが、まだ姿はありません。先週の段階では右の画像の手前の岩は頭が少し出ていた程度ですので、1メートルほど雪解けしたことが分かります。

 

雪渓中段全景 − 昨年とほぼ同じ状況

雪渓中段全景を見ても昨年とほぼ同じ状況。右の画像の右側部分では登山道の支柱の頭が出始めていますが、来週あたりにはその登山道の姿が出てくると思います。

 

いたるところに角の立った筍状の円錐

週の半ばにまとまった雨が降り、また、今日は気温が低いこともあって、角の立った筍状の円錐がいくつも見られます。雪渓中段は比較的緩斜面ですので、何とか滑走できますが、少し整地してから滑走したほうが良いでしょう。

  

 

【高山植物】

イワツメグサ − まだまだつぼみが見られてこれからも楽しめます

高山植物も徐々にハイシーズンを迎えるようになって来ました。ブーケのようなこちらの花はイワツメグサ。先週あたりから小さな可憐な花をつけ始めています。よくご覧になるとお分かりですが、まだつぼみのものもありますので、まだまだ楽しめます。高山植物の中でも比較的息の長い花です。

 

やはり一番変化の大きいエリアは雪解け間際の箇所。

 

コバイケイソウ(新芽) ショウジョウバカマ(花)

左の画像はコバイケイソウの新芽。新芽のコロニーの中に昨年の茎が朽ちている様子が分かります。コバイケイソウは全草に渡って有毒で、春先に山菜として食用されるオオバギボウシと間違えて食中毒を起こすことはよく知られています。

また、ショウジョウバカマは常緑の高山植物で、雪解けとともに早々に花をつけます。ショウジョウバカマは高山植物に分類されますが、比較的山麓でもよく見られる植物です。

 

ミネズオウ(花)

そして、こちらは先週、つぼみの状態だったミネズオウ。ご覧のように赤いおしべがかなり際立つ派手な花をつけています。

 

小さな花でも派手な絵柄

しかし、10円硬貨と比べるとお分かりですがかなり小さな花で、おそらく多くの方は見過ごしてしまうのではないかと思います。小さなものこそ、派手な絵柄をしているのかもしれません。

 

クロマメノキ

こちらはクロウスゴと対比されることの多いクロマメノキ。どちらもブルーベリーの仲間です。

 

クロウスゴは新しい枝に芽吹き
2007ノリクラ雪渓カレンダーVol3
(2008/05/31〜06/01) A

クロマメノキは新しい枝には芽吹きが少ない

クロウスゴは実の先端が臼のように平につぶれているところから二つを見分けるのに一番分かりやすい方法です。花や葉などよく似た二つは結実以外の時期にはなかなか判別しにくいもの。

しかし、ご覧のようにクロウスゴは必ず新しい枝に芽吹くものの、クロマメノキはそうでないことが分かります。

 

クロマメノキは古い枝にたくさん芽吹く

むしろクロマメノキは古い枝にたくさん芽吹きます。そんな小さな違いですが、この時期に判別するには重要な違いです。

午後になって再び霧に覆われ始め、人出もほとんどなくなった肩の小屋近くの草原。

 

ハクサンイチゲ(花) コイワカガミ(花)

先週はつぼみの状態だった雪解け間際のハクサンイチゲもご覧のように白い可憐な花をつけ始めました。そして、所々でピンクのコロニーを形成するコイワカガミ。これまで暗紫色だった根生葉もご覧のようにしっかりと緑を取り戻し、コイワカガミ(小岩鏡)と称されるように、その肉厚の葉の表面がきれいに輝き始めています。

 

ライチョウ(雌) 高山植物をついばむ

人の気配がなくなり、霧の立ち込める中、「クックックックッ」と小さく鳴きながら姿をあらわしたのは雌の雷鳥。ツガイが形成される4月頃からしばらくはその姿を見かけることは余りありませんでした。開花し始めたハクサンイチゲなどの高山植物をついばんでいます。

 

そばには生まれたばかりの雛

よく観察していると、雌の雷鳥のそばに小さな雛がいます。まだ、生まれたばかりでその姿は茶色と黄色の羽に覆われています。

 

雛も一緒になって高山植物をついばむ − はぐれないようくっついて散歩

高山植物をついばむ姿を真似するかのように雛たちも一緒になってアオノツガザクラなどの芽をついばみながら親鳥にくっつくように散歩して行きます。そして霧が晴れ始めると同時にそんな親子の姿はあっという間に見えなくなってしまいました。 Next

 

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