ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2008/10/04〜05) D
【紅葉情報
− 大雪渓付近】
★大半のものが枯れ始めています★
大雪渓付近 |
ここからは紅葉情報をお伝えしております。紅葉前線は山麓へと広がり始め、見頃と言えるエリアが見頃のエリアは位ヶ原から三本滝と広範囲にわたるようになって来ました。全体的には昨年より1週間ほど早い推移で紅葉が進んでいます。ノリクラの紅葉の歩き方やおおよその時期については 乗鞍紅葉情報(紅葉の歩き方) をご覧ください。
トイレ付近 | 山頂全景 − 昨年並み |
トイレ付近のウラジロナナカマドは枯れているものが大半です。ただ、右の画像のように全体を見回すと、まだ何とか色合いを残しているものもあります。
スキーヤー専用道のウラジロナナカマド − 完全に枯れています |
こちらは大雪渓入口からスキーヤー専用道脇にあるウラジロナナカマド。先週から枯れ始め、何とか残っていた赤い色は完全になくなり、くすんだ色合いになってしまいました。
山頂方面 − ミヤマクロスゲが小麦色に輝く |
左の画像ではハイマツ帯の縁をウラジロナナカマドが分布している様子がわかりますが、それもあまりよい色合いを見せていません。大半のものが枯れ始めているように見えます。その代わり、今日の晴天にはミヤマクロスゲがきれいに小麦色に輝いています。ミヤマクロスゲの草紅葉はウラジロナナカマドやダケカンバの紅葉以上に光の差し方で色の見え方が大きく異なります。
雪渓上部左側より | 部分的にきれいなものも残っています |
ハイマツ帯を縁取るようにウラジロナナカマドの赤はもう良い色合いを見せていません。それでも右の画像のように何とか見栄えを保つものも点在しています。紅葉の進んでいない緑のウラジロナナカマドは大雪渓エリアにはもうありませんので、紅葉のピークを迎えることなく、今後は落葉して行くことと思います。
大雪渓駐車場から県道乗鞍岳線を少し進むと位ヶ原の大パノラマが広がります。いつもの紅葉シーズンならこの沿道にずらりと三脚が並びますが、この状態ですから、今年は大雪渓エリアに訪れるカメラマンは少なめ。こちらの方々も毎年このシーズンにお越しになっているものの、この状況に位ヶ原方面へと下って行きます。
「なかなか、ノリクラの紅葉の情報が調べられなくて...」と、おっしゃっていましたが、来年はぜひWebSiteをチェックしてお越しください。
最近は一眼レフもデシカメが主流ですが、やはりこの時期ともなると、中判フィルムのカメラを三脚に据えて撮影される方も見受けられるようになります。じっくりと腰をすえて、構図、ピント、露出といった写真には欠かせないポイントをしっかりと確認し、太陽の位置など光の加減を見ながら、そのチャンスが訪れたときにシャッターを切る...デジカメと異なり、その場で画像は確認できないし、後から修正もできない一発勝負です。また、修正を加えないからナチュラルな画像を得る事ができるのかもしれません。「手を加えないのが一番。PLフィルター(偏光フィルター)以外は使いませんよ。」と、おっしゃりながら、写真について色々教えていただきました。
遠景の山々が折り重なるような水墨画を思わせる光景と紅葉のコンビネーションはこのエリアでしか見られない光景で、フィルムサイズの大きなカメラの得意とする分野でしょう。
【このエリアのまとめ】 今年の大雪渓エリアの紅葉は ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2008/09/20〜21) E でお伝えした頃から始まり、このときは近年にないほどピークに近い彩のウラジロナナカマドもあって、良いスタートを切ったものの、 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2008/09/27〜28) F のとおり、9月26日〜27日の降雪・霜で大半のウラジロナナカマドがダメージを受けて葉が枯れてしまいました。まだ、この時点では紅葉が進んでいないウラジロナナカマドもありましたが、結局、それも紅葉することなく枯れてしまい、今年の大雪渓エリアは紅葉のピークを迎えることなく終わってしまった感じが見受けられます。
【紅葉情報
− 宝徳霊神〜位ヶ原付近 T】
★枯れ始めています★
宝徳霊神バス停付近 − 昨年より1週間早い |
ダケカンバは先週よりもかなり色づいた状態になってきました。ただ、鮮やかな黄色ではなく、やや赤みを帯びた状態です。
ダケカンバ |
よく見ると、まだ青みの残るものもありますが、大半のものは枯れて赤茶けていることが分かります。また、落葉も見られるようになって来ました。
富士見沢・鶴ヶ沢 |
富士見沢・鶴ヶ沢は先週の段階で大半が枯れてしまい、今週はさらに色合いに乏しい光景となっています。
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先週のウラジロナナカマド(富士見沢) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2008/09/27〜28) F |
今週のウラジロナナカマド(富士見沢) 完全に枯れています |
先週は枯れてもまだ赤みを残すウラジロナナカマドが多くを占めていましたが、今週はご覧のように赤い色合いのものはなく、完全に赤茶けた枯れたものばかりになってしまいました。
左の画像では大黒岳の山肌にはダケカンバが広がります。鮮やかな黄色はなく、また、これから紅葉を迎える青いものもない状態ですから、おそらく今後は落葉して行くことと考えられます。大黒岳の山肌の手前の部分を拡大したものが右の画像で、ハイマツ帯にダケカンバが点在しています。このエリアの中ではまずまずの色合いです。こちらも青いものはもうほとんどなく、今後は落葉が始まることと思います。
【このエリアのまとめ】 大雪渓から位ヶ原の上部エリアは、大半のものが降雪・霜の影響を大きく受けて、良い色合いを見せることなく枯れています。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンにしてください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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