ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.3(2009/04/11〜12) E

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6

(Update:2008/04/16)

 

【屋根板、鶴ヶ沢、魔利支天岳東斜面 − 静かなノリクラ】

屋根板 − くっきりとした青と白

ここからは屋根板などの様子をお伝えします。時間とともに空は真っ青な様相を見せ、くっきりとしたコントラストが浮かび上がっています。

 

大黒岳 − 今回一番激しい雪解けを見せる

屋根板でもこの一週間で雪解けが進み、その周辺の尾根など雪付きの良くないところでは地肌が見え始めています。ご覧の画像は大黒岳から伸びる尾根。先週までは完全に真っ白だったものの、右の画像のように所々でハイマツが見え始めています。

 

誰もいない鶴ヶ沢を独り占め

早朝は硬く締まったバーンもお昼近くになると完全に緩みます。誰もいない鶴ヶ沢のオープンバーンを独り占め。真冬のパウダーとは違った春スキーの楽しさは別物といったところでしょうか?

 

安心感のある春の雪質にスピードに任せて落ちて行く

雪面をえぐってスピードに乗ってもよし、コントロール効かせて滑ってもよし、そんな安心感が春先の雪質の楽しいところかもしれません。鶴ヶ沢のすり鉢を位ヶ原山荘めがけて落ちて行きます。

 

穏やかな雲が湧き、少し霞んだ春の雰囲気

お昼近くになると穏やかな雲が湧いては消えて行く様子が広がります。少しばかり霞んだ空気は春の気だるささえ感じるほど。

 

魔利支天岳東斜面

こちらは魔利支天岳東斜面。左の頂が魔利支天岳のピークです。コロナ観測所はピークの反対側に続いています。ご覧のようにこちらでも雪解けが進み、画像中央のハイマツ帯や画面右側の3号カーブの大岩から続くハイマツ帯は先週までその姿をほとんど確認できませんでした。

 

 

魔利支天岳東斜面 − 本日最初で最後のシュプールが描かれる

昨日同様、休暇村からアクセスではさすがに上部エリアに訪れる方は少なく、いつもなら多くのシュプールに刻まれる魔利支天岳東斜面はノートラック。そのバーンを今日最初で最後のシュプールが描かれます。

 

今日しか絶対に静かなノリクラは味わえない

リフト営業が終わって訪れる方が少なくなることを予測し、今日は絶対に静かなノリクラを楽しむことができると思ってやってこられてとのこと。予測どおり、誰もいない魔利支天岳東斜面を独り占めすることができた満足そうです。

この静かさを楽しむのであれば、どんなに登る距離が長くなって苦労しようともそんなことは厭わない...この時期に訪れる方は誰しもそんな風に思っていらっしゃるのかもしれません。

 

雪解けとともに色々な高山植物が キバナシャクナゲ
−いち早く大輪を咲かせる高山植物−

雪解けとともに現れたハイマツ帯。よく観察すると、ハイマツだけではなく、色々な高山植物の姿を見つけることができます。こちらは常緑樹のキバナシャクナゲ。ハイマツと同様、一年を通して緑の葉をつけています。花の咲く時期は葉を大きく広げていますが、雪の中ではご覧のように傘を閉じたような状態で春が来るのを待っています。

そして、枝先にはもうしっかりとしたつぼみができています。高山植物の中で最も早く花を咲かせるキバナシャクナゲ。シーズンの短い高山植物にとって、いち早く次のステップに進もうと季節が訪れる前から準備を始めているのですね。

 

<編集後記>

一気に春スキーへと季節がシフトしてしまった今回のノリクラ。まだ、これからでも降雪はありますが、真冬のような綺麗な雪に巡り合えることはなかなかないように思います。また、今回もみられましたが、雪面状況が大きく変化することで、所々でクラックが入っている箇所もあり、今後の降雨や降雪で雪崩の危険性も十分考えられます。
雪面の表情をよく観察し、割れ目などがあった場合は迂回するなどの行動が必要で、特にこれからグループで訪れる方々も多くなり、同じトレースを多くの方が歩くことでも危険性が増大することは容易に考えられます。

また、これからは気温が上がって濃霧が発生しやすい時期でもあり、位ヶ原から上部では急激に濃霧に襲われることを想定した行動が必要となります。

いずれにせよ、春は天候さえよければ楽しいフィールドになることは間違いありません。そんなことを踏まえてこれからも楽しみたいものですね。

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

Top IndexTop-page || <<Back | >>Next-Page (Vol.4)