ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2009/05/30〜31) A

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(Update:2008/06/04)

 

【畳平】

畳平バスターミナル

シャトルバスの到着した8時ごろの気温は4℃。それでも寒さを感じさせない状況。

 

今日は雷鳥の撮影に − アイゼン携行して

いつもWebSiteをご覧下さっているこちらの方。今日は雷鳥の写真を撮影しようとお越しになりました。ノリクラには何度もお越しになって撮影されているとのことですが、積雪期のノリクラは足を踏み入れたことがなく、今日はアイゼン持参でやってきました。「山の装備は良くわからなくて...」と、おっしゃってましたが、急斜面のトラバースなどでは軽アイゼンはあまりグリップが効かないため、しっかりとしたものを携行することをお勧めします。

この時期の雷鳥は縄張り争いで雄同士が激しく飛び交う様子があちこちで見られます。また、ツガイを形成した雄・雌はそろそろ抱卵期の時期となってくることと思います。

こちらは畳平バスターミナル内。

 

救護室が設置されます − 装備にはAEDなども

このバスターミナルは畳平のベースエリアとなる所で、多く登山者・観光客が立ち寄る箇所でもあります。高所のため、体調不良を訴える方もしばしばいらっしゃり、これまでは二階に救護所が設置されていましたが、救急車や防災ヘリコプターなどのストレッチャーが使用できないため、ターミナル入口隣に移設されました。

売店・自販機コーナーなど公衆スペースのすぐ隣ですが、AEDなども設置され、迅速な対応ができるように準備されています。

シャトルバスは30分おきにやってきますが、スキーヤーの姿はまばら...

 

意を決してノリクラでビュー

今日初めてノリクラにお越しになったこちらの方々。山スキーも今回がほとんど初めてとのこと。いつもWebSiteを指をくわえて眺めていらっしゃって、意を決してノリクラでビューを果たされました。

 

WebSiteで見ていた風景を目の当たりにできて、今日はこれで満足...

あまり芳しいとはいえない天候ですが、「今日はもうノリクラにやってこられただけで満足」と、WebSiteで見ていた風景を目の当たりにされた感想をおっしゃってくださいました。

この時期のノリクラで滑走できるエリアは、いつもお伝えしている長野県側の大雪渓方面と、岐阜県側の鶴ヶ池雪渓の二箇所ですが、初めての方ならば、天候の急変時でもすぐに畳平に戻ることが可能な鶴ヶ池雪渓をお勧めします。

鶴ヶ池雪渓は、畳平から乗鞍スカイラインを数百メートル歩き、県道乗鞍岳線との合流地点付近に広がる恵比寿岳の北斜面です。( 前頁の画像  をご覧下さい)

 

一時の青空 − 徐々に天候は悪化へ

少しばかり青空が見えてきましたがこの青空も一瞬のこと。はっきりしない天候の一日がその後は続きます。

 

【畳平周辺】

昨年の不動岳とお花畑・鶴ヶ池
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2008/05/31〜06/01) D

今週の不動岳とお花畑

今週の鶴ヶ池

それでは畳平周辺の様子をお伝えします。この付近は先週と比べて雪解けのスピードがやや遅く、昨年よりもやや多い状態となっています。特に昨年の鶴ヶ池周辺はここ数年のうちで最も多い状態でしたので、今年の鶴ヶ池はそれをさらに上回っていることとなります。

 

肩の小屋へ向かう専用道 − 路面の面積のほうが多くなる

肩の小屋へ向かう専用道は、先週の段階では、まだ、積雪部分のほうが多かったものの、今週は路面の方が多くなり、比較的、歩き易い状態です。

 

お花畑 不消ヶ池

右の画像の不消ヶ池は少しばかり雪解けが進むものの、左の画像のお花畑はほとんど雪解けが進んでいません。

 

不消ヶ池の取水口 − 雪解けが進まず、まだ取水できません

不消ヶ池の手前にはご覧のように取水口があります。畳平バスターミナルやトイレなどの各施設が使用する水源で、数日前からようやく雪解け水が出始めましたが、まだ、使用できるほどの水量ではなく、当面はこれまでどおり、山麓から散水車で運搬します。

畳平だけでなく、高所にあるそれぞれの施設は、飲料水を始め、発電設備など自前で全て準備しなければならず、配水管などはまだ凍結の恐れもあって、どのタイミングから導水を開始するかなど、山麓では考えられない苦労があります。

 

【肩の小屋へ】

分岐点−左が肩の小屋、右がコロナ観測所

こちらが分岐点。ちょうど正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。先週よりも30センチ程度の雪解けで、昨年よりも多い積雪状況です。

 

昨年の大雪渓・位ヶ原
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2008/05/31〜06/01) D

今週の大雪渓 − 昨年よりもやや遅い雪解け 今週の位ヶ原 − 昨年よりもやや遅い雪解け

大雪渓・位ヶ原を一望した画像を昨年のものと比較してお伝えします。高天ヶ原などでは先週よりもハイマツ帯が目立つようになってきたものの、位ヶ原など全体的には雪解けが少なく、昨年と比べて雪解けがやや遅い状況です。

 

雪は緩んで踏み抜くようになる 二箇所のトラバースはまだつながっています

先週までは踏み抜くといった箇所は少なかったものの、今週はひどいところでは膝ぐらいまで踏む抜いてしまうコンディション。それでも二箇所あるトラバースは、先週と同様、つながった状態が続いています。

 

雪渓下部へ続く急斜面

二番目のトラバース箇所からは、雪渓下部へストレートに滑り降りることができる急斜面が広がっています。先週とほとんど変わらない積雪状況ですが、濃霧のためその先は確認できません。

 

雷鳥 − 雄同士の縄張り争い

その濃霧の中で、二羽の雄の雷鳥が、特有の鳴き声を大雪渓に響かせながら縄張り争いの空中戦を繰り広げる様子を、あちこちで確認することができます。
普段は地面をたどたどしく歩く姿しか想像できませんが、ずんぐりとした姿からは想像できないほど俊敏な動きが見られるのも、この時期の特徴かもしれません。 Next

 

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