ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.23(2009/10/17〜18) D

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(Update:2009/10/22)

 

【10月18日(日) 雪化粧と全面凍結の朝 】

早朝6時の位ヶ原山荘付近 − 路面は全面凍結

6時の位ヶ原山荘付近の気温はマイナス1℃。昨日からの降雨・降雪が夜明け前まで断続的に続き、位ヶ原山荘より上部の路面は、ご覧のとおり全面凍結。三本滝ゲート開門前に道路状況に向かったパトロールの車両も、ひどい凍結でこの先を進むことができず、また、転回して方向を変えることもままならない状況に、この急坂をそのままバックで降りてくるほどでした。

人が歩くこともできない凍結のため、県道乗鞍岳線は当面通行止めとなり、シャトルバスも運休の措置がとられます。

 

6時10分。東の空にきれいな朝日が昇り始めます。

朝日にノリクラの峰々が真っ白に輝き始める

それまでぼんやりとしていた青空がくっきりとした快晴の様相に変化し、そこには真っ白に輝くノリクラの峰々が聳え立ちます。先週、初冠雪を迎えましたが、今回はそれを上回る状況で、本格的な冬の始まりを見せています。

 

いても立ってもいられない状況に足取り軽く

いつもは重役出勤の常連のスキーヤーも、今日ばかりは、いても立ってもいられない状況に、大雪渓に向かう足取りも軽く、先を急ぎます。「今シーズン初の新雪スキー」という言葉がだけが、頭の中を駆け巡っています。

 

【新雪を求めて大雪渓を目指す】

位ヶ原山荘から登山道へ

位ヶ原山荘から大雪渓への登山道にもうっすらと雪が積もり、大雪渓エリアの積雪状況が期待されるところです。

 

登山道沿いの位ヶ原山荘跡地

登山道を入り、少しばかり歩くとご覧のように石垣が見られる箇所にたどり着きます。位ヶ原山荘は昭和15年に山頂と冷泉小屋とを結ぶ登山道の中間に建てられました。しかし、その後、昭和38年に乗鞍高原から畳平への車道が完成したため、昭和42年に位ヶ原山荘は車道沿いの現在の位置に移設されました。

こちらは、建設当時の位ヶ原山荘が建てられていた場所で、現在は石垣だけが残されています。このほかにも、位ヶ原山荘と冷泉小屋との登山道沿いにも山小屋の跡があり、肩の小屋周辺でも幾つもの山小屋の跡が残されていて、歴史の一端を垣間見ることができます。

 

鬱蒼とした木々にスキー板が干渉する状態に少しばかり苦労しながら先を急ぎます。

 

ベニバナイチゴの実が残る − 枯れ枝も来年には再び新芽が

ダケカンバなどの紅葉はすっかり終わり、殺風景な状況ではありますが、そんな中でも、ベニバナイチゴの実が残っている状況を見つけることができます。

枯れ枝にしか見えないベニバナイチゴ。来年はこの枯れ枝から再び若葉が芽生えてきます。一般的な草本は、一旦枯れた後、多年草であれば、地中の根から芽吹いて新たな茎を形成するため、このような枯れ枝から芽吹くことはありません。

実は、枯れ枝のように見えるベニバナイチゴは樹木で、ダケカンバなどの樹が枝から芽吹きを始める原理とかわらない訳です。ですから、枯れ枝だからといって、踏み荒らすようなことは避けたいものです。

ベニバナイチゴの枯れ枝から芽吹く様子は、2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2008/07/05〜06) D で紹介しています。

 

徐々に標高が上がるにしたがって、登山道周辺の積雪量も次第に多くなってきます。

 

ノリクラでもっとも美しい絶景ポイント 紅葉 − ノリクラが一年で一番美しい瞬間
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.20(2009/09/26〜27) F

位ヶ原山荘〜宝徳霊神の登山道の中で、最も景色の良いポイント。三週間前の同じポイントからの画像と比較しますが、一ヶ月も経過しないうちにこれだけ季節が変化していることがわかります。

 

一面の青空 − 穂高をバックに大雪渓を目指す

この付近まで達すると、穂高の山並みが真っ白になっている様子をバックに背負いながら、ノリクラの白い頂へと進んで行きます。

 

宝徳霊神バス停 − 激しく雲が湧き上がるノリクラが目の前に

そして、宝徳霊神バス停付近で、登山道は一旦終了します。まだまだ続く紺碧の空に、山頂付近には激しく雲が湧き上がるダイナミックな光景が広がります。

路面は、強い日差しを受けて、大半が融雪していますが、周辺からは雪解け水が絶えず流れる状況が続きます。

 

サイレントな冬のノリクラを独り占め

シャトルバスもタクシーも、そして、訪れる人のいない、完全にサイレントな世界を独り占めする感覚は、まさに冬のノリクラそのもの。こんな静かなノリクラの季節が、もうそこまで始まっています。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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