ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2010/06/05〜06) D

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(Update:2010/06/17)

 

【山頂小屋の除雪】

山頂小屋の除雪

こちらは山頂直下にある山頂小屋。先月下旬頃から始まった除雪が今日も続いています。

 

周囲の積雪は屋根よりも高い

周囲には小屋の高さ以上の積雪があり、二人で作業を続けてもなかなか地面が見えるまでには至りません。

 

ようやく貯水タンクが出てきた

それでも何とか貯水タンクの蓋まで除雪ができました。ただ、このタンクに雪解け水を貯めるには周囲の除雪を進めることが先決で気の長い作業が続きます。

 

山頂付近の岩場は不安定、過去には事故も発生 − 登山道以外は立ち入らないようお願いします

雪解けとともに心配なのが山頂直下周辺の落石。登山道以外のエリアは岩がかなり不安定で、2005年10月には集団登山中の中学生の列に直径1.5メートルほどの岩が直撃し、太もも骨折、頭部強打の重傷を負った二人のほか、二人が軽症を負う事故が発生しています。

登頂したスキーヤー・ボーダーの方々が、滑走前に登山道以外の場所で休憩されているケースを見かけますが、不安定な岩場に立ち入ると落石を誘発する危険性がありますので、登山道以外の場所には絶対に立ち入らないようお願いいたします。

また、大雪渓エリアにおいても落石は頻発しています。雪解けが進むこの時期は、摩利支天岳からの落石が比較的多く、さらに、雪渓上部左側エリアは時期を問わず頻発しております。

2004 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2004/09/11) B では、雪渓上部左側エリアで数人のスキーヤーが滑走している最中、雪渓上にあった高さ1.8m×横2.5mの大岩が滑り始めて、落石する様子をお伝えしております。雪渓上を滑り降りるスピードはかなりなもので、とても避けきれるものではありませんでした。

 

梅雨入り前の貴重は晴れ間にできるだけやれることを...

今日は梅雨入り前の貴重な晴れ間。天気の良いうちにできるだけ作業を進めて行きます。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

それではここからはいつものように剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線の様子をお伝えします。

 

蚕玉岳山頂 − 今日も昼休みの方々が...

蚕玉岳山頂付近は今日もお昼休みのスキーヤー・ボーダーの方々が集まっています。周辺はご覧のようになだらかな地形で、剣ヶ峰山頂直下の落石の危険性などを考慮すると、剣ヶ峰登頂を終えた後はこちらまで戻ってから休憩されることをお勧めします。

 

稜線越えのやさしい風に包まれて... ノリクラガイドマップをお供に...

正午の蚕玉岳山頂付近の気温は12℃。稜線越えの風がやさしく吹きぬける状況の中、この場所でのんびりと佇むことが許されるのも、今日のような穏やかな天候だから...

ウインターシーズンはそれぞれの地域でゲレンデスキーなどを楽しむこちらの方々も、インターネットの掲示板で一つにつながり、今日はみんな揃ってお越しになりました。
もちろんWebSiteのチェックは欠かすことなく、事前に ノリクラガイドマップ を印刷して持参されるほど熱心にご覧下さっております。(いつもご覧下さり、ありがとうございます!)

すでにお知らせしている通り、ノリクラガイドマップ は春〜夏スキー版に更新しております。地図上の 「■蚕玉岳稜線■」 などといったエリア情報にマウスポイントを移動させるとポップアップが表示されますので、表示されたURLをクリックするとそのエリアの画像が見られます。ぜひご活用ください。

 

のんびりと過ごすお昼休みの後は、本番とも言える稜線からの大滑降が待つばかりです。

 

絶好のロケーションに飛び込んで行く

午後になって少しばかり雲がたなびくようになってきたものの、絶好のロケーションに飛び込むようにスキーヤーが一人ずつ滑り出します。

 

今日の本題がスタート!

一旦、稜線から飛び込んでしまうと、「今日の本題」がスタートです。

 

目標時間内に山頂登頂できました!

そして、大雪渓から山頂まで 目標3時間とおっしゃっていた親子のお二人も、剣ヶ峰山頂から戻ってこられました。もちろん、目標以内の時間で剣ヶ峰登頂ができ、それだけでもう満足といった表情...でもここからがまた楽しいターンの繰り返しが待っています。

 

横幅は100メートル以上

先週と同様、稜線からの滑走エリアは横幅100メートル以上あって、滑走に支障となるものは全くない状況。

 

昨年の位ヶ原
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) D
今回の位ヶ原
ほぼ昨年並み
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) D
今回の剣ヶ峰直下の岩
昨年よりやや多い

眼下には位ヶ原の唐草模様が広がります。この先、雪解けが進むとさらにハイマツの緑の部分が多くなります。唐草模様としては今の時期が一番綺麗な模様を描いているのではないかと思います。積雪状況としてはほぼ昨年並みです。また、剣ヶ峰直下の岩付近は先週と同様に昨年よりもやや多い状況を示しています。

 

斜面から緩斜面へ − 昨年よりも多い積雪量

左の画像は稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近を境に滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります。現段階では岩の頭は全くなく、例年よりも積雪量は多い状況です。

また、昨年も積雪量の多い年で、6月下旬になってようやく岩の頭が見え始めましたが、現段階では今年はそれよりもさらに遅れそうな状況です。

 

柔らかいバーンコンディション − 滑走時に縦溝はさほど気にならない

これからの時期は雨の影響からバーン表面に縦溝が走って滑走しにくい条件になりますが、今日は緩んで柔らかいコンディションのため、縦溝もほとんど気にすることなく滑走できます。

 

全景

昨年と比べて稜線付近の積雪が明らかに多いことがわかり、特に剣ヶ峰直下から滑り降りる沢筋は、今年はしっかりと横幅が確保でき、問題なく滑走できる状態です。

 

梅雨入り前の絶好なコンディションにノリクラデビュー!

稜線から大滑走を終えたこちらの二人。ゲレンデを離れて山岳地帯での滑走は今日が初めて..ですからもちろんノリクラも初めてです。ノリクラを選んだ理由もWebSiteをご覧になって「いつかは行きたい!」という想いを抱いていらっしゃったことがきっかけのようです。

「先週の記事(ノリクラ雪渓カレンダーVol.4(2010/05〜06)<編集後記>)で、『ノリクラデビューをするなら、梅雨入り前のこの時期がお勧め』と書いてありましたので今日来ました...いや〜やっぱり来てみてよかった!」と、ノリクラでビューの感想をおっしゃってくださいました。

今日は天候が良く、ツボ足でも問題なく登ることができましたが、今後、しっかりと始めるのであれば、それなりの道具などをそろえる必要があります。
「ちゃんとそろえて来年もう一度来たいと思います」とおっしゃると、「いや、来年じゃなく、そろえたら来月来たい!」と言い直すほど...今日のようなノリクラに出会ってしまうと足しげく訪れてみたいという気持ちにさせられて、「ノリクラ通い」というものが始まってしまうものです。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。

 

切り通しの高さは2.5メートル − 昨年並み

切り通しの高さは2.5メートルほど。ほぼ昨年並みの状況です。 Next

 

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