ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2010/07/31〜08/01) D

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7

(Update:2010/08/05)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景 − 昨年よりも一週間以上遅い雪解け

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。【雪渓下部 V】 のコーナーでもお伝えしたように、雪渓下部と雪渓上部は今週から分離し、画像左下部分の積雪がなくなってきました。先週と同様に昨年よりも一週間以上遅い雪解け状況を示しています。

 

昨年の雪渓上部右側
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2009/08/01〜02) D
今回の雪渓上部右側
昨年より一週間以上遅い雪解け

雪渓上部は今後の雪解けで右側(北側)エリアと左側(南側)エリアに分離します。こちらは右側エリア。例年、ポールレッスンが盛んに行われています。画像の左上に伸び始めている岩の帯が雪渓上部エリアを左右に分離する尾根です。昨年の画像と比較してもお分かりの通り、昨年よりも雪解けが遅く、一週間以上遅い状況を示しています。

 

鉄塔土台 雪渓上部から雪渓中段への連絡部分

左の画像は雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。これまでリフト土台と呼んでいましたが、冬季にコロナ観測所に物資を運ぶ雪上車の走行ルートを示すために建てられた鉄塔の土台であることがわかりましたので名称を変更いたします。
鉄塔土台周辺は、先週より高さで1.5メートル以上の雪解けが見られ、先週の段階では昨年より一週間程度遅い雪解け状況がさらに遅くなり、今週は昨年よりも一週間以上遅い推移となっています。

また、鉄塔土台の下方は、雪渓上部から雪渓中段への連絡部分になり、こちらも昨年よりも一週間以上遅い雪解け状況です。

 

雪渓上部右側の上端 − 昨年より一週間近く遅い雪解け

こちらは雪渓上部右側上端。先週から高さ1メートルほどの雪解けで、先週と同様、昨年より一週間近く遅い雪解けです。

 

上端からの画像
雪渓下端まで319メートル

上端から雪渓下端までの距離は先週から475メートルから319メートルに激減しています。これは先週の段階では雪渓上部と雪渓下部がつながっていて、雪渓下端が大雪渓入口付近であり、今週は雪渓上部と雪渓下部が分離して、雪渓下端が雪渓上部左側の下端部分となったためです。

昨年は271メートルで、状況としては昨年より一週間以上遅い雪解けを示しています。

 

雪渓上部右側には今日も数レーンのポールセットが立ち並びます。

 

レーシングキャンプ

毎年、この時期は欠かさずやってくるレーシングキャンプのグループ。ポールを通過するライン取りに重視して練習が行われます。

 

バーンは全体的に表面のピッチが目立つ

ご覧のようにバーンはかなりピッチの大きさが目立つようになり、綺麗に整備しないと足元を取られる状況ですが、逆にそのピッチにしっかりと力を伝え続けるように心がけた練習が一歩先に進むためには必要かもしれません。

 

【雪渓上部 U − モーグルコース】

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。ただ、他のエリアが滑走できなくなり、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットというよりも大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況です。また、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

雪渓上部左側の状況としては、下端部分は昨年よりもやや遅い雪解けを見せ、上端部分はほぼ昨年並みです。

 

そして、雪渓下部から移動される方々が徐々に増えてきました。

 

コブラインの作成

いつものようにコブ管理人がラインの作成を行っています。

 

鍛冶屋で特注の鍬 − 氷の頭も簡単に削れます

コブ管理人が使用するこちらの鍬。鍛冶屋に依頼した特注品です。通常の鍬よりも刃先部分が広くて長めになっていて、雪渓の所々に現れる氷の頭など、いとも簡単に削り取ることが可能で、バーン表面の細かなピッチをフラットに仕上げることができます。

 

22コブ・87メートル

ラインの長さは22コブ・87メートルです。

 

急斜面で登るのが辛そう...

斜度が30度ほどある雪渓上部左側は体が慣れないうちは一歩一歩がかなり辛いもの...歯を食いしばりながら登る様子も見られます。

 

バーンが硬いときは滑り込んでコブを成長させる必要があります

お昼過ぎになってようやく完成したコブラインも、ある程度滑り込んでコブの形をしっかりしたものに仕上げないと、次週末にはほとんど形状が残っていないほど雪解けが進みます。

 

雪渓上部を左右に分ける尾根 − また部分的にしか現れていません

こちらは雪渓上部エリアを左右に分ける尾根の一部、例年ならしっかりとつながっている尾根もご覧の状態で、今年の雪解けの遅さがわかります。次週末にはしっかりとつながることと思います。

 

こちらは雪渓上端部分。

 

上端部分 − 昨年並み

先週から高さ50センチ程度しか雪解けが進んでいません。ほぼ昨年並みの状況です。

 

昨年の上端部分
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2009/08/01〜02) E
今年の上端部分
=昨年との相違=

こちらは昨年の雪渓上端の様子と比較します。何か違いがお分かりでしょうか?

 

雪解けとともに上部岩盤から落石
今後の雪解けでさらに下部へ落石の予測

画像右上にあった岩が雪解けとともに落石しています。この付近は落石が多発しており、今後、さらに雪解けが進んで、この岩の基盤の積雪が失われると雪渓を滑り落ちて行くこととなります。したがって、雪渓上部左側では常に落石に注意しながらの行動が必要となります。

2004 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2004/09/11) B では、雪渓上部左側エリアで数人のスキーヤーが滑走している最中、雪渓上にあった高さ1.8m×横2.5mの大岩が滑り始めて、落石する様子をお伝えしております。雪渓上を滑り降りるスピードはかなりなもので、とても避けきれるものではありませんでした。

 

上端から − 下端部分まで170メートル

雪渓上部左側下端までの距離は先週の226メートルからかなり短くなって170メートルです。昨年よりも一週間ほど遅い雪解け状態ですが、2008シーズンよりも一週間ほど早い雪解けです。 Next

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  7  Next>>