ノリクラ 雪渓カレンダー

番外版(2010/12/25〜26) A

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(Update:2010/12/29)

 

【ツアーコース T】

1番標識手前 − ブッシュが減って、まっすぐ登ることが可能

入口急斜面を乗り切った先のツアーコースは、緩斜面が続いて行きます。画像は1番標識手前付近で、先週まではブッシュを迂回しながら登って行かなければならない状況でしたが、ご覧のようにほぼ完全に雪に埋まり、まっすぐ登って行くことが可能となりました。また、地形の凹凸もかなり少なくなっています。

 

1番標識 − 天気がよければ絶好のビューポイント

左の画像は1番標識付近。晴れていればこの付近から高天ヶ原と剣ヶ峰がばっちり見られる絶好のビューポイント。今日はそんな山並みどころではなく、すぐ先すら吹雪に霞んで見られない状況。

 

絶えず笑いの場を盛り上げて初心者をサポート

このような天候に慣れている常連の方々にも、厳しい条件ではありますが、この先の行動コースの状況などを熟知しているので比較的耐えられるもの...初めてお越しになった初心者も事前に地図上で確認してはいるものの、この先どこまで進めばよいか、距離感的にわからない中での行動は結構つらいものです。そんな不安感に駆られていることも把握済みの常連の方々は、絶えずバカ話(失礼...)をして和んだ雰囲気を作りながら、やさしく背中を押してあげるのです。

 

昨年の3番標識
(2009/12/26)
先週の3番標識
(2010/12/18)

今週の3番標識
先週よりも1メートル増えて
昨年よりも30センチ多い

こちらはツアーコース中間付近にあるB番標識。左上は昨年同時期のもの、右上が先週のものですが、先週よりも1メートル近く増えて、昨年よりも30センチほど多い状況です。

 

昨年の5番標識
(2009/12/26)
先週の5番標識
(2010/12/18)

今週の5番標識
先週よりも50センチ増えて
昨年よりも20センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識と同様、左上が昨年のもの、右上が先週のものです。先週よりも50センチ増えて、昨年よりも20センチほど多い状況です。

 

天候はさらに悪化傾向へ

さらに天候は悪化傾向となり、ご覧のように視界が効かないようになって来ました。これは霧ではなく吹雪によるもの。この時期は霧が発生することはあまりなく、絶え間なく降り続く雪で視界がなくなります。

 

6番標識手前の谷

5番標識を過ぎるとご覧のように小さな谷が6番標識付近にかけて数箇所あります。春先になるとさらに積雪が増えて、これらの谷もあまり目立たないようになりますが、この付近はかえって真冬の方が積もりにくいようで、2月ごろまではこの谷をクリアしなければならない状況が続くことと考えられます。

 

6番標識

そして、6番標識を過ぎればツアーコース最後の位ヶ原急斜面です。なお、6番標識があった木は今年5月に倒れてしまったため、周辺の別の木に標識が付け替えられています。

 

【ツアーコース U − 位ヶ原山荘に向けて】

位ヶ原急斜面

位ヶ原急斜面も先週と比べればかなり積雪が増え、ブッシュの面積がかなり減少しています。

 

この先の位ヶ原へ向かうことは困難 − ルートを右の樹林帯をラッセルして位ヶ原山荘へ

天候がよければ、このまま位ヶ原に登って屋根板を滑り降りて位ヶ原山荘に向かいたいところですが、この状況で森林限界を超えることは困難と考えられます。この状況に何度も出くわさないと、悪天候時に森林限界を超えることの危険性が身をもってわからないことと思います。GPSなどでルートを把握することができる手段を持っていても、この天候の時は上部エリアに向かわないという判断が必要と考えられます。

今日は位ヶ原急斜面から右にルートを取り、位ヶ原山荘に向かう車道を目指します。ただ、このルートも木々の枝につけられた赤布だけが頼りとなりますので、天候のよいときにルートをよく把握した場合でないと困難かもしれません。そして、ツアーコースを外れていることから、日によってはトレースがないこともあり、今回も先頭を交代しながらラッセルを続ける必要がありました。

 

ようやく車道 − まだまだラッセルが続く

ようやく車道にたどり着き、シールやスノーシューをはずして車道を滑り降りて行きます。しかし、雪が深いため実際にはスキーはほとんど滑らず、ほっとしたのもつかの間で、ラッセルが続くのです。

 

位ヶ原山荘に到着

この日、位ヶ原山荘にたどり着いたのは14時近く。晴れていれば上部エリアで何本か滑走してから山荘にやってきてもこんな時間にならない常連のペースから考えると、今日はかなり苦労させられた様子がわかります。

 

「安堵」のひとこと...

「安堵」という言葉が山荘に入り込んでようやく出てくるものです。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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