ノリクラ 雪渓カレンダー
 
プレリリース版 Vol.3(2012/04/07〜08) B

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(Update:2012/04/12)

 

【ツアーコース T − 入口急斜面

ツアーコース入口付近で20センチの新雪

それではツアーコースを出発します。連日降り続いた新雪は20センチほどの積雪となっています。

 

南寄りの吹雪 − でも軽い雪質

前ページでも申し上げたとおり、先週と同じく今日も南寄りの吹雪。それでも雪質は軽く、湿雪でないためシールが濡れてしまう恐れもありません。

 

今日は富士見岳を目標に − でも天候が心配...

「いつもWebSiteを見てますよ。」と声をかけてくださったこちらの方。今シーズンのツアーコースは今日がはじめてとのこと...ゲレンデ内にもパウダーが降り積もり、今日はゲレンデを2〜3回楽しんでからお越しになったそうです。「今日は富士見岳に行きたいのですが、天候は大丈夫でしょうか?」と、おっしゃっています。天気予報では回復傾向とのことですが、天候が確実に回復したと思える状態になったら行ってもよいかもしれませんね。

ツアーコースの先の上部エリアは、春とは言えども、冬の様相を見せる日のほうが多い状態です。天気がよくても風が強く、快晴無風という好条件はほとんどないといってもよいでしょう。

 

グルーミングバーン
先行者のトレースから
踏み外れる事がためらわれるほど...

綺麗にグルーミングされたバーンは先行者のトレースを外れることをためらわせるほどの美しさ。真冬でもここまで綺麗に降り積もることは、それほど多くありません。

 

昨年同時期(一週間前)のツアーコース入口急斜面
2011ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.2(2011/04/02) B
先週のツアーコース入口急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.2(2012/03/31) A

今週のツアーコース入口急斜面
ほぼ昨年並みの積雪量まで増加

入口急斜面の全景を見てみると、先週よりもブッシュの分布が明らかに減少していることがわかります。また、昨年よりも積雪量の少なかった状況も、ほぼ昨年並みへと増加しています。

 

積雪量はこの一週間で一気に増加

この付近は4月以降になると積雪量の減少が見られ、昨年も例年通りに減少傾向を示しました。しかし、今年は厳冬期の積雪量が少なく、3月下旬から増加し始めて、この一週間は急激に増加し、ようやく昨年並へと推移しています。

 

入口急斜面の下山滑走は5月上〜中旬まで
雪のない入口急斜面は背丈以上のブッシュで立入不可能

今回の積雪量増加により、今年も5月中〜下旬頃まで入口急斜面の下山滑走が可能であると推測されます。先週も申し上げましたが、この付近が滑走できなくなると、ツアーコースでの下山滑走は困難な状況となります。積雪のない入口急斜面は人の背丈以上のブッシュが生い茂り、立ち入ることが困難です。そのため、5月中旬以降になったら無理をせず、春山バスで下山されることをお勧めします。

 

【ツアーコース U − 1〜3番標識付近】

入口急斜面を登りきって一休み...

入口急斜面を登りきった先はちょっとした休憩スポット...まだまだこの先は長いので定期的に休憩を取ります。

 

右の方は大きなザックに腰をかけて「年に2〜3回しか来ないが、今日は畳平に行こうと思ってます。トイレの庇がちょうど風除けになって、テントを張るのにちょうどいいですよ。」

また、「できれば、翌日は十石山の避難小屋へ足を伸ばしてみたい」と、おっしゃっていました。乗鞍スカイライン周辺など北向きのエリアは、ツアーコースなど東・南向きのエリアよりも風雪がひどく、厳冬期はなかなか足を踏み入れることができない状態です。

 

今日はエア台でワンメイク

入口急斜面を登りきったこの箇所は、足を止めずにそのまま通過する人よりも、ここで腰を下ろして休憩する方のほうが多いようです。「今日はエア台を作るんだ!」と、おっしゃるこちらのグループ。ゲレンデ内と異なり、負傷時にゲレンデパトロールに救助要請することができないため、慎重に行動する必要がありますが、これは一般の登山者や山スキーなど、バックカントリーに訪れるすべての方に当てはまること...

 

数珠繋ぎになって... − 賑わいを見せる春スキーシーズンが到来

例年、ツアーコースは3月中〜下旬頃から訪れる方が多くなってきます。しかし、今年は3月の天候が不順であったことから、「天気が悪くてなかなか訪れることができず、今シーズン初めてです」と、おっしゃる方がたくさんいらっしゃいました。

一本のトレースに数珠繋ぎのように一列になって登る様子を見ると、春スキーシーズン到来といった感じが見受けられます。

 

1番標識付近 連日の降雪で木々は重そうに頭を垂れる

こちらは1番標識付近。先週と同様、視界が悪く上部エリアの様子をうかがい知ることができません。また、この数日間の降雪で木々はご覧のように重たく頭を垂れています。

 

ボードは各自ザックで背負って 起き上がれない...

さて、通常、ボードは各自がザックに背負って歩くスタイルが一般的です。腰を下ろしてしまったら、もう起き上がれないという右の画像の方...

 

ボードを背負うのは別の方が...(笑)

よく見ると、ボードを背負っているのは、一緒にお越しになっているシールで歩く別の方...この時期はゲレンデスキーからバックカントリースキーに転向されるという方も多く、久しぶりにツアーコースの登行とあって、思うように脚が進まない様子もあります。

それでも、この時期は多くの方が入山するため、しっかりとしたトレースが刻まれていて、かなり歩きやすい状態となります。もちろんツボ足ではなく、シール・スノーシュー・わかんやアイゼンといった道具は必要でしょう。

 

昨年の3番標識
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2011/04/09) B

先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー 
プレリリース版 Vol.2(2012/03/31) B

今週の3番標識
先週より50センチ増加、昨年より1メートル多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週よりも50センチ増加して、昨年より1メートルも多い状況です。

昨年よりも1メートルも多い状態になったことは、今シーズンを含めて過去には例がありません。例年なら、減少傾向となるこの時期であるにもかかわらず、今年はこの数日間でまとまった降雪に見舞われたことが要因です。

翌日(4月8日(日))の1番標識付近

こちらは翌日の4月8日(日)の1番標識付近。

 

ツアーコース内にはまだパウダーゾーンが残る 絶景ポイント

ツアーコースの多くの部分は昨日の段階で踏み潰されてしまい、パウダーのエリアがあまり残っていませんが、それでもご覧のように綺麗な箇所もまだあります。高天ヶ原と剣ヶ峰が正面にそびえるこの箇所はツアーコース内でも一番のビューポイントといえるでしょう。

 

超快晴!

雲ひとつない真っ青な空がいつまでも続きます。ここ数週間は週末になると悪天候に見舞われる日々が続きましたが、こんな青と白のコントラストの広がる快晴の日がやってくると、苦労続きの取材の辛さなど、すっかり忘れてしまうものです。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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