ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.10(2012/07/14〜15) B

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(Update:2012/07/19)

 

【雪渓下部 U】

大雪渓〜肩の小屋 登山道
雪解けは入口から56メートルのみ
この先、肩の小屋まで大半が雪渓の上を歩く

登山道入口から続く肩の小屋への登山道は、ようやくその姿が一部だけ現れるようになって来ました。登山道の姿が現れているのは入口から56メートルだけです。その先は、右の画像のように雪渓の上を歩いて行くことになります。

 

落石注意

ご覧の画像を見て「ヒヤッ!」と感じなければなりません。例年、雪解けが進むと摩利支天岳方面(左の画像の右方面です)から、落石が多発しています。 

お知らせ − 7月からの県道乗鞍岳線(エコーライン)の部分開通について(第2報)<三本滝〜大雪渓のみ開通、シャトルバス特別ダイヤ>(2012/06/28) で、富士見沢の落石の画像を掲載しています。摩利支天岳や富士見岳では雪解けが進むと落石が多発するエリアで、どちらの画像も、幅が1メートル以上もある巨大なものです。無雪期に落石があると、岩に衝突しながら落ちてきますので、その衝撃音で落石に気がつくこともありますが、雪渓上を滑り落ちてくる落石は音もなく落ちてきますので、この付近を通過する際は、必ず上部の状況を確認しながら行動する必要があります。

また、この画像の落石も、今後、さらに下方の登山道入口方面に落下する可能性もありますので、さらに注意が必要です。

 

急斜面区間は61メートル この先も雪渓は続く

左の画像にあるモーグルコースの岩までは、やや急斜面で登りはもちろん下りは特に慎重に心がけてください。先ほどの雪渓の始まるところからモーグルコースの岩までの急斜面は61メートルほどの距離があります。

モーグルコースの岩の左側へ誘導ロープに従って登って行くと、右の画像のようにさらに雪の上を肩の小屋方面へと進みます。この先も雪渓の上を歩きます。

なお、この付近を歩く翌日の登山者の様子を 6ページ で紹介しております。あわせてご覧ください。

 

昨年のモーグルコースの岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2011/07/14〜15) C
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.9(2012/07/06〜07) A

今週のモーグルコースの岩
この一週間の雪解けは2メートル

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

この一週間の雪解けは2メートルほどもあり、これまでは昨年よりも圧倒的に多い積雪量でしたが、その差はわずかになってきました。

 

2010年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2010/07/17〜18) B
2009年のモーグルコースの岩
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2009/07/18〜19) B

2008年のモーグルコースの岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2008/08/02〜03) B

2007年のモーグルコースの岩
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2007/07/14〜15) A
=今週は2007年に匹敵する積雪量の多さ − 激しい雪解けも例年並み=

2010年〜2007年と比べると、先週は積雪量の多かった2007年とほぼ同じ状態で、先々週は2007年よりもやや少ない状態でした。今週は2007年よりも50センチ程度少なく、先々週と同じ状況に戻っています。この一週間で劇的に積雪量が少なくなりましたが、例年と比べても、積雪量の減少度には大きな変化はないことがわかります。

過去5年間と比べて今週の状況は、下部の雪渓下端部分(車道沿い)でも、上部付近(モーグルコースの岩付近)でも、2007年並みの積雪量です。先週は下部のほうが積雪量が多い様子でしたが、今週は例年の推移と比べて、上部も下部も同じような雪解けが見られる様子です。

 

雪渓下端まで118m − 例年以上の距離

雪解けと共にモーグルコースの岩は上下にわたって岩が大きくなり、今後、モーグルコース付近の圧迫するようになってきます。現時点でのモーグルコースの岩の下端から雪渓下端までの距離は118メートルで、最も長かった2010年の120メートルよりも若干短くなっています。

 

昨年の石碑の岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2011/07/14〜15) C
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.9(2012/07/06〜07) A

今週の石碑の岩
過去5年間で最も多い積雪 − 例年より1メートル多い

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。先週からの雪解けは1メートル以上もありますが、2007年以降の過去5年間で最も積雪量の多い状態を維持していて、例年と比べて高さ1メートル以上の積雪量の違いがあります。

 

チングルマ − 新芽が増える、例年より1〜2週間遅い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週は何とか新芽がちらほら見られる状態でしたが、ご覧のようにはっきりと新芽が出ている様子がわかります。例年、つぼみができ始める時期ですから、1〜2週間は遅い状態です。

 

昨年の石碑の岩の下部のバーン
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2011/07/14〜15) C
先週の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.9(2012/07/06〜07) A

今週の石碑の岩の下部のバーン
例年より1〜2週間遅い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、先週と比べてあまり雪解けが進まず、昨年より2週間遅い雪解けで、例年と比べても1〜2週間遅い状況です。

 

チズゴケ − 黒い下地(菌類)と緑の表面(藻類)の共存体(地衣類)

先週、畳平のお花畑でハナゴケを紹介いたしました。その中で、同じ仲間の地衣類にチズゴケというものがノリクラでは良く見られることもあわせてご紹介しました。おそらく、大雪渓にお越しになっている方なら、一度は目にしていると思いますが、岩の表面に模様のように緑色に分布しています。拡大してみると、黒い菌類の下地の上に、藻類の緑が乗っていて、その隙間に菌類の黒い線が見られる様子が、地図の道路など類似しているところから、チズゴケと呼ばれています。

 

【雪渓下部 V − モーグルコース】

それでは、ここからは設計下部のモーグルコースの様子をお伝えします。

 

モーグルコーススタート付近 上部には岩場が − これより上部にコースは伸ばせれない

こちらはモーグルコースのスタート付近。モーグルコースの岩のすぐ南側にスタート位置があり、右の画像のようにスタートラインより上部はすぐに岩場が出てきていますので、今後の雪解けにより、モーグルコースは徐々に短くなって行きます。

 

長さ105メートル×30コブ

ラインの長さは、105メートル×30コブ。

 

モーグルコースとしては、まだまだ十分な長さがあります。

 

モーグルコースのゴール付近

こちらはモーグルコースのゴール付近。今週から現れてきた岩の帯の部分で、お昼休みを取っている様子があります。

 

何はなくともこれに限ります!

モーグルコースにやってきて、まず最初に実行することは、コース整備ではなく、缶ビールを雪の中に埋めること。お昼休みの時間にはちょうどよい状態になっているはずです。

 

気温8℃ − どんなに寒くてもやめられません...

正午の気温は8℃。長袖のアウターを着ていないと、寒くて耐えられない状態ですが、それでも、この一缶が雪の中で冷えてくれていると思うと、モーグルコースを滑走するモチベーションを維持することができます。

どんなに寒くても、この大雪渓で飲み干す楽しみがあるからこそ、夏スキーはやめられません。

 

モーグル観戦 特等席 − ゆっくりとお昼の時間が過ぎてゆく

ここはモーグル観戦の特等席でもあり、他のメンバーを眺めながらゆっくりとお昼の時間が過ぎてゆきます。

7月15日(日) − 午前中は悪天候の中

そして、こちらは翌日7月15日(日)の様子。この日は朝を中心にひどい横殴りの天候で、午前中の早い時間帯はほとんど訪れるモーグラーがいません。コブの角をブーツで削りながらコース整備をします。人数が少ないとなかなかはかどらない作業です。

 

午後になって回復傾向 − たくさんの方がお越しになる

午後になって、天候が回復傾向を示し、午前中の雨もほとんどなくなりました。天候の回復を待っていた方々が、お昼前のシャトルバスでたくさんお越しになり、午後のモーグルコースはいつもの盛況振りが戻ってきました。

 

今回もやってきました! − 今日も力強く登ります

濃霧の中にも時折視界が回復するときも現れます。さて、こちらの親子のお二人。ノリクラが本当に大好きという息子さんと一緒にお越しになりました。前回お越しになったのは6月で稜線まで力強く登って行く様子が記憶に強く残っています。

 

肩の小屋にも足を伸ばして...

「ノリクラが大好きなんです...」なんて、ダイレクトな表現は決してしません。でも、いつもにこやかな笑顔を見せてくれて、ここに来ることを本当に楽しみにされている様子は、その表情から一目瞭然です。コブを滑った後は、肩の小屋まで足を伸ばしてみるとのこと...四季を通して色々な季節に訪れてみて、ノリクラの魅力をさらに広げていってもらいたいものです... Next

 

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