ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.22(2012/10/06〜07) C

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6  7  8  9 

(Update:2012/10/11)

 

【雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

スキーヤー専用道 今週がピークの色合い

こちらは大雪渓入口から雪渓上部につながるスキーヤー専用道。先週はまだ青い状態が残っていたウラジロナナカマドも紅葉が進んでいます。しかし、これ以上色合いが進むかどうか微妙なところで、おそらく、今週がピークの色合いではないかと考えられます。

石碑の岩

こちらは石碑の岩。雪渓下部の上端付近に位置しています。5月末付近から雪解けが進んで、モーグルコースの岩に次いで二番目に頭を出す岩です。

 

ようやく真紅の色合い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週から紅葉が進んで、ようやく真紅の色合いとなりました。おそらく例年なら、霜枯れしてしまう時期ですが、今年はまったく霜が降りず、深い色合いまで成長することができました。

 

石碑の岩の下部

石碑の岩の下部から見られる大雪渓周辺・位ヶ原。

 

昨年の石碑の岩の下部
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) B
先週の石碑の岩の下部
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C
今週の石碑の岩の下部
ウラジロナナカマドの落葉が見られる

先週よりもウラジロナナカマドの落葉が散見されます。大雪渓全体としては紅葉のピークが続いているものの、やはり少し最盛期が過ぎていることをあらわしています。

 

【雪渓上部 − モーグルコース】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。

 

雪渓上部左側 − 上級者のみ

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

 

2011年の雪渓上部左側
2011ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2011/10/08〜09) B
2009年の雪渓上部左側
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2009/10/10〜11) B
2008年の雪渓上部左側
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2008/10/11〜12) C
2007年の雪渓上部左側
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2007/10/06〜07) D

2011年〜2008年までの各年の様子を比較します。2010年は濃霧のため撮影できませんでしたので画像がありません。2011年と2009年は、今年と同様に左寄りにモーグルバーンが作成されていますが、2008年と2007年はまだ右寄りにモーグルバーンがあります。

バーンの大きさは以前より小さくなっている傾向を見せていますが、2007年以前では今年や昨年よりもさらに小さくなった年が何年か続きましたので、おそらく数年の単位で変動しているように見られます。

 

昨年の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) B
先週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C
今週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)

雪渓上部左側の右寄りの下端部分の下に落書きの岩があります。雪渓の下端部分と落書きの岩の間の距離は68メートル。先週より3メートルほど雪渓の下端部分が上昇しています。

昨年同時期の距離は72メートルでしたから、ほぼ昨年並みといえるでしょう。

 

モーグルコース

こちらは右寄りにあるモーグルコース。

 

気温6℃ − 暖かいカップラーメンが最高!

気温は6℃まで低下し、お昼休みをとるモーグラーも暖かいカップラーメンで体を温めます。それでも例年の10月上旬よりも寒さは厳しくありません。

 

例年と比べると暖かくバーンコンディションも良好

そのため、夕方まで滑走を続けても、苦痛と感じるような状況はありません。エッジが効かないほどのアイスバーンもなく、本当に10月の雪渓なのかと思ってしまうほどの良好なコンディションです。

 

右側のライン − 43メートル×11コブ(ピッチ3.90メートル)

先週は滑走するスキーヤーが少なかったため、二本あるうちの右側だけでしたが、今日は両方のラインが滑走可能な状況となっています。こちらは右側のピッチの長いライン。長さは43メートル×11コブです。(ピッチ3.90メートル)

 

左側のライン − 36メートル×13コブ(ピッチ2.77メートル)

こちらは左側のピッチの短いライン。長さは36メートル×13コブです。(ピッチ2.77メートル)

 

荒れたバーンで安全に滑走するには「慣れと技量」が必要

例年なら、滑りきるだけで精一杯というハードなバーンコンディションですが、比較的良好な状態で、夏スキーと変わらないといってもよい滑りを見せてくれます。しかし、それは毎週通い続ける常連のスキーヤーだからこそできるわけで、この荒れたバーンで安全に滑走するには「慣れと技量」が必要であることは間違いありません。

 

「秋スキー」という言葉はなくても、ここには秋スキーが存在します

「秋スキーなんて言葉はないよねぇ〜...でも、ココにはちゃんと秋スキーがあるんだよねぇ..」と、通い続けた常連ならではのセリフが聞かれました。

 

ハイマツ帯を縁取るウラジロナナカマドの紅葉
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2009/09/26〜27) C
今週のハイマツ帯を縁取るウラジロナナカマドの紅葉
2009年並みの美しさ

前々回のノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) C で、2009年のハイマツ帯を縁取るウラジロナナカマドの様子をお伝えしましたが、今週は2009年と同じように綺麗なウラジロナナカマドの紅葉をお伝えできました。今年の紅葉は近年まれに見る美しさを放っています。

2009年と同じように紅葉する中、同じ赤いパンツのスキーヤーが同じように滑走されています。このような光景がいつまでも続くことを願っていますが、WebSiteをご覧になった当のスキーヤーの方からは、「2009年のときから全く進化していないなぁ〜」と、苦笑されていました...なかなか思うようにならないところがスキーの奥深さで、ココに通い続ける常連の方々がいつまでも取り組み続ける原動力となっていることだと思うのです。

 

今シーズンもこの三連休で最後... 次のウインターシーズンへ

さて、今シーズンのノリクラ通いもこの三連休が最後...無事に今年も乗り切ることができ、次のウインターシーズンへと想いをはせます。

取材二日目の10月7日(日)のモーグルバーン

そして、こちらは取材二日目の10月7日(日)。今日もいつものように大雪渓に通うメンバーの様子があります。

 

雪質は昨日変わらず滑走しやすいコンディション。

 

初雪・初冠雪 − 積雪5センチ、雪渓には新雪が残る

10月7日(日)は乗鞍岳に初雪・初冠雪がもたらされ、雪渓周辺にはご覧のように新雪が午後になっても残る状況。雪渓の汚れた雪質と新雪の真新しさとは一目瞭然の違いがありますね。

 

また来年もここでお会いしましょう!

乗鞍大雪渓という一つのフィールドをもとに集まった方々。狭いがためにお互いをよく知ることができ、また、この時期に滑走できる雪渓は国内に一つしかないため、各地から集まっています。そのため、ウインターシーズンでは絶対に顔をあわせることがない方もいらっしゃり、乗鞍大雪渓が吸引力となり、「スキーをやり続けたい!」という共通の想いが終結したワンショットを収めることができました。

それでも、「毎週、WebSiteの取材があるから、ここまでやってきているようなモンですよ...」と、おっしゃってくださった方がいらっしゃいました。取材する側としては非常にうれしく思います。また、来年もこの場所で、そして、この顔ぶれでお会いできることを楽しみにしております。

 

昨年の雪渓上端付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) B
先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C
今週の雪渓上端付近

こちらは上端付近。先週からの雪解けは30センチほどと、雪解けスピードが10月に入ってようやく遅くなってきました。そのため、昨年とは高さ1.5メートル近くも積雪量に開きが生じてきました。

 

昨年同時期より3週間早い雪渓上端付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) C
今週の雪渓上端付近
昨年よりも3週間近く遅い雪解け

左の画像は昨年同時期より3週間早い雪渓上端付近の様子。今週の積雪量とほぼ同じ状況で、昨年よりも3週間近く遅い雪解けを示しています。

 

先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C
今週の雪渓上端付近
先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C
今週の雪渓上端付近

上端部分の積雪量が少なくなってきていますので、雪解けスピードが遅くなっても雪解け面積は多く、上端の位置は先週よりも5〜10メートルも移動しています。

 

下端部分まで47メートル、例年より若干短い

雪渓上部左側下端までの距離は47メートル。2011年は32メートル、2010年は濃霧で測定不能、2009年は77メートル、2008年は90メートル、2007年は56メートルでした。例年よりも若干短い状態といえます。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  7  8  9  Next>>