ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.22(2012/10/06〜07) H

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(Update:2012/10/11)

 

【紅葉情報− 乗鞍高原、一の瀬園地(標高1500m付近)】
★見頃を迎えました(7分の色づき) (例年の見頃:10月中旬)★

観光センター付近 鈴蘭橋

 標高1500メートル付近の乗鞍高原も少しずつ色付きが見られるようになって来ました。昨年よりも若干遅めの推移のようです。

 

ヤマウルシ

現在、周囲を赤く染めているのはヤマウルシ。

 

ヤマウルシ − かなり目立つ存在

ご覧のとおりかなり目立つ存在です。

 

一の瀬園地 大カエデ − 昨年よりもやや遅い色付き

こちらは一の瀬園地の奥にある大カエデ。頭頂部から少しずつ赤くなっている様子がわかります。こちらも昨年よりやや遅い状態です。次週末には見頃を迎えることと思います。

 

一の瀬園地 − 広々としたロケーション

一の瀬園地はかつて牧場だったこともあり、広々としたロケーションが特徴。

 

一の瀬園地 − 美しい雰囲気が散りばめられている

遊歩道のすぐ近くを小川が流れ、紅葉の時期だけでなくとも美しい雰囲気が散りばめられています。グリーンシーズンはもちろんのこと、雪に閉ざされたウインターシーズンもスノーシューツアーが人気で、一の瀬園地から遠望する真っ白なノリクラの峰々は真っ青な空に聳え立つ様子が体験でき、四季を通じて楽しめる箇所です。

 

【昨年の今ごろは?】

2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) @

三連休初日の10月8日(土)は、マイナス4℃の冷え込んだ朝を迎えます。天候は雲ひとつない快晴。昨日、観測された初雪のため、乗鞍スカイラインは通行止めが続き、シャトルバスは大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)での折り返し運行という条件付で、7時の始発便から運行が始まります。
例年なら、シャトルバスを降り立つと、そのまま、紅葉散策のために位ヶ原方面へ歩きながら下山される様子が多い状態ですが、今日はどちらかというと、肩の小屋口バス停で下車した後、剣ヶ峰登山に向かう方が多く、乗鞍スカイラインが10時50分に開通して、畳平までシャトルバスの運行ができるようになった後も、肩の小屋口バス停へ戻ってこられる方がたくさんいらっしゃいました。

三連休中日の10月9日(日)も、昨日同様、雲ひとつない快晴の朝を迎えます。6時の気温は0℃で、昨日ほどの冷え込みはありません。また、三連休中日ということもあって、人出は昨日以上の状況で、観光センター前駐車場は6時の時点で110台の車がお越しになり、8時前には満車になりました。シャトルバスは通常通り、終点の畳平までの運行が始まり、始発の7時便が6台も運行されたほど。やや、冷え込んだ空気につつまれましたが、秋空の下、今日もたくさんのヒルクライマーが、秋の空気感を全身で味わいながら登ってゆく様子が見られました。

紅葉は、大雪渓・位ヶ原の上部エリアは、ほぼ終了し、メインは摩利支天から三本滝ゲートまでで、乗鞍高原や一の瀬など山麓エリアも見頃を迎え始めました。

 

<編集後記>

「高山植物の越冬...」

日本の山岳地帯は、大量の降雪に見舞われるため、緑豊かな山岳地帯が広がっています。先日、拝読した「冬の木々の生理生態学 (丸田恵美子著)」の中で、ノリクラでも同じような現象を見かけて「なるほど...」と思った点を一つご紹介します。

 

厳冬期の位ヶ原 − このときの気温はマイナス12℃
速報<2011/01/08>

ノリクラに限らず、積雪の多い高山地帯は、ご覧のように真冬は大半のものが雪の下で眠っています。

 

雪解けと共に現れたキバナシャクナゲ
葉が内側に巻き込まれている
2009ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2009/04/11〜12) E
開花直前のキバナシャクナゲ
しっかりと葉が太陽に広がっている
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) C

こちらは位ヶ原から上部でよく見かける常緑広葉樹のキバナシャクナゲ。左は4月中旬の雪解け直後の様子で、右は開花直前の6月下旬の様子です。よく見ると、雪解け直後のものは葉が内側に巻き込んでいる状態が確認できます。

著書の中では、氷点下となる厳冬期では、葉の細胞内の水分量を下げて糖濃度を上げて凍結しないようにし、葉を内側に巻き込んで寒さに対応しているというが記載されていました。
葉は水分の蒸発が最も多い器官です、水分が蒸散することは、根からの水分の吸い上げ必要となり、糖濃度を上げて凍結しないように対策された状態では水移動が難しく、できるだけ葉からの蒸散も少なくする必要があります。ですから、少しでも蒸散を抑え、寒さに耐えるため、気孔のある葉の裏側を内側に巻き込んでいるんですね。

また著書の中の掲載画像では、富士山でのハクサンシャクナゲの様子を掲載されていました。おそらく、ノリクラに春スキーにお越しになった方なら、このようなキバナシャクナゲの様子を間近にご覧になっているはずです。でも、この現象にそのようなことが隠されていたとは想像にも及びません。

紅葉が終わると完全に葉を落として冬を迎える落葉広葉樹もあれば、キバナシャクナゲのような冬場も青々とした葉を越冬させるために工夫を凝らす常緑の広葉樹もあり、冬に備えるという点ではメカニズムが異なっているものの、人間が頭で考える以上に植物は賢いものであると感心する次第です。

 

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