ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.1(2013/05/11) E

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(Update:2013/05/16)

 

【ツアーコース T −1〜6番標識区間】

入口急斜面を登りきった先のツアーコースは比較的緩やかな斜度が続きます。

 

昨年の1番標識付近(手前)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) B
今週の1番標識付近(手前)
昨年より

こちらは1番標識手前付近。昨年と比べると30センチ程度積雪量が多い様子が見られます。入口急斜面などでは、昨年より明らかに積雪量が多い様子がありましたが、こちらではそれほどの違いはないように見受けられます。

 

1番標識付近 −切り株が姿をあらわす、昨年並みの状況

こちらは1番標識付近。ちょうど、1番標識の対岸では右の画像のように切り株が出てきました。昨年とほぼ同じ傾向ですので、この付近の積雪量は昨年並みと言えます。

 

2週間前の高天ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2013/04/25〜29) D
今週の高天ヶ原
ハイマツ帯がはっきりと現れる

1番標識付近から望む高天ヶ原(たかまがはら、標高2829メートル)の様子。左の画像は2週間前のものですが、ハイマツ帯がはっきりと現れていることがわかります。

これからは白い雪と緑のハイマツ帯が織り成す唐草模様が美しい季節となります。

 

昨年の3番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2012/05/12〜15) B
先週の3番標識
速報201305/03
今週の3番標識
先週より20センチ減少
昨年とほぼ同じ 

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。積雪量は先週より20センチ減少し、昨年とほぼ同じ状況です。4月中旬以降、昨年よりも積雪量の多い傾向が続いていましたが、昨年と同じ水準になってきました。

 

バーン表面は汚れて、細かなギャップが目立つ

ゴールデンウィーク期間中は4月27日(土)の降雪できれいな雪面が広がっていたものの、バーン表面はかなり汚れ、さらに細かなギャップが目立ち、下山滑走時には足をとられないように注意が必要です。

 

昨年の5番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2012/05/12〜15) B
先週の5番標識
速報201305/03
今週の5番標識
先週より50センチ減少
昨年より20センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より50センチ減少して、昨年より20センチ多い状況です。

 

汚れ・松脂で滑走性が悪くなる

バーン表面は砂ぼこりだけでなく、細かな木の葉や松ぼっくりなどが落ちています。滑走に支障となるものではありませんが、汚れや松脂などで滑走性が低下しますので、気温が高くて雪面が緩んだ場合、緩斜面などでは滑りにくいことも考えられます。ボードの方はストックでこぎながら進む必要があるかもしれません。

 

昨年の6番標識手前の谷
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2012/05/12〜15) B
今週の6番標識手前の谷

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左の昨年同時期よりもフラットになっていることがわかります。現段階では、昨年よりも積雪量の多い状況が続いています。

ウェーブが小さくなってきたことで勢い良く下山滑走することよよって、ウェーブに足をとられて転倒負傷することが懸念されます。過去には転倒負傷して救助要請した事案も発生していますので、細心の注意が必要です。

 

位ヶ原急斜面へ

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

 

【ツアーコース U − 位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) C
先週の位ヶ原急斜面
速報201305/03
今週の位ヶ原急斜面
先週より60センチ減少、昨年より1メートル多い

位ヶ原急斜面の積雪は先週より60センチ減少して、昨年より1メートル多い状況です。急激に雪解けが進んでいますが、それでも昨年よりもまだまだ積雪量の多い状態が続いています。

 

ツアーコース上部は積雪量が多い − 下山滑走可能は5月20日頃〜5月末までの公算

位ヶ原急斜面全体を見回してみても、ブッシュなどは全くなく、まだまだ滑走可能な状態が続いています。

ツアーコースは、上部エリアは比較的積雪量が多い様子が見られますが、下部では昨年並みの状況の箇所もあり、下山滑走可能時期は、例年通り、5月20日頃から5月末までとなる公算が大きいでしょう。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) @

取材初日の5月12日(土)は、青空が広がったものの、終日冷え込んだ空気に包まれ、雲は足早に流れる不安定な状況。それでも路面凍結はなく、春山バスは通常通り運行されました。しかし、森林限界を超えた位ヶ原では、マイナス4℃で絶えず強い北風が吹きぬけ、真冬と同等の様相でした。「春山」という言葉の中には、「冬山」という言葉が半分以上含まれていると思わなければならない一日でした。そして、翌日の5月13日(日)は、快晴無風でぽかぽか陽気。まさに春スキー日和という一日で、これ以上ない穏やかな天候に恵まれました。

5月15日(火)は、乗鞍スカイラインオープン初日。生憎の雨降りとなってしまいましたが、路面凍結などはなく、ほおのき平駐車場での乗鞍岳登山バス発車式に続き、畳平での安全祈願神事・乗鞍岳山開き祭も無事に終了し、10月末までの6ヶ月半が始まりました。

 

<編集後記>

「今年のゴールデンウィーク...」

今年のゴールデンウィークはカレンダーの並びの都合から、4月27日(土)〜4月30日(月)の前半3日間と5月3日(金)〜5月6日(月)の後半4日間に分散したため、長めの休みを取ることができず、国外旅行が減少し国内旅行が増加したとの調査がJTBより発表されました。

その中で、国内旅行者は2230万人(前年比+1%)と、2000年以降最高の旅行者数を数え、国内旅行平均費用は35900円(前年比+2.9%)に増加し、景気の回復が背景にあるものと考えられます。ただ、2008年以前のリーマンショック前は4万円弱の状態でしたから、まだ、その水準には至っていないようです。

乗鞍エリアでは、ゴールデンウィーク期間中の乗鞍岳春山バスの利用者数が昨年より15%増加して、乗鞍エリアの入場者数も増加していることが類推できます。ゴールデンウィーク期間中の春山バスは、前半の4月27日(土)〜4月30日(月)の4日間は積雪運休で、後半の5月1日(水)〜4日(土)も路面凍結で2便目からの運行しかできなかったにもかかわらず、昨年を上回る結果となりました。天候に恵まれたことも大きな要因かと思います。
従来1日3便でしたが今年から1日4便となり、これまでは始発便が運休だった場合、次便がお昼になってしまうため、あきらめる方も多かったものの、今年は午前中にもう一本運行されて利便性が図られた結果、増客につながったと考えられます。

ゴールデンウィークだけの取り組みだけでなく、訪れた方々が、「ノリクラにまた行きたい!」と、思っていただけるように、今後も継続性のある「正のスパイラル」への導きが重要であると感じます。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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