ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.7(2013/06/21〜22) C

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(Update:2013/06/27)

  

【6月22日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前

取材二日目は長野県側の観光センターからお伝えします。早朝6時の気温は12℃、ご覧のとおりの曇り空。

 

乗鞍天空マラソン開催のため規制(左:通行規制、右:駐車規制)

明日、6月23日(日)は、第8回乗鞍天空マラソンが開催されます。こちらの観光センター前からスタートして、18km先の大雪渓駐車場で折り返したあと、三本滝ゲートまで下山する合計30kmのマラソン大会です。

大会は回を重ねるごとに参加者が増え、今年は2000名の大台に乗るほどの人気振り。観光センターが大会会場となるため、駐車スペースの3分の2程度が駐車規制されています。また、観光センターから三本滝ゲートまでは選手が通過する7時30分〜9時30分までは通行規制が実施されます。

 

出発の準備 コブ作りにはスコップが必須

春山バス始発便を待つこちらのスキーヤーの方々。スキー板・ブーツに加えて、スコップも用意しています。雪渓下部でコブを整備してモーグルをされるようですね。今日は春山バスは通常運行ですが、明日は大会開催のため、春山バスは全便運休となります。

「明日は岐阜県側の乗鞍スカイラインから大雪渓に入山しますよ。だって、今日コブを一生懸命整備して、明日滑らないのはもったいないでしょ!」

 

自然保護センター ツツジはそろそろ終りに

先週、満開だった自然保護センター前のレンゲツツジ。そろそろ、終りの時期を迎えつつあります。なお、一の瀬のレンゲツツジ群落地はまだ見頃が続いています。

 

自然保護センターは色々な木々が 少し黄色っぽい花(左)と白い花(右)

さて、その自然保護センターの中にはたくさんの植物を観察することができます。少し黄色味がかった花と真っ白の花の木が二つ並んでいます。

 

ヤマボウシ − 4枚の総苞片がお坊さんの頭巾に

少し黄色味がかったほうは、先週もお伝えしたヤマボウシ。中心の部分が実際の花で、4枚の花弁のように見えるのが総苞片(そうほうへん)。1ページ目の乗鞍スカイラインのコーナーでお伝えしたセイヨウタンポポの反り返った総苞片と同じです。中心の坊主頭に白い頭巾をかぶった様子からヤマボウシと呼ばれています。総苞片や蕚が花びらに見える植物はヤマボウシ以外にも数多く見られます。

カンボク − よく似た花が多い 葉が3裂になっているところが特徴

ガクアジサイようなこちらの花はカンボク。ヤブテマリやノリウツギなどと良く似ていますが、右の画像のように葉が3つに裂けているところがポイントです。中心にある小さなゴマ粒の集まりの部分は受粉能力のある両性花で、その外側を縁取る花弁は装飾花です。、両方とも花であることは違いありませんが、目立つ装飾花には受精能力はなく、虫たちをおびき寄せるための働きをしています。

こちらのカンボクは木の高さは5メートル近くあります。
「かんぼく」で漢字変換をかけると「潅木」が出てきます。潅木は高さ3メートル以下の低い木のことを指しますが、カンボクは高さが5メートルもありますから、決して「潅木」ではありません。カンボクの漢字名は「肝木」。名前の由来は「枝葉が止血剤、果実は目薬りになり、人体に良い肝要な木」という説がある一方、由来は不明ともされています。

 

木にはそれぞれ名札が

話が戻りますが、自然保護センターの木にはご覧のように名札がそれぞれにつけられていますので、一つずつ木の名前を覚えることができますね。

 

乗鞍岳春山バス始発便

そんな植物観察をしている間に、いつものように乗鞍岳春山バス始発便が到着して大雪渓・肩の小屋口へと出発します。

 

【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】

三本滝レストハウス前駐車場も大会規制 マイカーは未舗装スペースへ

こちらは観光センターから7km先にある三本滝レストハウス前駐車場。こちらは明日の天空マラソンのゴールエリアとなりますので、観光センターと同じく、駐車規制が実施されています。ただ、未舗装部分については対象外となっていますので、春山バスを利用される際は、未舗装部分にマイカーを駐車することができます。

 

三本滝バス停

今日もいつものように春山バス始発便を利用される方々がバス停に集まっています。

 

三本滝ゲート − この先冬季閉鎖中

今日の春山バス始発便は2台が運行され、冬季閉鎖区間の三本滝ゲートから先の大雪渓へと向かいます。

 

ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版(別ウインドウ)

なお、この先の冷泉小屋や位ヶ原山荘、または11号カーブ・4号カーブ・大雪渓駐車場の位置など、県道乗鞍岳線カーブ番号は、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。なお、肩の小屋より稜線方面の状況については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 大雪渓・山頂版 をご覧下さい。

 

沿道にはムラサキヤシオツツジがいたるところに

三本滝ゲートを過ぎた県道乗鞍岳線沿道を観察してみると、ムラサキヤシオツツジ(紫八染躑躅)が見られます。先週もお伝えしましたが、今週は探さなくともいたるところで見つけることができ、しっかりと染め上がった見事なピンク色が目に飛び込んできます。

 

広葉樹の新緑と針葉樹の深い緑

1ページ目の乗鞍スカイラインのコーナーでもお伝えしたように、こちらでも広葉樹の新緑と針葉樹の深い緑のコンビネーションが見られます。

 

新緑のパッチワーク 紅葉のパッチワーク
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) G

明るい緑と深い緑のパッチワークも見事な光景ですが、あと3ヶ月ちょっとすれば、右の画像のように紅葉のパッチワークが見られます。このように季節ごとに色々変化させてくれるから、毎週お伝えしていても、いろいろな発見を毎回楽しませてくれます。

 

冷泉小屋

そして、標高2230メートルの冷泉小屋付近に達すると、風景がさらに変化します。

 

新緑の足元には残雪 明るい緑と深い緑、それを残雪の白が際立たせる

先ほどの緑の濃淡に加えて足元の残雪が加わって、自然というものが描く絵筆の使い方には関心させられます。

 

位ヶ原山荘 −春山バスは6月から大雪渓まで延長運行

そして、春山バスは標高2350メートルの位ヶ原山荘からさらに先へと進みます。春山バスは6月1日より、位ヶ原山荘より3km先の大雪渓・肩の小屋口(大雪渓駐車場)まで延長運行されています。

 

新緑の芽吹きが力強くなる

まだまだ、残雪の方が多い状況ですが、新緑の芽吹きが力強くなってきています。

 

ほぼ同じ標高地点の乗鞍スカイライン沿線(標高2400m猫岳中腹) − 芽吹きが少し遅れ気味

こちらは取材一日目に撮影した岐阜県側の乗鞍スカイラインのほぼ同じ標高のダケカンバの様子。標高2400メートルの猫岳山腹です。こちらは積雪はほとんどありませんが、ダケカンバの芽吹きは少し遅れ気味。同じノリクラであってもエリアによって少しずつ違いがあります。

 

位ヶ原 − 濃霧が立ち込める

森林限界を超えた位ヶ原では上空の天候がダイレクトに影響し、周辺は濃霧が立ち込めてその様子がはっきりしない雰囲気となってきました。

 

雪の壁 大雪渓下4号カーブ − 雪壁は高さ5.6メートル

大雪渓下の4号カーブ付近は雪の壁が最も高い箇所で、明日行われる乗鞍天空マラソンに出場される選手の方々にも人気となっています。この雪の壁を見たいがために苦労して急坂を登ってくるという方もいらっしゃると思います。

こちらの4号カーブは、先週より90センチ減少して現在5.6メートル。昨年より1メートル近く低い状況ですが、それでもまだまだ圧巻の高さを誇っています。

 

大雪渓へ

そして、4号カーブを通過すると、終点の大雪渓・肩の小屋口バス停はまもなくです。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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