第29回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍

(2014/09/06〜07) E

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(Update:2014/09/22)

 

【ゴールエリアの大雪渓付近】

一心不乱にゴールへ 一転して安堵の表情

それでは話をレースに戻し、続々と選手がゴールに到着し始めます。ゴールまで一心不乱に走り抜けると一転して安堵の表情に達成感がみなぎります。

 

「いや、足つりそうになっちゃって〜〜」

「いや、足つりそうになっちゃって〜〜、この天気なら、県境までできたのに、ちょっと悔しいですね。でも、あそこが一番風強いからしょうがないですよね。」と、おっしゃるこちらの選手は、毎週のようにトレーニングにお越しになり、コースの気象状況は熟知されていますので、今回の事情についてはご承知のこと...

結果論としては、確かにフルコース開催ができたことでしょう。しかし、4000名もの選手が集まれば、過酷な環境にも慣れている実業団レベルの選手もいれば、大会コースを走ったこともないビギナーまで様々で、すべての選手の安全確保を最優先に考えながら大会運営を行う必要があります。

 

ゴール通過後もしばらく走行 大雪渓前 − ゴール位置がここだったら最高だったのに..

ゴール通過後もまだまだ走り続けなければなりません。ゴール変更のため、コース途中にゴールが設けられていることから、ゴール後の選手収容スペースがないためです。また、今回は大雪渓の少し手前がゴールでしたが、一番景色のよい大雪渓前がゴールであったらよかったのにと思いました。

 

「想定外の天気ですね。」 「ゴールが変わったことを知らずにスタートしたんです。」

左の画像の方は、「想定外の天気ですね。スタートを30分遅らせてくれたんで濡れずに済んだ。練習に来た時はもっとひどい天気でしたから、それから比べれば...」

そして、右の画像の方は、「ゴールが変わったことを知らずにスタートしたんです。途中にある残り距離の掲示が変わってたんで、これは??と思ったら、大雪渓が見えてからすぐにゴールだったのでびっくりした。結構知らずに登って来た人、多いんじゃないですか?」

 

「知らなかった〜ここゴールとは...」
=残り標識にゴール変更を併記したほうがよさそう=
「今日は最高の展開でしたね。最終的にすごいよかった!」

「知らなかった〜ここゴールとは...残り表示がやけに短いなぁ〜とおもったんですよ。ギリギリまでローラー漕いでいたので、30分遅れになっていたことも知らなかった〜」と、こちらの方も同じ状況のよう...もし、今後、ゴール引き下げが行われた場合、残り距離表示にゴール地点変更の旨も一緒に併記したほうがよさそうですね。そして、インナーウエアも冬用でお越しになったとのことで、指きりグローブの下に普通の手袋!「今日はこれで正解でした。」と、おっしゃっていました。

右の方々はこれから下山の準備。
「絶対レインウェアのほうがいいよ!足が寒いから。今日は最高の展開でしたね。最終的にすごい気持ちよかった!今日のレースはパンクした人が多かったですね。雨の後は小石が流れ出すからパンクしやすいですよね。」

昨日は一日晴天でしたが、その前の日(9月5日(金))はまとまった降り方を見せ、ひどい雨降りは2〜3時間ほどでしたが、道路が川のようになったほどで、雨が引いた後の路面は小枝などが散乱する状況でした。翌日は大会スタッフがほうき掛けを行いましたが、それでも小さなものは残ってしまいますから、パンクしやすい状況だったのかもしれません。

 

手荷物受け取り場所までゆっくり進む 阪神タイガース応援歌
電池切れなく無事にゴールまで鳴り響く

この先が手荷物受け取り場がありますが往来する方が多く、自転車を押してゆっくり進むしかありません。そこに遠くから野球場で耳にする応援歌が...阪神タイガース一色のこちらの選手も無事にゴールできたようです。

 

手荷物受け取り場所までゴールから600メートル
受け取ったら速やかに移動を

ゴールから手荷物受け取り場所まで600メートルほど。マイクロバスの横に手荷物が搬出されていますので、タグの番号を確認してご自身の荷物を受け取ります。かなり混雑していますので、受け取ったら速やかに移動する必要があります。

 

絶景が広がる大雪渓は、9月中下旬には紅葉が始まる − ぜひとも紅葉ヒルクライムに!

これを絶景といわずに何を絶景と言いますか...
どんな場面にめぐりあえるかどうかわかりませんので、必ずカメラを持参されることをオススメします。そして、バックの大雪渓周辺は、あと2〜3週間もすると、見事な紅葉が展開されます。9月中下旬から始まる大雪渓の紅葉を皮切りに、10月中下旬の乗鞍高原へと紅葉前線が降下して行きます。

ノリクラの紅葉については、乗鞍岳紅葉情報 − 紅葉の歩き方 をご覧頂くと、おおよその概要がつかめるはずです。是非ご覧頂き、錦絵の中のヒルクライムにお越しください。

 

自らを「タイラリスト」と呼ぶヒルクライマー 「また来年も!」

7月の乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムでもお会いしたこちらの方。そのときの話では、日本平とか畳平とか「平」とつくところを目指すのが目標で、ご自身のことを「タイラリスト」とお呼びになっていました。もちろん、メンバーもタイラリスト(笑)。

「最高ですよ!朝の天候で直前でやめちゃった人も多い中、位ヶ原からぶわーと晴れて、よし〜やった!って感じですよ。でもタイラリストとしては畳平までいけなくてちょっと残念...それでは、また、7月の大会で!」

 

少なくとも70歳まではやり続けたいですね〜

そのタイラリストのお一人...今年で68歳。おそらく女性最高齢者とのこと。少なくとも70まではやり続けたいですよね。

 

【最後の最後まで頑張る】

コースを埋め尽くす選手の方々

大会コースの県道乗鞍岳線を埋め尽くす選手の方々。こんな光景も一年に一度だけのもの。今回のエントリー数は4087名。昨年よりも500名ほど少ない状況ですが、抽選後の人数ですので、実際の応募者数はそれをはるかに上回っています。大会運営上、また、乗鞍高原の旅館・民宿などの収容客数などを考慮すると、参加者数をこれ以上多くすることは困難と考えられます。

 

この大会の特徴は森林限界を超えて山岳地帯を走行できること

森林限界を超えた先もコースとなっているこの大会は、その景色のスケール感から人気が高い状況です。現在では週末ごとに数多くのヒルクライマーが練習にお越しになっていますが、2003年のマイカー規制以前は、夏休みなど繁忙期になると渋滞が激しく、とても自転車が通行できる状況ではありませんでした。また、普段でもマイカーがかなりのスピードで飛ばしていて、歩行者や自転車の通行は危険を伴うこともあり、当時は自転車で登ってくるヒルクライマーはかなり珍しい存在だったと記憶しています。

 

大会が終わってもぜひともヒルクライムお越しください

マイカー規制前は年間50万人の入場者がありましたが、現在は15万人程度と見込まれ、マイカー規制と同時に乗鞍一帯の観光客が激減している状況です。ただ、それに変わって増加しているのかヒルクライマーの方々。ぜひとも大会以外の時期にもお越しいただければと思います。先ほども申し上げましたが、紅葉の中のヒルクライムは最高です。

 

下山誘導

さて、こちらは下山誘導。200〜300名程度に分けて下山します。こちらは下山誘導の役目を担う選手の方々。美ヶ原の大会でも下山誘導を大会から依頼されたとのこと。地元の選手が中心に依頼されているようで、確実に大会に参加してもらえる方で、ある程度実力がないといけない事情もあるようです。

「でも、下山誘導の依頼がなかったら、きっと今日のレース参加を取りやめていたと思いますよ。朝の天候状況なら...」と、笑いながらおっしゃっていました。また、ヒルクライムで一番怪我が多いのは、登りよりも下りのほうが多く、カーボンホイールはブレーキ制動が乾燥時でも良くないため要注意とのことです。

 

悪魔おじさん

下山誘導の方と同様に、こちらの方もどんな状況であっても、ゴール間際までは登ってこないといけない事情があります。

 

一人一人に「がんばれ〜」とハイタッチ 下山の選手からはお礼の言葉が

今回も選手一人一人に「がんばれ〜!」と声をかけて、ハイタッチを繰り返します。最後の力を振り絞る「ここ一番」というところで、悪魔おじさんからカンフル剤を注入してもらうと、ゴールまでの100メートルにチカラがこもると感じられるものです。ですから、悪魔おじさんの声援に助けられた方も多く、下山の選手も帰り際に「有難うございました!」と、大きくお礼をいう方もいらっしゃいました。

山岳道路のため、沿道の声援のない中、このような応援はうれしいもの。昨日は「4年かかってようやく市民権を得ました。」と、おっしゃっていましたが、ぜひとも来年以降も続けていただきたいものです。

 

【レース終了3分前、無事に大会終了】

レースは最終盤に...

そして、そろそろ選手の姿もまばらになり、最終ランナーを待ちます。

 

最終組の選手

最終組の選手にも声援を送る悪魔おじさん。そして、後ろの選手は前を走る選手をサポートするように、二人で一緒にゴール!

 

涙ぐむ父親 息子さんが応募して一緒に出場

到着するとあまりの歓喜に涙をこぼす様子も...こちらお二人は父親と息子。「ノリクラにはもう10年ぶりくらいに来たんですよ。息子が応募してくれて、もう来れただけでうれしいです。」

「ノリクラにはスキーで何十年も前から来ていたんですが、そこで泊まった宿の人が「自転車やってみたら」といってくれて、自転車を始めてみたんですよ。今回は一緒に走りたいという息子が無理やり申し込んだけど、こんな機会がなければ、息子と話しながら登ってくることなんてできませんから...家にいても話をしないけど、山に来れば色々話ができますから...」と、涙をこらえながら顔をくしゃくしゃにしておっしゃっていました。

 

最終走者 − 背後には収容車が

そして、最終走者がやってきました。すぐ後ろには収容車が控えています。

 

「絶対、収容車には乗りたくない気持ちで走りました」

制限時刻の9分前にゴール。スタッフから酸素吸入を受けて、かなり辛そう...「絶対にあの車(収容車)には乗りたくないという気持ちで最後まで走りました。」

 

レース終了

12時前、これでレースはすべて終了しました。今年も大きな事故もなく無事に終われたようです。

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