ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.19(2014/09/13〜14) @

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(Update:2014/09/18)

 

今回は敬老の日を含めて三連休という方も多いかと思いますが、短かった夏が終わってもう完全に秋モードに突入しています。本格的な紅葉シーズンが間もなく始まり、「味覚の秋」はもちろんですが「色彩の秋」が足元までやってきています。

9月13日(土)は、綺麗な青空の朝から始まります。気温は5℃、この1週間で急に冷え込みを感じるようになってきました。昨日9月12日(金)は、畳平で初霜が観測されましたが、今日も最低気温がマイナス1℃まで低下して霜が下りたようです。午前中は綺麗な青空に包まれて、散策するにもヒルクライムするにも気持ちの良い気候。紅葉はまだ始まっていませんが、秋の雰囲気を十分感じさせる状況です。午後になると雲量が多くなって、曇り空となるものの急激な冷え込みはなく、久しぶりに良い天候の下での一日を過ごすことができました。

9月14日(日)も、綺麗な青空の朝を迎えます。三連休中日とあって朝一番からかなりの人出で、観光センター前駐車場は5時の時点で完全に満車。そのため、今日はすずらん橋駐車場へ誘導されるマイカーも数多く見られ、すずらん橋停留所にはシャトルバスを待つ長い列がありました。また、ヒルクライムにお越しになった方も多く、午前中だけで147台もの自転車が登り、今期一番の入山台数を数えました。天候は昨日とほぼ同じような推移をみせ、午後には曇り空となってしまいます。それでも、秋らしい雰囲気の空気に包まれ、昨日同様に気持ちの良い一日を過ごすことができました。

紅葉は昨年よりもやや遅い様子が見られ、始まったといえるほどの色付きはありません。12日(金)の初霜に続いて13日(土)も14日(日)も畳平では霜が下りている様子が観測されました。また、13日(土)の早朝朝よりも14日(日)の早朝のほうが冷え込みが強く、大雪渓・位ヶ原周辺では13日(土)は葉のダメージはほとんど見られなかったものの、14日(日)には葉が縮れて霜の影響を受けたウラジロナナカマドが若干見られました。今後、本格的な紅葉を迎えたときに枯れてしまうものが出てくるのではないかとやや気がかりです。また、ダケカンバは全山的に部分的な色付きが見られるようになりましたが、紅葉が始まったといえるレベルではありません。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【9月13日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へT(乗鞍高原周辺、沿道の風景)】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へU(三本滝ゲート〜大雪渓沿道の風景)】       【大雪渓に到着】
Page-3 : 【雪渓下部】       【雪渓上部 T】
Page-4 : 【雪渓上部 U モーグルコース、ポールトレーニング】
Page-5 : 【9月14日(日)、三連休中日は久しぶりの賑わいに】
Page-6 : 【紅葉情報−大雪渓付近(標高2600〜2700m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近(標高2500m付近)】
Page-7 : 【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】       【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記>

【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、自転車の点検整備、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】(Page-5)

●参考資料●
(紅葉の概要) − 乗鞍紅葉情報(紅葉の歩き方)
(紅葉ビューポイント・地図) − ノリクラガイドマップ 紅葉 上部エリア版(大雪渓〜摩利支天)   ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版(三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア)
(周辺地図) −      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)    ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版) 
(シャトルバス) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報

 

【9月13日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場、気温5℃、急に寒くなってきた

早朝6時の観光センター前駐車場。気温は5℃、今週に入って一桁の気温となり、急激に寒くなってきました。

 

日の出は6時前まで遅くなる。 ご来光バスが下山(富士見沢)

日の出が遅くなり、山頂に朝日がしっかりさすようになるのは6時前。そして、富士見沢を横切る県道乗鞍岳線を良く見ると、3台の大型バスが山麓方向へ走行しているのがわかります。これはご来光バスの下り便で、今日のご来光バスは3台も運行されたことがわかります。この天候でしたので、まずまずのご来光が楽しめたはずです。それにしても、山麓の乗鞍高原から山頂付近を走行中のバスが肉眼でわかるほどですから、如何に天候が良くて空気が澄んでいるか、よくわかります。

 

畳平は気温0℃、今日も霜が降りた 「寒いので暖かい格好で...」

そして、シャトルバスの乗車券販売所のホワイトボードには気温0℃と記されています。昨日9月12日(金)は畳平で初霜が観測され、昨年より5日早く、例年より10日早い状況です。今日も昨日と同じく冷え込んでいて、畳平では霜が観測されました。シャトルバス始発便を待つ乗客の方々に、係の方が防寒着を持参するように説明します。

 

シャトルバス始発便到着

しばらくすると、シャトルバス始発便が到着。さすがに今日は半袖姿の方はありません。おそらく、今日は日中になるとそれほど寒さはないと思いますが、日が傾き始めると急激に寒くなるのが夏場とは異なるところです。

 

カメラを持ってヒルクライム

そして、ヒルクライマーの方も出発の準備。背中には2台の一眼レフカメラが...今日は天候が良いので、できるだけ早く行って、上部の写真を撮るのが目的とのこと。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が先週終了しましたが、これからはのんびりとヒルクライムを楽しむという方がたくさん訪れます。

 

ご来光バスが下山−寒いので防寒着・手袋・帽子着用を!

そして、先ほど富士見沢を走行していたご来光バスが到着。今日のご来光は水平線近くに雲が若干たなびいていて、その中からの日の出となったようですが、まずまずの状況だったようです。なお、ご来光バスは今月9月までの運行で、終了まであと2週間程度しかありません。天候を見計らってぜひともご来光を体験していただけたらと思います。これからの時期はとにかく寒いので、防寒着だけでなく、手袋や帽子も忘れないようになさってください。

 

きれいな青空 − 柔らかな日差し

7時近くになってようやくしっかりとした青空が広がります。日差しの強さは全くなく、何もかもが柔らかく感じる季節です。

 

【観光センターから大雪渓へT(乗鞍高原周辺、沿道の風景)】

鈴蘭バス停のカエデ

それでは大雪渓に向かう沿道の様子をご覧ください。こちらは鈴蘭バス停のカエデの紅葉。乗鞍高原の中でも最も早く色付くカエデです。

 

先週の鈴蘭バス停カエデ
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2014/09/05〜06) @
今週の鈴蘭バス停カエデ
赤い部分がさらに広がる

中心の真紅の部分はすでに数週間経過していますが落葉する気配はなく、赤い部分が先週よりさらに広がってきました。

 

鈴蘭バス停周辺

さて、鈴蘭バス停周辺の様子を先週と同様に見てみましょう。

 

ノコンギク まだつぼみが − ノコンギクはこれからがシーズン

まだまだ咲き続けている山野草は数多くありますが、これから咲くという花はあまり多くありません。そんな中、ノコンギクはまさにこれからがシーズン。右の画像のようにたくさんのつぼみが開花に向けてスタンバイしています。

 

オオバコ
別名 車前草−その名の通り道端に自生

非常に地味でこれまであまりお伝えすることがありませんでしたが、こちらはオオバコ。本当にどこにでもある山野草です。大きくなっても20〜30センチ程度で、他の植物が生い茂る場所では育つことができませんが、人などの踏みつけに強く、日の当たる道端によく自生する植物です。そのため、別名「車前草(しゃぜんそう)」と呼ばれ、古くから漢方薬の原料としても用いられています。

 

善五郎の滝駐車場

こちらは善五郎の滝駐車場。ノリクラの峰々が一望できるポイントの一つです。

 

ススキ − 一部で穂が開き始める

こちらはススキ。一部で穂が開き始めました。真昼はそれほど見応えのあるものではありませんが、朝日や夕日が穂先を照らすと眩しいばかりに輝きます。おそらくこの光景は日本全国、どこへ行っても秋を物語る光景の一つでしょう。

 

先週の善五郎駐駐車場〜休暇村間
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2014/09/05〜06) @
今週の善五郎駐駐車場〜休暇村間
徐々に変化、乗鞍高原の紅葉は10月中旬

乗鞍高原一帯の紅葉は10月中旬ごろが見頃ですが、それよりも前の段階から徐々に変化をはじめ、見頃を迎える時期になると急に色合いを濃くするものです。

 

ぶどうっぱは見事染まる

そんな中でも、ぶどうの葉は見事に染まっています。少し葉脈が残っているところがアクセントになっていいですね。

 

ツリバナ類も紅葉が始まる

さて、こちらも紅葉が進みつつある木ですが、裏側をのぞいてみると、実が釣り下がっています。もうこれだけを見れば、ツリバナ類の仲間であることがわかりますね。

 

5裂なので「ツリバナ」

その中でも、こちらは5裂ですからその名も「ツリバナ」。そのほかにも先週ご紹介した4裂のヒロハツリバナや3裂のムラサキツリバナで、この2種類は比較的標高の高いところにあって、「ツリバナ」は山麓で見られるケースが多いようです。

 

休暇村 シャトルバスを待つ

さらに進んで、こちらは休暇村。シャトルバスを待つ乗客の方がたくさんいらっしゃいます。その列の中からバスの係の方に「まだ花は咲いていますか?」と、問いかける方がいらっしゃいました。確かにこの時期は高山植物の一番の見頃を過ぎていて、山の状況をある程度ご存知の方なら、「ちょっと無理かな...」と、思うところでしょう。

しかし、一般の観光客の方にとっては、「お花畑」と聞けばいつでも咲いていると思うのも無理はないかもしれません。

 

アキノキリンソウ

確かに高山植物や山野草のピークの時期はすでに過ぎてしまいましたが、それでも、咲いているものがあります。沿道に咲く黄色の花はアキノキリンソウ。

 

花が段々に連なっている(総状花序) 地面に近い部分は葉柄がある
=アキノキリンソウとミヤマアキノキリンソウの違い=

高山植物に「ミヤマアキノキリンソウ」がありますが、ミヤマアキノキリンソウは頭頂部に花が集中するケースが多く、アキノキリンソウは左の画像のように段々に重ねて咲いています(総状花序)。また、同じく左の画像の葉をご覧頂くと葉柄がないものの、右の画像の地面に近い下部の葉には葉柄がある点も見分けるポイントです。

 

ミヤマアキノキリンソウ(大雪渓)
花が頭頂部に集中している

こちらは大雪渓に咲くミヤマアキノキリンソウ。高さが20〜30センチ程度ですから、大きさだけでも区別が可能です。先ほど申し上げたように花が頭頂部に集中している様子がわかります。

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