ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

(2015/03/21) @

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(Update:2015/03/26)

 

「シーズン幕開け」は、四季ごとにあるわけで、年に4回あるものですが、やはり、冬から春にかけてのこの時期の幕開けが、一年で最も高揚感あふれるものだと感じます。

今年も「ノリクラ雪渓カレンダー」の連載を開始し、春スキーの季節が幕開けとなります。ゲレンデスキーにおける春スキーでは、雪解けに伴って滑走面積が日に日に縮小する状況で楽しまなければなりませんが、標高2000メートル以上のノリクラのバックカントリーにおいては、その心配は全く無用で、むしろこれからが春スキー本番といったところでしょう。

ただし、「バックカントリー」という言葉が示すように「ゲレンデ外」であることを忘れてはならず、森林限界を超えた開放感あふれるフィールドは時には牙をむくことも肝に銘じなければならず、バックカントリーに入山するための準備などは十分整えて、初心者の方は経験者と同行するようにお願いいたします。このウインターシーズンは「スキー場コース外滑走」という安易な行動による事故が多発しました。ノリクラにお越しになる方々の中にも、一歩間違えると同様の危険性が待ち構えているかもしれません。

ノリクラ雪渓カレンダー では、バックカントリーの良さを伝えることはもちろんのこと、危険性についても合わせて伝えていかなければならないと考え、また、記事をご覧になった方々は、周囲の方々にさらに伝えていただきたいと思っております。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

◎ 今回の目次

Page-1 : 【3月21日(土)、快晴の朝】       【Mt乗鞍 - スキー場へ向かう】
Page-2 : 【リフトに乗ってツアーコース入口へ】       【ツアーコース入口、大勢の方がやってくる】
Page-3 : 【ツアーコースT − 入口急斜面】       【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】
Page-4 : 【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】        【位ヶ原】       【大雪渓下部】       <編集後記>

【乗鞍高原から望む乗鞍岳の峰々】   (page-1)
【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】   (page-4)
【位ヶ原から望む山頂方面】   (page-4)
【山頂・大雪渓・位ヶ原からツアーコースに戻る下山ルート】   (page-4) 

●参考資料●
(周辺地図) −     ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版) 

  

 

【3月21日(土)、快晴の朝】

観光センター前駐車場

こちらは朝7時の観光センター前駐車場。雲一つない快晴の朝を迎えています。気温はマイナス3℃。厳冬期のようなキーンと冷え込んだ雰囲気はもうなくなり、日中だけでなく、朝の冷え込みも和らぎ、春らしさを実感できるようになってきました。

 

【乗鞍高原から望む乗鞍岳の峰々】

観光センターはもちろんのこと、乗鞍高原の多くの場所からノリクラの峰々を一望することができます。一般的に主峰の剣ヶ峰を「乗鞍岳」と呼ぶことが多いものの、本来は固有の峰(山体)を指すものではなく、剣ヶ峰を初めとした23峰の総称が乗鞍岳です。

つまり、観光センターから眺めるこれらの山々すべてが「乗鞍岳」です。今回はプレリリース版の初回版のため、山の名称についてご紹介いたします。
画像の左から順番に、なだらかな山容の高天ヶ原(たかまがはら、標高2829m)、そして、その右に大日岳(だいにちだけ、標高3014m)、剣ヶ峰(けんがみね、標高3026m)、蚕玉岳(こだまだけ、標高2979m)、朝日岳(あさひだけ、標高2975m)と続きます。

そして、右の画像に移って、摩利支天岳(まりしてんだけ、標高2872m)、富士見岳(ふじみだけ、標高2817m)です。ちょうど、この画像に写る摩利支天岳のピークの向こう側にコロナ観測所(2010年 閉鎖、2011年 自然科学研究機構乗鞍観測所として再運用)があり、富士見岳の右側にシャトルバスの終点の畳平となります。

 

駐車場の半分は雪の山 - 昨年以上の積雪量が残る

冬の間、観光センター前駐車場は面積が夏場の半分以下になっています。駐車場は除雪で作られた雪の山が占有していて、ワンボックス車よりも高くなっている様子がうかがえます。乗鞍高原エリアから集められた雪ではなく、駐車場のアスファルトが出ている部分を除雪してできた雪の山だけでこれだけ大量に残っているわけです。

今シーズンは12月に入った途端に大雪に見舞われ、その後も雪の量がどんどん増える一方でした。そのため、乗鞍高原のあちこちで雪の山がそびえたっている状況がみられて、Mt乗鞍でも、1月中旬頃には昨年の最大積雪量を超えてしまいました。

 

観光センターの屋根には

乗鞍高原一帯はは標高が高いため軽い雪が降り、屋根などにあまり着雪しません。今年は降雪量も多かったのですが、雪質そのものが雪国で降る雪のように「積もる雪質」でした。その一端がこちらの観光センターの屋根に見られます。

 

大きく張り出す雪庇 落雪注意 - こんなことは今年が初めて

先週はもっと積もっていましたが、ご覧のように雪の塊が大きく張り出して、下の道路に落雪しています。そのため、道路の一部がパイロンで規制されています。例年、これほどまで降り積もる様子は見られません。

 

観光センターは冬季休業中 - テラスにもまだ1メートル以上の積雪

さて、観光センターは夏場のグリーンシーズンはシャトルバス発着の中心的な存在ですが、冬は完全に休業状態で、テラスには1メートル以上の積雪で閉ざされています。

 

売店営業再開はは5月1日から 乗鞍岳春山バスは4月25日から

もちろん、売店もシャトルバスの案内所も営業休止中です。ただし、今後、乗鞍岳春山バスが運行開始となる頃には、再び営業が始まることと思います。今年の乗鞍岳春山バスは、ゴールデンウィーク前の4月25日(土)からの運行開始が予定されています。

ダイヤ・運賃などは昨年と変わりありません。また、昨年はゴールデンウィークの途中から観光センターでの発着場所が、車道沿いの路線バス停から駐車場内のシャトルバス発着場所に変更されましたが、今年は運行初日から駐車場内のシャトルバス発着場所になる予定です。

なお、道路交通・各施設の再開予定は、昨年10月に掲載した「お知らせ − 2014シーズン終了に伴う 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定」をご覧ください。

※ 乗鞍岳春山バス:冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線はバスより高い雪壁が続き、雪の回廊の中を位ヶ原山荘(大雪渓)まで運行します。バックカントリースキーヤーや雪見見物の観光客に人気。

 

貴重な晴天 − 春に三日の晴れ間なし

「春に三日の晴れ間なし」と、いう言葉がありますが、3月に入ってめまぐるしく天候が変化しています。貴重な晴天...このチャンスを逃さず、ツアーコースに向けてスキー場へと向かいます。

 

【Mt乗鞍 - スキー場へ向かう】

Mt乗鞍 第一駐車場 − スキー場スタッフも出勤

こちらは、Mt乗鞍 第一駐車場。スキー場のベースにあって、今日もスキー場スタッフが集まってきました。

 

先週は大雪とつらら(2015/03/14) 今週はつららが完全になくなりました

3月に入ってめまぐるしく天候が変化していると申し上げましたが、左の画像は先週のもの。この1週間はほぼ毎日大雪に見舞われ、ご覧のように屋根からは大きなつららが成長していました。しかし、その後の1週間は気温が急激に上昇し、19日(木)にはまとまった雨に見舞われました。そのため、右の画像のようにつららどころか屋根の雪すらなくなっています。

しかし、予報では週明けから再び雪が続くとのことで、これほどまで大きく変化する天候は、厳しい真冬でもなかなか見られません。

 

第三駐車場へ向かう道路も積雪凍結はない − ただし、まだ冬タイヤは必要

第一駐車場から第三駐車場への道路は、これまでの厳冬期は常に積雪凍結していました。しかし、今週はすっかり溶けて、夏タイヤでも全く問題ないほど...ただ、このまま積雪凍結が完全になくなることはなく、2013年は4月に大雪で乗鞍高原は一面銀世界になりました。その時の様子は、2013年4月21日(日)の速報、および、2013年4月27日(土)の速報 をご覧ください。つまり、ノリクラにお越しの場合は、まだまだ冬タイヤが必要であることがお分かりになるかと思います。

 

Mt乗鞍 第三駐車場 − 今日はバックカントリースキーヤーの姿がいつも以上に多い

そして、こちらがMt乗鞍 第三駐車場。今日は祝日ということもあって、たくさんの方がお越しになり、大きなザックを背負ったバックカントリースキーヤーの姿がいつも以上に多い様子が見受けられます。

例年、3月の春分の日の前後の週末あたりから、ツアーコースへ入山するスキーヤー・ボーダーの方が多くなります。3月下旬ともなれば、厳冬期からほぼ脱出し、春らしくなってきます。

 

駐車場のスタッフの方 − 厳冬期も毎朝5時30分から

毎週、お会いする駐車場のスタッフの方。広い第3駐車場を一人で切り盛りされていて大変そう...厳冬期に毎朝5時30分から駐車場に立つのは、それ以上に大変なこと...本当にご苦労様です。

 

チケットセンターでリフト券購入

さて、ツアーコース入口まではスキー場のリフトを乗り継いで向かいます。そのため、スキー場に入ったらまずはリフト乗車券を購入する必要があります。

 

ツアーコースまでリフト3本乗り継ぐ ゲレンデマップ − 地図拡大【Click】

通常、ツアーコースまではリフト3本を乗り継げば到達することができます。滑走道具を持つスキーヤー・ボーダーの方は、リフト3本利用すればよいのですが、登山者の場合は少し判断が分かれます。チケットセンターは最初に乗車するやまぼうしリフトの中間地点にあり、ゲレンデを下ってやまぼうしリフトを利用すれば1回券×3枚の購入となりますが、やまぼうしリフトを利用せずにゲレンデを上って、次の夢の平クワッドリフトから乗車すれば、1回券×2枚の購入で済みます。

やまぼうしリフト・夢の平クワッドリフト・かもしかリフト、および、現在位置は、こちらのゲレンデマップ(拡大)で参照できますので、ご確認ください。

また、休暇村ゲレンデからの場合は、リフト乗り場にチケットセンターが隣接していますので、迷うことなく、1回券×3枚を迷うことなく購入すればよいでしょう。

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