ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.2(2015/03/28) B

Top-page > Index > Page:  1  2  3  4

(Update:2015/04/02)

 

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

入口急斜面を登りきった先のツアーコースは、比較的なだらかなルートが続きます。

 

1番標識付近 − 積雪量は先週と変わらず ツアーコースで最もお勧めのビューポイント

この先は、ツアーコース終点に相当する位ヶ原急斜面までは、ご覧のような緩斜面が続き、コース内には1番から6番までの標識が見られます。こちらの1番標識付近からは、高天ヶ原(左)と乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(右)の二つのピークが目の前に飛び込んできます。

ツアーコース内の積雪量は、この後の3番標識と5番標識でお伝えしますが、1番標識付近は先週とほとんど同じ状況です。

 

暑くてアウターを脱ぐ − 冷たいお茶がおいしい

時刻は10時を過ぎたところ。少しずつ天候が回復し、しっかりとした日差しが差し込むようになってきました。気温は12℃、暑くてアウターなんて着ていられません...北風と太陽が力比べをして、どちらが旅人の上着を脱がせることができるかというイソップ物語がありますが、まさにそんな状況です。そして、喉を潤す冷たいお茶が一層おいしく感じるもの。

日差しや風の有無によって、体感温度は大きく変わりますが、冬山入山の装備を整えてツアーコースを登行するというシチュエーションに限定すれば、気温が0℃を超えると、寒さは感じることはなくなり、アウターを脱いでも差し支えない状況です。ですから、気温が二桁に達するとかなりの厚さを覚えるはずです。

 

日差しで表面が緩むがザクザクにはならない − まだ冬の空気が残る

人間には暑いと思える状況でも、バーンは表面の固い部分が緩んだ程度でザクザクになるほどの緩み方ではありません。そのため、シールで登るのはもちろんのこと、ツボ足やアイゼンでもほとんど沈み込まずに登ることができます。

春になったとはいえども、やはりまだ冬の空気が残っていて、それがバーンの緩み方に関与しているのではないでしょうか?

 

ツアーコースは樹林帯を切り開いて作られた

かつて、山麓から大雪渓付近までロープウェイを整備することを視野に入れた計画が地元企業で推進され、その後、大雪渓へのアプローチコースとして整備されたものが、現在のツアーコースです。そのため、樹林帯を人工的に伐採して作られているため、ツアーコース内を歩いていれば、道迷いの発生は非常に少ないと考えられます。ただ、ツアーコース終端の位ヶ原急斜面に出ると、目印のない完全なオープンバーになり、道迷いの発生頻度が急に高くなります。

 

先週の高天ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B
今週の高天ヶ原
縦溝がなくなる − 降雪で埋まったと考えられる

さて、こちらは高天ヶ原の山肌。左が先週の画像で右が今週の画像です。積雪状況は先週とほとんど変わりませんが、今週の降雪で縦溝がかなり少なくなり、なめらかな状況が見られます。おそらく、降雪によるものと考えられます。

 

昨年の3番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B
先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B

今週の3番標識
先週より10センチ減少
昨年より20センチ多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より10センチ減少して、昨年より20センチ多い状態です。ただ、これまでは昨年より50〜60センチ以上多い状態が継続していましたので、昨年と変わらない積雪量になりつつあると考えられます。

 

今日もたくさんの方にお会いできました

時間とともに青空がはっきりしてきて、まるで秋のような雰囲気の雲が流れています。今日は100名以上の方がツアーコースに入山されていますので、多くの方々に出会うことができました。

 

初めてのシール -入口急斜面では苦労しました 日焼け対策は顔が見えなくなるほどの完全防備で!

左の画像の方は今シーズン初めて再会で、初めてシールで登る方を連れてお越しになりました。その初めての方は「入口急斜面はシールがスリップして苦労しました。」と、おっしゃっていました。スキー滑走の時は、グリップを効かせるためにエッジをくいこませようとしますが、登行の時はエッジを立てれば立てるほどスリップの原因になります。また、荷重も滑るときと比べると踵寄りに加えたほうがグリップがよく、エッジの使い方や荷重感覚は滑走時とは逆ですから、初めての方が苦労するのも無理ありません。

そして、右の画像の方はノリクラ常連のお二人。ご覧のとおり、顔を完全に覆い隠すほどのフェイスマスク。「この時期は日焼けが問題ですからね。これだと顔だけでなく首筋も覆いますから、登山だけでなく自転車の時にも重宝しますよ。」とのこと。日焼け止めクリームの塗布はもちろん必要かと思いますが、首筋は顔以上に日焼けしやすく、日焼け止めクリームだけではなかなか対策が難しいもの...これなら完全防備できそうですね。

 

昨年の5番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B

今週の5番標識
先週より10センチ減少
昨年より35センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より10センチ減少して、昨年より35センチ多い状態です。ツアーコースの最大積雪期は3月中下旬で、今後は積雪量が減少して行くこととなります。今年の最大積雪量は2週間前の3月中旬(取材日3月14日(土))に計測でき、5番看板が80センチも埋没しました。もちろん、過去最高の積雪量でした。

 

 雲の模様がゆっくりと変化

時間とともに雲の模様がゆっくりと変化し、おそらく、雲の流れ方なんて日常の生活の中では気にも留めないことかもしれません。でも、ゆっくりとした週末だからこそ、こんなところにも心を配ってみたいものです。

そして、この付近から空気が冷たいものへと変化して行きます。緩み始めていたバーンも再び締まった状態になり、春と冬との境目がここに残ってように感じます。

 

昨年の6番標識手前の谷
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B
今週の6番標識手前の谷

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。この画像を見る限り、ウェーブになっていることは全くわかりませんが、積雪がまだ少ない1月までは、往来するのに苦労するほどの谷になっています。この谷が埋まるのは2月以降で、春スキーにしかお越しになったこののない方が初めて厳冬期のツアーコースにやってくると、必ず閉口する場所で、特に年末年始ごろはここを通過するだけでかなりの時間を必要とするほどです。

しかし、今年は積雪量が増加するのが早くて、1月中下旬には、ほとんど問題ない状態になりました。

 

イグルー作成中 − 壊れたときのためにあらかじめ雪洞も掘る

ツアーコースの入口ではテントを設営されているグループがいらっしゃいましたが、こちらでは雪のブロックを積み上げて作る「イグルー」の作成中。そして、奥の斜面には夜中に万が一イグルーが壊れたときに逃げ込むために雪洞も掘ったとのこと。

スキーヤー・ボーダーだけでなく、様々な方がツアーコースにお越しになっていて、お話をお聞きするだけで楽しいものです。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

■ Next>>  Page4 【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】 ■

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  Next>>