ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.2(2015/03/28) C

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(Update:2015/04/02)

 

【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) C
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) C
今週の位ヶ原急斜面
先週とほぼ同じ、昨年より1メートル多い

位ヶ原急斜面の積雪は、先週とほぼ同じで、昨年よりも1メートル多い状態。ツアーコースの1番標識や3番標識など、中間よりも山麓側では、昨年との積雪量の差がだんだんなくなってきましたが、上部では昨年よりも積雪量の多い状態が続いています。

 

新雪感の全くない締まったバーン

正午の気温は0℃、前のページで5番標識の先から冷たい空気に置き換わったことをお伝えしましたが、気温は一気に10℃近くも低下しました。数日前の降雪には柔らかさを感じるものの新雪感は全くなく、固く締まった部分も多くみられます。

 

稜線はアイスバーン − 肩の小屋から先はアイゼンで

位ヶ原急斜面を滑り降りてきたこちらの方。蚕玉岳まで登り、山頂(稜線)から滑り降りてきたところ...「稜線へは肩の小屋からアイゼンに履き替えていきました。稜線はアイスバーンになっていて、滑走は怖かったです。」とのこと。途中にパウダーゾーンが一部あったようですが、それも大したものではなかったようです。

稜線からの滑走が安全にできるようになるには、ゴールデンウィーク頃まで待つ必要があり、それまでの間は、時として危険を感じる場合もあるでしょう。

 

スリップしやすいバーン − 心配そうに後続のメンバーを見る 何とか無事にクリア!

心配そうに後方を見ている様子の先には、硬めの斜面でスリップしないように慎重に登るスキーヤーの姿が...
何とか無事に登り切って、「昨年はスノーシューでしたが、今年からシールに変更しました。滑りそうで怖かった。」と、安堵のご様子...「このバーン状態ならスノーシューのほうが良かった。」と、おっしゃっていましたが、今後、シールの扱いに慣れてくれば、問題なく登ることができるでしょう。

 

この先、森林限界の位ヶ原へ

ツアーコース位ヶ原急斜面よりさらに進んで、森林限界を超えてオープンバーンの位ヶ原に向かいます。

 

【下山ルート】位ヶ原急斜面 【ルート間違い】伊奈川の谷 − 過去に何度も遭難発生

こちらは位ヶ原急斜面周辺を上から見た画像。左は位ヶ原急斜面で右はその隣にある伊奈川の谷です。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進み、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありませんので注意が必要です。

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面からツアーコースに下山する際、間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面と伊奈川の谷、その周辺の位置関係は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

【位ヶ原、スノーカイトが空を舞う】

位ヶ原

ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は森林限界を超えます。目印となる木々が極端に乏しくなってきます。

 

昨年の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) C

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) C

今週の位ヶ原
先週より10センチ増加、昨年より60センチ多い

位ヶ原の積雪量は、先週より10センチ増加して、昨年より60センチ多い状況。位ヶ原より下部のツアーコースでは先週よりも積雪量が減少する様子が見られましたが、こちらでは逆に増加しています。森林限界を超えたエリアは、例年、これから積雪量が増える時期ですので、まだまだ、増加すると考えられます。

 

スノーカイトが大空を舞う − やや強めの穏やかな風が流れる

今日の位ヶ原は厳冬期と比べれば、かなり穏やかな風がですが、やや強めの風の中が吹き、そこには大空にカラフルなスノーカイトが舞い上がっています。

 

山頂方面へ登って行くことも可能

よい風を受けると、このまま山頂方面まで登って行くことも可能とのこと。今日の風は体重の軽い人にとっては、ちょっと強めだとのことですが、もっと強い日に飛ばすこともあるとおっしゃっていました。

 

電線や木々が少ない雪原で

スキーやボードを装着し、雪面を滑りながら上に登って行きます。電線や木々が少ない雪原が必要で、牧場や田圃などで行われているとのこと。また、夏場も海の上でサーフボードに乗って実施するとのことでした。まだまだ、競技人口の少ないスポーツで、未経験者にはスノーカイトを体験してもらう企画などもやっていらっしゃるとのことです。

「スノーカイト」のキーワードで検索すると最初に表示されるとのことですので、ご興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか?

 

位ヶ原の積雪量は昨年よりも60センチ増加していますが、山頂・稜線付近の様子を見ると...

 

昨年の剣ヶ峰方面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) C
今週の剣ヶ峰方面
昨年よりも積雪量が多い
昨年の摩利支天岳方面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) C
今週の摩利支天岳方面
昨年よりも積雪量が多い

明らかに昨年よりも露出する岩場が少なく、一目で昨年よりも積雪量の多い様子が見受けられます。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) C

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) C

今週の大雪渓入口
先週より20センチ減少、昨年より1.5メートル多い

先週よりも20センチ減少して、昨年より1.2メートルほど積雪量が多い状態です。大雪渓の積雪は含水量の多くなる春先から増えてきますので、まだまだ増加することが予測されます。

厳冬期は乾いた雪質のため、絶えず強風にさらされる大雪渓や位ヶ原では積雪量が増加しません。そのため、厳冬期に入っても大雪渓内には最後まで姿を見せている大岩(※)があり、例年なら3月以降になってその姿がようやく埋没するのですが、今年は2月には完全に埋没してしまいました。(※当WebSiteでは「モーグルコースの岩」と呼んでいる大岩です。)

 

大雪渓は数センチのパウダー

大雪渓付近は、積雪が数センチのパウダーゾーンが広がっています。

 

摩利支天岳は若干重たいパウダー

隣の摩利支天岳からのバーンは若干重たい感じのパウダーです。

 

山頂方面(下段の2枚は稜線部分を拡大)
剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 蚕玉岳〜朝日岳稜線
=沢筋の北寄りはパウダー、南寄りはアイスバーンに=

そして、山頂方面をよく見ると、稜線からの沢筋は北寄り部分には柔らかなゾーンがあって、南寄り部分はアイスバーンになっている様子がわかります。稜線から滑り降りてきた方のお話を、【ツアーコースV − 位ヶ原急斜面】のコーナーで載せていますが、その様子がこちらの画像でも確認されます。(稜線から安全に滑走できるのはゴールデンウィーク以降で、それを過ぎてもアイゼンが必要なコンディションの日が見られます。常にアイゼン携行は忘れずに)

 

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

避難小屋の傍らで休憩 昨年も「ちょうど1年ぶりの再会」でご紹介

 

その傍らで休憩されているこちらの方々、先ほどツアーコース位ヶ原急斜面でシールのグリップが効かずに苦労されていましたが、毎年、この時期にお越しになるとのこと。

昨年の 2014ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.2(2014/03/24)C でもご登場いただきました。その時の記事でも「昨年もお会いした」と記述し、今回で3年連続の再会です。ぜひとも、また、来年もお会いできることを楽しみにしております。

 

今日は午後になるほど天候が好転し、ご覧のとおり、雲一つない快晴です。14時の気温は0℃。スノーカイトが軽快に空を舞う様子を眺めながら、のんびりとランチを楽しむなんて、なかなか体験できないものでしょう...

厳冬期には腰を下ろしてゆっくりと休憩することなんて許される環境ではありませんでした、そんな厳しい季節はもうそろそろ卒業の時期でしょう。

 

大雪渓からツアーコースへの下山
【山頂・大雪渓・位ヶ原からツアーコースに戻る下山ルート】

さて、大雪渓からツアーコースへの下山ですが、このようなオープンバーンのため、ツアーコース位ヶ原急斜面ではなく、すぐ隣の伊奈川へ侵入する道迷いがたびたび発生しています。前回の ノリクラ 雪渓カレンダー 2015シーズンプレリリース版 Vol.1(2015/03/21) C 【山頂・大雪渓・位ヶ原からツアーコースに戻る下山ルート】 で、下山ルートを紹介しておりますので、再度ご覧ください。

 

<編集後記>

「次週末はリフト利用が最後になります」

Mt乗鞍の今シーズンの営業が次週末の4月5日(日)で終了いたします。今シーズンは積雪量が多いだけに、営業延期を期待するスキーヤー・ボーダーの方々もいらっしゃるかと思います。しかし、どれだけ積雪量が多くても、設備点検やスタッフ確保などの運営上の観点から、営業延期を実施するすることは、Mt乗鞍に限らず、どこのスキー場でもなかなか難しい所でしょう。

しかし、延長できないもう一つの理由がMt乗鞍にはあります。それは県道乗鞍岳線の除雪が始まることです。

乗鞍高原から位ヶ原・大雪渓を経て標高2720メートルの県境までつながる県道乗鞍岳線は、4月下旬から運行が始まる乗鞍岳春山バスの通行に間に合うよう、スキー場の営業終了を待って除雪が始まります。県道乗鞍岳線の一部は、かもしかゲレンデを上下に分断するように貫き、除雪直後は高さ3〜4メートルの雪の壁ができてしまい、安全にスキーを楽しむことができなくなります。4月上旬から除雪を始めても、春山バス終点の位ヶ原山荘まで除雪が完了するのは、春山バス運行開始の数日前であり、除雪開始を遅らせることは到底できない状況です。また、上部に行けば行くほど積雪量が多くなり、山麓では降雨でも作業現場は雪になっていることもあり、せっかく除雪したのに、また、冠雪して再除雪ということも珍しくありません。

そのため、積雪量が多くてもMt乗鞍の営業延期は見込めず、ツアーコース入口までリフトを利用することができるのも次の週末が最後です。その翌週は休暇村からすべて歩いていかなければなりません。現段階では、次週末の天候はやや問題ありますが、天候に問題ない状態であれば、ぜひともリフトが利用できるうちにお越しになられてはいかがでしょうか?

Mt乗鞍の営業終了後の入山方法について、トップページの速報に掲載しておりますが、こちらにも再掲いたしますのでご確認ください。

 

【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)
4月5日(日)まで リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月6日(月)〜17日(金)11時 徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月17日(金)11時〜24日(金) マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月25日(土)〜5月下旬 マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)
5月下旬〜6月30日(火) マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月21日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(金)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)

 

 

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