ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.3(2015/04/04) C

Top-page > Index > Page:  1  2  3  4

(Update:2015/04/09)

 

【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) C
今週の位ヶ原急斜面
先週より70センチ減少、昨年とほぼ同じ状態

位ヶ原急斜面の積雪は、先週より70センチ減少し、昨年とほぼ同じ状態です。これまでは昨年よりも1メートル以上多い状態でしたが、急速に積雪量が減少しました。今週の赤枠部分をよくご覧ください。

 

ダケカンバの枝先が再び出現
3月21日〜4月4日の間に最大積雪量

先週まで完全に埋没していたダケカンバの枝先が姿を現しています。こちらのダケカンバがほぼ完全に埋没したのは3月21日前後です。ですから、3月21日前後から4月4日の間に最大積雪量を迎えたことがわかります。また、今後は降雪があっても、最大積雪量を超えるようなことはないと考えられます。

 

綿菓子のような雲が浮ぶ

そして、先ほどまで厚い雲に覆われていた南の空もしっかりと晴れ渡り、綿菓子のような雲が浮かんで、穏やかな雰囲気を醸し出しています。

 

「過去の記事を見ることは可能ですか?」

「過去の記事を見ることは可能ですか?」と、おっしゃるこちらの方。当WebSiteでは2001年の運営開始以来、記事の削除は行っていませんので、すべての過去記事をご覧いただくことが可能です。

 

各ページの上部バナー(グレーの帯)

各ページの上部のグレーの帯(バナー)から、過去のノリクラ雪渓カレンダー、過去の速報、その他のコーナー(ノリクラガイドマップ、ヒルクライム・マラソン関係、紅葉関係)に入ることができます。まだ、ご覧になっていない方は、一度ご確認ください。

 

雪面に落し物 雷鳥の糞 − 白い冬羽も

さて、急斜面にはご覧のような「落し物」を発見できました。こちらは雷鳥の糞。冬の白い羽毛も残されていて、一目で雷鳥の落し物だとわかります。冬の間は、ダケカンバの林のある富士見沢や屋根板などで生息し、ハイマツ帯が姿を現す時期になるとつがいを形成し、上部の大雪渓・山頂方面で巣作りを始めることと考えられます。

 

【下山ルート】位ヶ原急斜面 【ルート間違い】伊奈川の谷 −過去に何度も遭難発生

こちらは位ヶ原急斜面周辺を上から見た画像。左は位ヶ原急斜面で右はその隣にある伊奈川の谷です。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進み、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありませんので注意が必要です。

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラガイドマップ冬スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面からツアーコースに下山する際、間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面と伊奈川の谷、その周辺の位置関係は、ノリクラガイドマップ 冬スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

また、これからの春スキーに向けて ノリクラガイドマップ 春スキー版 もリニューアルいたしましたので併せてご確認ください。4月25日(土)より運行が開始される乗鞍岳春山バスでノリクラの春スキーにお越しも、ぜひともご覧ください。

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は森林限界を超えます。目印となる木々が極端に乏しくなってきます。

 

昨年の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C

昨年の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) C

今週の位ヶ原
先週より55センチ減少、昨年より10センチ少ない

位ヶ原の積雪量は、先週より55センチ減少して、昨年より10センチ少ない状況。こちらでもツアーコース同様に激しく雪解けが進んでいます。そして、下段の今週の画像にある赤枠部分に注目してください。

 

すでにハイマツ帯が出現 − 例年なら4月中旬〜下旬のはず

ハイマツ帯が大きく出現している様子が見られます。例年、位ヶ原でハイマツ帯が見られるようになるのは4月中旬〜下旬で、これまでは昨年よりも積雪量の多い状態が続いていましたが、今週は逆転してしまいました。ただ、位ヶ原周辺はまだ積雪量が増える時期で、今後再び増加に転じることも考えられます。

 

先週の剣ヶ峰方面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) C
今週の剣ヶ峰方面
かなり雪解けが進み、ハイマツ帯や岩場が大きく出現
先週の摩利支天岳方面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) C
今週の摩利支天岳方面
かなり雪解けが進み、ハイマツ帯や岩場が大きく出現

 山頂方面でも昨日の雨は雪ではなかった模様で、かなり雪解けが進み、ハイマツ帯や岩場が大きく出現してしまいました。

 

大黒岳の尾根筋 − こちらも激しく雪解け

さらに目立つのは大黒岳の尾根筋で、4月中旬〜下旬に近いコンディションです。

 

ハイマツ帯への進入や休憩はされないお願いします 雷鳥の生息場所となります

さて、先ほども申し上げましたが、今後ハイマツ帯が大きくなってくると、雷鳥の生息場所となります。そのため、ハイマツの上を歩くことは絶滅危惧種に指定されている雷鳥に大きな影響があると考えられます。ハイマツ帯を横切ったり、また、ハイマツ帯に入り込んで休憩することのないようお願いいたします。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) C

今週の大雪渓入口
先週より50センチ減少、昨年より50センチ多い

先週よりも50センチ減少して、昨年より50センチほど積雪量が少ない状態です。大雪渓はゴールデンウィーク前あたりに最大積雪量を迎えますので、今回のように積雪量が減少しても、再び増加することが期待されます。

厳冬期は乾いた雪質のため、絶えず強風にさらされる大雪渓や位ヶ原では積雪量が増加しません。そのため、厳冬期に入っても大雪渓内には最後まで姿を見せている大岩(※)があり、例年なら3月以降になってその姿がようやく埋没するのですが、今年は2月には完全に埋没してしまいました。(※当WebSiteでは「モーグルコースの岩」と呼んでいる大岩です。)

 

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

午後はさらに激しく雲が流れる

午後になって、雲の動きがさらにダイナミックになります。

 

摩利支天岳の銀幕に陰影

そして、雲間から差し込む光が摩利支天岳の銀幕に陰影が映し出します。まるでスキーヤーの動きに歩調を合わせるかのように変幻自在に雲の影は動き続けます。

 

【大雪渓からの下山 − 春は突然の濃霧に注意】

大雪渓からの下山 − 濃霧時はハイマツ帯を目印に
【山頂・大雪渓・位ヶ原からツアーコースに戻る下山ルート】

さて、大雪渓からツアーコースへの下山ですが、このようなオープンバーンのため、ツアーコース位ヶ原急斜面ではなく、すぐ隣の伊奈川へ侵入する道迷いがたびたび発生しています。前々回の ノリクラ 雪渓カレンダー 2015シーズンプレリリース版 Vol.1(2015/03/21) C 【山頂・大雪渓・位ヶ原からツアーコースに戻る下山ルート】 で、下山ルートを紹介しておりますので、再度ご覧ください。

 

濃霧時はハイマツ帯に沿って滑る ハイマツ帯が切れたあたりから斜め右方向へ
直進すると5号カーブ(除雪後5〜10mの雪の壁転落の危険)

前の画像の赤丸部分ですが、今週になって大雪渓トイレから屋根板方面に伸びる尾根筋にハイマツ帯が現れてきましたので、突然の濃霧に遭遇した時は、こちらの尾根がに伝って下山し、ハイマツ帯が終わったあたりで、斜め右に方向を変え、完全に平坦になったところで、上記の下山ルートを取るようにしてください。

ただ、これは突然の濃霧に対する緊急の対応方法で、濃霧時に入山することは絶対に避けて下さい。また、濃霧がひどい場合は、ハイマツ帯が途切れた場所から、斜め前に見えるツアーコース方面が確認できない場合もありますのでご注意ください。

 










ハイマツ帯が切れたら斜め右へ(青線)
ノリクラガイドマップ 春スキー版
除雪後は5号カーブの雪の壁(5月上中旬、転落注意!)
ノリクラガイドマップ 春スキー版

上記のようにハイマツ帯に沿って滑る理由は、濃霧時に大雪渓からそのままフォールラインに沿って下山滑走すると、誤って伊奈川方面に進入する危険性があり(ピンクの線@)、また、青線を斜め右に進まず、まっすぐ行った場合は、誤って位ヶ原山荘前の雪崩斜面に出る危険性があります(ピンクの線A)。

また、現時点では全く問題ありませんが、今後、道路の除雪が進むと、ハイマツ帯が切れた少し向こう側に、県道乗鞍岳線の5号カーブが出てきて、高さ5〜10メートルの雪の壁となります。そのため、誤って進入すると、道路に転落する危険性があり、ハイマツ帯が途切れたら、必ず斜め右へ進路変更してください。5号カーブ付近の除雪は例年5月上旬〜中旬頃で、5号カーブの位置は、ノリクラガイドマップ春スキー版で確認できます。(地図上の【立入注意】5号カーブ(雪の壁) というアイコンをクリックして下さい。) 

春は急速に天候が悪化して、突然の濃霧に見舞われて、方向感覚が失われてしまいます。このようにならないよう、雲の動きには細心の注意が必要です。

 

<編集後記>

「乗鞍という名称...」

先月の話ですが、3月20日・23日と立て続けに、「北アルプス乗鞍岳で遭難」という記事あり、当地でまた遭難かと思いましたが、長野と新潟にまたがる標高2469メートルの「白馬乗鞍岳」のことでした。(両日とも無事に救助されたとのことでホッとしました...)

当WebSiteでいつも紹介している 北アルプス南部に位置して長野と岐阜にまたがる標高3026メートルの「乗鞍」も、北アルプス北部に位置して長野と新潟にまたがる標高2469メートル「乗鞍」も、国土地理院ではどちらも「乗鞍岳」が山名として用いられていますから、「北アルプス乗鞍岳」という呼称だけだと、どちらか判別がつきません。そのため、両者を区別するために、北アルプス北部の乗鞍岳を、あえて「白馬乗鞍岳」と称することが多いようです。

両者の間違い・思い違いは多々あるようで、乗鞍高原のペンションに予約を入れたお客さんから、予約当日の夕方になって、「乗鞍に到着したけど、御宅のペンションが見当たらない!」という電話が入り、話をよく聞くと到着したのは白馬乗鞍だったという、笑うに笑えない話もあるようです。

当WebSiteで紹介している乗鞍岳は、馬に鞍をかけたような山容から、その名が命名されていますが、このほかにも「乗鞍」という名称の山があって、福井と滋賀にまたがる標高865メートルの「乗鞍岳」の麓にある国境高原スノーパークというスキー場には、「乗鞍第1コース、乗鞍第2コース」というゲレンデがあります。Mt乗鞍は国境高原スノーパークと同じマックアースグループのスキー場で、どちらも「乗鞍岳」の麓にあるものの、Mt乗鞍には「乗鞍」の名称が入ったゲレンデは残念ながらありません...

また、山ではなく地名にも「乗鞍」という場所があり、こちらは愛知県名古屋市の郊外にあります。現在の地名は「乗鞍(のりくら)」ですが、古い地名では「乗鞍(じょうあん)」と呼ばれていたようで、市バスの停留所は「乗鞍(じょうあん)」となっています。

さらに話が脱線しますが、奈良県天理市には「乗鞍古墳」があり、競馬の騎手が出場することも「乗鞍」...もっと調べれば、何かいろいろ出てきそうです。

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  -  Next-Page (Prerelease Vol.4) >