ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.2(2016/03/26) B

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(Update:2016/03/31)

  

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

入口急斜面を登り切って、一休み

入口急斜面を登り切ると、なだらかなコースが続きます。ちょっとここで一休みです。

 

ガイドツアー、地元ガイドさんと一緒に − 土曜日の速報は助かりますよ

左に写るのは地元のガイドさん、今日はお客様をお連れしてのガイドツアー。「いつもは日曜日にツアーを開催することが多いので、土曜日のWebSiteの速報は助かりますよ。今日は24日の降雪が残っているはずですから、それを拾いながら滑る感じになるかと思います。」と、おっしゃってくださいました。さて、ガイドさんの目利き通り、今日はパウダーにありつくことができるでしょうか...

お客様とのお話の中で、「夏の大雪渓(モーグルコース)も滑ってみたい!コースには誰でも入っていいのでしょうか?」と、おっしゃっていましたが、基本的に誰でも滑走できます。ただ、ゲレンデ内の自然発生的なコブではなく、滑走する人、もしくは、コブ管理人がスコップで作成するもので、作成後もデラ掛けなどの定期的な整備が必要です。周囲の方々に滑走の意を伝えてから参加されるとともに、デラ掛けなどの整備の協力に心掛けていただくとよいかと思います。

 

先週の1番標識手前の切り株
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.1(2016/03/19) B
今回の1番標識手前の切り株
積雪量が少なくなっている

先週もお伝えした1番標識手前にある切り株。先週よりも見えている部分が多くなっていて、積雪量が少なくなっていることがわかります。ツアーコース下部においては、季節外れの大雪がない限り、今後は減少傾向を示すものと思います。

 

一昨年の1番標識手前の切り株(4月下旬)
2014ノリクラ雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C
昨年の1番標識手前の切り株(4月下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B

こちらは一昨年・昨年における同じ切り株で、厳冬期には一旦埋まり、雪解けとともに顔を出した時の模様です。どちらも4月下旬になって姿をあらわしました。今年は一度も姿が隠れることなく、今後は減少の一途をたどるものと考えられます。したがって、現時点の積雪は、例年の4月下旬並みの少なさということがわかります。

 

1番標識付近は絶好のビューポイント(左:高天ヶ原、右:剣ヶ峰)

ツアーコース内には下から1〜6番までの標識が設置されています。こちらが1番標識付近、ご覧のように目の前に高天ヶ原と剣ヶ峰がくっきりと浮かびあがっています。この後、先に進めば進むほどその姿が大きくなり、間近に眺めることができるようになります。

夏場は車道と登山道しか立ち入ることが許されず、自由な行動に制限があります。また、この時期はブッシュが雪に埋まっているため、積雪期しか見られない風景がこの先も続きます。

 

昨年の高天ヶ原山頂付近
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) B
今回の高天ヶ原山頂付近
山麓とは異なり、山頂付近は積雪が少なくない

こちらは高天ヶ原の山頂付近の様子。左の昨年同時期の画像と比べると尾根部分に積雪量の違いがみられます。乗鞍高原などの山麓では明らかに昨年よりも積雪量の少ない状態ですが、標高の高いところでは必ずしもそうとは言えないことがわかります。

 

昨年の3番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) B

先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.1(2016/03/19) B
今回の3番標識
先週とほぼ同じ
昨年より60センチ少ない

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週とほぼ同じで、昨年より60センチ少ない状態です。この付近は例年だと、もう少し積雪量が増えてもよいところですが、今年はここ数年の中では最も積雪量が少ない状況となっています。

 

冷たい空気に包まれ、バーンは固めのコンディション

今日は空気が冷たく、全体的に固めのバーンコンディションが続き、強い日差しにも関わらず、表面が緩むことがありません。バーンが緩んだほうが良いのか固いままのほうが良いのか、いろいろな見方があると思いますが、3〜4月のツアーコースに関しては、緩まないほうがよいでしょう。

午前中の日差しでバーンが緩むと、午後にはガチガチに冷え込んで、下山滑走に苦労させられるからです。特にこれからは日が長くなり、夕方近くまで上部エリアに滞在していると、帰りのツアーコースは大変なことになります。もし、苦労することなく一日を楽しく終えたいのでしたら、14時くらいまでには下山されたほうがよいでしょう...

バーンコンディションが悪化すると、ツアーコースの下山滑走での転倒負傷が懸念されます。日没近くになるとヘリコプターでの救助ができなくなりますので、早めの下山をお願いいたします。

 

5〜6番標識間 − こちらもお勧めのビューポイント すぐ右側の樹林帯では...

左の画像は5番標識を少し過ぎたあたり。こちらも高天ヶ原と剣ヶ峰のオススメポイントですが、そのすぐ右側の樹林帯をのぞいてみると、ご覧のように穂高の山並みが一望できます。

 

テント設営 風よけのため、雪のブロックを積み上げる

大きなザックを背負ってツアーコース入口を出発したグループが、こちらでテントの設営を始めています。テント周りには雪のブロックを積み上げて、夜間の強風に備えます。

 

「命の水」は必需品です 設営完了、まずは乾杯 − 楽しい一夜になりそう...

缶ビールなどの「命の水」もご覧のとおり...テント設営が終わって、ひとまず乾杯!今日・明日は天候が安定していますから、楽しい一夜が過ごせそう...

これからの時期は厳冬期ほどの強風は少なくなりますが、テント設営は樹林帯の中で、比較的雪の安定した場所を選ぶほうがよいでしょう。たまに「明日は朝一番で山頂目指したいから少しでも近いところに設営します。」と、位ヶ原で設営される方がいらっしゃいますが、位ヶ原より上部の森林限界では、風よけとなる木々がないため、天候急変時への対応が難しく、ツアーコース内での設営が賢明かと思います。

 

昨年の5番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) B

先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.1(2016/03/19) B
今回の5番標識
先週より5センチ増加
昨年より140センチ少ない

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より5センチ増加し、昨年より140センチ少ない状態。本来ならもう少し積雪量が増加してもよい時期ですが、積雪量が思ったように増えません。先ほどの3番標識と同様に、ここ数年で最も少ない状況が続いています、

 

この先、下山滑走注意!

ツアーコース内でとくに積雪量が少ないのがこちら...

 

昨年の6番標識手前の谷
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2015/03/28) B

先週の6番標識手前の谷
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.1(2016/03/19) B
今週の6番標識手前の谷
例年の1〜2月の積雪量しかない − 下山滑走転倒注意

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左上の昨年同時期の画像ではほとんどウェーブがなくなっています。例年、2月以降になるとウェーブが埋まり始め、どの年も左上の昨年画像程度まで埋まりますが、今年は例年の1月〜2月ごろの積雪量しかありません。今後、まとまった降雪がない限り、例年並みに埋まることはまずないと思いますので、下山滑走では転倒に十分注意してください。

今年もこの付近の下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が発生しております。特に曇ったときなど影のできにくい状況では、地形の状況が不明瞭になり、ウェーブの存在に気づかず、減速しないまま突っ込んでしまう場合があります。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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