ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2016/05/20〜22) E
【5月22日(日)、第45回 乗鞍高原すもも祭】
すもも祭り会場(乗鞍高原一の瀬) |
5月22日(日)、乗鞍高原一の瀬園地で第45回すもも祭りが開催されました。乗鞍高原一帯は山菜の最盛期を迎え、かつてはすもも祭りの翌週に「山菜フェスタ」が開催されていましたが、昨年より同時開催となり、「すもも祭り with 山菜フェスタ」が正式な名称のようです。
受付 | 山菜の天ぷら・手打ちそばの無料引換券をもらう |
こちらは一般者・来賓の受付テント。すもも祭りの最大の目玉、山菜の天ぷら・手打ちそばの無料引換券を9時45分から先着で配布していました。
神事 | すもも祭り実行委員会長の福島真氏 |
そして、10時20分より神事が始まり、すもも祭り実行委員会長の福島真氏(のりくら観光協会 会長)は、「今年で45回を迎え、長きにわたって続けられたのも、皆様のご理解とご尽力の賜物です。今年は雪が少なくスキー場も大変でしたが4月上旬まで何とか営業できました。また、春山バスも昨日(5月21日)から大雪渓まで行くことができるようになり、5〜8メートルの雪壁を見ることができます。そして、8月11日に山の日が制定され、すもも祭りも関連行事となっております。山の日が起爆剤となって、一人でも多くのお客様がお越しいただくことを願っております。」との挨拶をされました。
山菜天ぷら・手打ちそばの無料サービス |
11時から山菜天ぷら・手打ちそばの無料サービスが始まると、ご覧の長蛇の列...
今年は昨年の1.5倍用意しました |
昨年は用意した400名分がすぐに完売してしまい、今年は1.5倍の600名に増やしました。今回はチケット配布が即終了という状況ではありませんでしたが、それでも、追加提供されるほどの人気ぶり...
揚げたての山菜天ぷら | 茹で立てのそば |
長蛇の列の裏側では、地元の方々が手分けして採って来た山菜をその場で天ぷらにして、打ち立てのそばも大釜で茹で続けていまいた。とにかく大量に揚げ続ける・茹で続けるものですから、テント内は蒸し風呂状態で、大粒の汗を額ににじませながら調理されていました。
山菜天ぷら・手打ちそば・樽酒が揃えばあとは乾杯! |
山菜の天ぷら、手打ちそば、そして、樽酒のサービスを受ければ、あとは車座になって乾杯!
山菜弁当も人気 =すもも祭りは山の安全を願って= |
「去年も参加したんですが、お目当ての山菜弁当を手にすることができず残念でした。でも、今年は購入できてうれしいです。」と、おっしゃるこちらの方...着用されているTシャツからお分かりのとおり(※)、今日はひとっ走りトレーニングされたのち、会場入りされました。
6月の天空マラソンや7月のヒルクライム解禁、そして、8月には全日本マウンテンサイクリングと、ランナーやヒルクライマー・チャリダーの季節をこれから迎えます。
すもも祭りは山開きの安全を願って開催され、ノリクラにおいては登山者のみならず、ランナーやヒルクライマーの安全も願うという側面もあるのではないでしょうか?(※
第10回乗鞍天空マラソン参加賞、10回の「TEN」と天空の「TEN」をかけたデザインが好評のTシャツ。)
乗鞍アルプホルン愛好会の演奏 − 重厚な音色 |
そして、乗鞍アルプホルン愛好会の演奏。残雪のノリクラをバックに、澄み渡る青空にアルプホルンの重厚な音色が広がります。
アコーディオンが軽快に | みんなで手拍子 |
そんなゆったりとしたアルプホルンとは対照的に、アルプスの少女「ハイジ」のテーマ曲を、アコーディオンが軽快に歌い出すと手拍子が...
愛好会は地元メンバーで結成 |
1972年に旧安曇村がスイスのグリンデルワルト村と姉妹提携を結んだ際に結成された愛好会で、メンバーは地元の方々で構成され、4月27日に行われる上高地開山祭での演奏風景は、毎年新聞紙面を飾っています。
地元の方々・ご近所さんが集まって |
地元の方々の中には、ご自身で採って来た山菜の天ぷらやおこわなどを持ち寄り、ご近所さんを呼び寄せて、ふるまう様子も見られました。すもも祭りは観光客の方だけではなく、地元の方々にも愛される行事だからこそ、45回の長きに渡って続けられてきたのだと思います。
ヨーデルチロリアンの演奏 | 地元女将の舞踊 |
アルプホルンの演奏に続いて、ヨーデルチロリアンの演奏、地元女将の舞踊が披露され、安曇村音頭では観光客の方々も飛び入り参加されました。
松本蟻ケ崎高校書道ガールズのパフォーマンス |
書道ガールズといえば松本蟻ケ崎高校...息の合ったパフォーマンスがすもも祭りを盛り上げます。
乗鞍っ子の竜神太鼓 |
そして、最後は乗鞍の子供たちによる竜神太鼓の演奏。今回は雲一つない快晴が続き、初夏を思わせるような強い日差しの中でのすもも祭りでした。季節がまた一つ先へと進み、本格的なグリーンシーズンが始まります。
【昨年の今ごろは?】
先週は乗鞍スカイライン開通と乗鞍岳山開き祭の模様をお伝えいたしましたが、今週は乗鞍高原においてすもも祭が開催されました。一つ一つ行事を執り行う度に、季節が進んでいきますが、今年はスモモの開花が例年より1週間ほどはやく、残念ことに「葉桜状態」のスモモのもとでのお祭りとなりました。また、県道乗鞍岳線の除雪も大雪渓まで進み、乗鞍岳春山バスは27日より大雪渓まで運行されることが決まりました。この5月はいろいろなイベントが目白押しにあって、忙しい1ヶ月となりました。
5月23日(土)は、薄曇りですが、それでも遠景の山並みははっきりと確認でき、暑くもなく寒くもなく穏やかな一日。春スキーヤーばかりでなく、鶴ヶ池雪渓に訪れる夏スキーヤーの姿も見られ、少しずつ、季節がシフトし始める様子が見られます。除雪は大雪渓まで到達し、4号カーブの雪壁は切通の垂直部分で6.8メートル、最大で10メートルの高さがあって、最大値はほぼ昨年並みの状況です。
5月24日(日)は、早朝は曇り空でしたが、春山バス始発便が位ヶ原山荘に到着した8時過ぎからきれいな青空に恵まれました。のんびりと穏やかン雰囲気に包まれ、梅雨入り前の貴重な晴天と言える状況。乗鞍高原一の瀬園地では、第44回すもも祭が開催され、今回より山菜フェスタと同時開催となって、多くの方がお越しになりました。
<編集後記>
「2016年は至上もっとも暑い年の可能性」
米国NASAは、先月4月の世界の気温が観測史上最高を記録したと発表し、このまま推移すれば、「史上最も暑い年」となる可能性があると推測しています。
すでにお伝えしているように、大雪渓・稜線などは、例年になく積雪の少ない状況です。当WebSiteでは2001年からの様子をお伝えしていますが、それより前の1998年では、例年なら8月上旬ごろまで積雪がみられる大雪渓入口付近の積雪が、7月中旬ごろには完全になくなり、翌年の1999年では、これまで完全に融けずに残っていた大雪渓の奥(雪渓上部左側の一部)の積雪がなくなるほど、積雪が少ない状態がみられました。
この大雪渓の奥(雪渓上部左側の一部)の積雪は、翌年の2000年から今日まで融けずに16年間残っていますが、今年は冬の降雪量が少ないうえに、夏が暑いとなれば、「もしかすると今年は完全に消えてしまうのでは?」と、長年通い続ける常連スキーヤーも、早くから懸念を示しています。
確かに例年になく少ない状況ではありますが、これから秋までの雪解け状況は、これからの天候に大きく左右されるため、現時点ではわかりませんが、毎年お越しの夏スキーヤーの方々が、例年のように「夏のノリクラの生活」を続けられることを祈るしかありません。ここしか滑るところがないんですから...
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