ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.4(2016/06/04〜05) A

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(Update:2016/06/09)

 

【春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓に到着

春山バス始発便が到着した8時の大雪渓は6℃、少し薄い雲がかかり始めてきました。日差しはあっても暖かさはなく、やや肌寒い状況。

 

夏スキーヤーが続々と スコップは当然のアイテム!

例年ならば、稜線からの滑走を楽しむ春山スキーがハイシーズンとなっている時期ですが、稜線・大雪渓の雪解け状況が例年よりも1ヶ月以上も早く、お越しの方の7割近くは大雪渓でモーグルやポールトレーニングをされる夏スキーヤー。持参される道具もバーン整備に必要なスコップなども見られ、また、同じ夏スキーヤーであっても、種目によって滑走スタイル・バーンの選択に大きな違いがあります。

 

積雪は例年の7月中下旬並 「少ないなぁ〜」

細かな積雪状況はこの後の各コーナーでお伝えしますが、全体的には例年の7月中下旬並で、雪解け状況は週を重ねるごとにスピードを増している状況です。訪れたモーグラーも余りにも雪が少ない状況に唖然とする様子も...

 

稜線滑走できなくなっても行きますよ! 今シーズン最後のスキー、稜線に向けて出発

冬から通い続けているスキーヤーの中には、稜線からの滑走ができなくなれば、その後はコブの練習に切り替えるという方もいらっしゃいます。そして、いつもはご自宅付近でホタルが舞い始めると、スキーシーズン終了と決めていた右の常連スキーヤー。今年はあまりの雪の少なさに、ホタルを待たずに今週で終了...

昨年の10月にグリーンシーズンが終わって、その翌週から冬季閉鎖となった道路を延々と登って、山頂直下にわずかに積もった新雪スキーが今シーズンの開幕でした。昨年11月から7ヶ月に及ぶノリクラでのバックカントリーシーズンでした。

 

【大雪渓下部 T】 

大雪渓入口 縦溝が目立つ

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。大雪渓下部に限らず、稜線付近から大雪渓全般で、右の画像のように縦溝が大きく目立つようになってきました。週の初めにまとまった降雨があり、その影響によるものです。

これから雨量の多い時期になると、ご覧のような現象がよく見られ、バーン状況は再氷結による氷柱があらわれるなど、バーン状況は夏スキーの時期に向かって、悪化していくのが例年の傾向です。

 

今回と同じ積雪量の一昨年画像(7月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2014/07/26〜27) B
今回の大雪渓入口 − 岩の帯が横たわる
昨年より1ヶ月半早く、例年の7月中下旬並み

入口付近は雪解けが進んで、ご覧のように岩の帯が横たわるようになってきました。例年、7月中下旬に見られる現象で、昨年より1ヶ月半早い雪解けです。もちろん、近年ではこれだけ早期に発生した年はありません。なお、昨年の画像では、同じ状況のものがありませんでしたので、一昨年の画像と比較いたします。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬 8.5メートル)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.9(2015/07/04〜05) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2016/05/28〜29) A
今回の大雪渓入口
昨年より1ヶ月早く、例年の7月上旬並み

こちらは大雪渓入口隣の車道と接する部分。左上は今回とほぼ同じ積雪状態の昨年の画像(7月上旬)、右上は先週の画像、下は今回の画像です。雪渓の端は車道から7.5メートル離れ、昨年より1ヶ月早く、例年の7月上旬並みの積雪状況です。雪解けスピードは先週と同じです。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2015/06/19〜20) D
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2016/05/28〜29) A
先週の登山道入口
昨年より1ヶ月早く、例年の6月下旬〜7月上旬並み

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。昨年より1ヶ月早く、例年の6月下旬〜7月上旬の積雪状況です。先週は昨年より2週間早い状況でしたので、雪解けが早くなっています。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2016/05/28〜29) A
今回のモーグルコースの岩
昨年より1ヶ月半早く、例年の7月上旬並み

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

ただ、今年の厳冬期は積雪量が少なかったため、一度も姿を隠すことはありませんでした。昨年より1ヶ月半早く、例年の7月上旬並みの積雪量です。先週は昨年より1ヶ月早い状況でしたので、こちらも雪解けが早くなっています。

 

岩の下端から車道まで125メートル、滑走距離90メートル

モーグルコースの岩の下端から車道までの距離は先週より2メートル減少して125メートル。しかし、下端部分の雪解けにより、滑走距離は90メートル程度です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2016/05/28〜29) A
今回の石碑の岩
昨年より5週間早い雪解く、例年の7月上旬並み

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。昨年より5週間早い雪解けで、例年の7月上旬並みの積雪状況です。

 

チングルマも芽吹き始めた − 雪解け状況と同じく昨年より5週間早い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。よく見ると芽吹きが始まっています。雪解けは前述のとおり、昨年より5週間早い状況でしたが、芽吹きも昨年より5週間早く、雪解けに合わせて芽吹きが始まっていることがわかります。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今回の石碑の岩の下部のバーン
昨年より1ヶ月早い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、ご覧のとおり、中央部分の岩がみられるようになってきました。昨年より1ヶ月早い雪解けです。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬) 今回の雪渓中段
昨年より1ヶ月早い雪解け

さらには雪渓中段エリアでも中央の大岩の頭が見え始めてきました(青丸部分)。こちらも昨年より1ヶ月早い雪解けです。

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