ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2016/06/11〜12) A

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6 

(Update:2016/06/16)

 

【春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓に到着

春山バス始発便が到着した大雪渓の気温は10℃、若干薄い雲がかかるものの見事な青空。梅雨の時期は「雨さえ降られなければ御の字」です。ただ、春とは異なって日差しが強いため、晴れたら夏の暑さに注意が必要になってくる時期でもあります。

 

多くの方が出発準備のさなか...(→) 常連テレマーカー「蚕玉がつながっているので早く行かないと」

多くの方がまだ出発準備をされている中、いの一番で出発するのは、いつもの常連テレマーカー。「いや〜、蚕玉がつながっているので、早くいかなきゃ!」と、普段以上にピッチを速めます。

 

「雪のあるうちは...」 − ファーストトラック狙って もう大半が夏スキーヤー・夏ボーダーの方々

「雪があるうちはイジでも来ます。」と、常々おっしゃっていましたので、賞味期限間際となった稜線に向けて、本日のファーストトラックを狙って出発されました。今日はスキーヤー・ボーダーのほとんどが、大雪渓でトレーニングを繰り返す方々ばかりで、稜線方面に向かう方は数少ない状況でした。例年6月下旬ごろからバックカントリースキーヤーと夏スキーヤーの入れ替わりがみられますが、今年はすでに完全に入れ替わってしまった模様です。

 

全体的に7月中旬〜下旬並みの積雪状態
=過去に例を見ないほど少ない=

大雪渓内の各エリアの積雪状況はこの後のコーナーでそれぞれお伝えします。大雪渓は全体的には7月中旬〜下旬並みの積雪状況で、過去に例を見ないほど積雪の少ない状況です。

 

【大雪渓下部 T】 

大雪渓入口 縦溝がひどい

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。先週もお伝えしましたが、バーン表面の縦溝がひどくなっています。フリー滑走がまともにできない箇所も見られ、上部よりも下部のほうがひどい状況です。この縦溝は降雨による影響かと思われます。例年、6月中下旬ごろから発生しますが、これほどひどい縦溝は、7月にならないとみられません。

 

今回と同じ積雪量の一昨年画像(7月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2014/07/26〜27) B

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) A

今回の大雪渓入口
昨年より6週間早く、例年の7月下旬並み

入口付近からの様子。先週よりも岩の帯が大きくなっていますが、先週の状況から考えると、今週は下半分がなくなってもおかしくありません。蚕玉岳の滑走エリアで予想以上に積雪が残ってバーンが途切れずに残っていることと同様に、今週は予想よりも雪解けが進まなかったようです。しかし、積雪状況は昨年・例年とも6週間早く、7月下旬並みです。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬47メートル)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) A
今回の大雪渓入口
昨年より6週間早く、例年の7月下旬並み

岩の帯の先端から車道までの距離は車道からの距離は47メートル。昨年・例年とも6週間早く、7月下旬並み。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) A
先週の登山道入口
昨年より4週間早く、例年の7月中旬並み

 大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。昨年より4週間早く、例年の7月中旬並みです。

 

登山道 − この先、急斜面積雪90メートル モーグルコースの岩の左側を登って下さい

こちらから肩の小屋に向かう登山道が少しずつ姿を現してきたものの、この先に確認できるモーグルコースの岩までの急斜面区間には、約90メートルの積雪があり、例年7月下旬並みです。

 

積雪期は急斜面区間を迂回してもOK

先週までは登山道がほとんど見られませんでしたので、あえて登山道付近を歩く方はいらっしゃいませんでしたが、登山道が見えてくるとそちらを歩こうと思うのは自然なことです。ただ、登山道入口からモーグルコースの岩までは急斜面で、積雪期はあえてそちらを歩かなくても、雪渓内を歩いて行けばよいかと思います。

そのため、青線ルートのように大雪渓入口から、緩い斜面を選んでモーグルコースの岩方面に向かうことをお勧めします。ただ、これは雪渓下部に積雪が残る時期までのことで、無雪期の夏山シーズンになったら、登山道のルートから逸脱されないようお願いいたします。また、青線ルート上ではスキーヤー・ボーダーが滑走されている場合がありますので、徒渉は滑走者への配慮していただき、濃霧でモーグルコースの岩方面が不明瞭なら、正規の登山道から入山するようお願いいたします。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2016/06/04〜05) A
今回のモーグルコースの岩
昨年より1ヶ月早く、例年の7月上旬並み

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

こちらのモーグルコースの岩周辺も今週は雪解けが進んでいないため、先週は昨年よりも1ヶ月半早い状況でしたが、今週は昨年より1ヶ月早く、例年の7月上旬並みとなっています。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2016/06/04〜05) A
今回の石碑の岩
昨年より4週間早い雪解く、例年の7月上旬並み

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。こちらも今週は雪解けがあまり進まず、先週は昨年より5週間早い雪解けだったものの、今週は昨年より4週間早い状況にとどまり、例年の7月上旬並みです。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
今回の石碑の岩の下部のバーン
昨年より1ヶ月早い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、先週よりも中央の岩場が大きく雪解けスピードに変わりは見られません。そのため、先週と同じく、昨年より1ヶ月早い雪解けです。

 

チングルマ − 芽吹きがはっきりしてきた 昨年より5週間早い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週よりも芽吹きがはっきりしてきました。先週と同じく、昨年より5週間早い状況です。

 

雪渓中段全景

こちらは雪渓中段の全景画像。中央の大岩に注目してみると...

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.11(2015/07/18〜19) C
今回の雪渓中段の大岩
昨年より6週間早い雪解け、例年の7月中下旬並み

先週は昨年より1ヶ月早い雪解け状況でしたが、今週は昨年よりも5週間も早い雪解けで、このエリアは雪解けが早くなり、例年の7月中下旬の積雪状況です。この大岩だけでなく、周辺では岩の数が多くなってきました。この状態だと雪渓中段での滑走は恐らくあと1ヶ月程度と考えられ、例年なら8月上旬ごろに雪渓上部と雪渓下部が分断されますが、今年は7月上中旬と思われます。

■ 次のページは >>  Page3 【大雪渓下部 U、モーグルコース】 ■

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  Next>>