ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2016/06/11〜12) D

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(Update:2016/06/16)

 

【畳平に到着、畳平お花畑】

畳平

始発便の到着した7時30分すぎの畳平の気温は8℃、若干ひんやりした感覚はあっても、さむさを感じるほどではありません。上空は青空の雰囲気を感じさせるものに変わって来ました。

 

モーグラーの方々 オフシーズンも家族一眼となって練習の日々

訪れたのはスキーヤーの大半がモーグルの方。こちらのご家族は先シーズン以来の再会。ウインターシーズンは各地で転戦され、ノリクラシーズンは次のウインターシーズンに向けての充電期間...上手くなること・強くなることへのチャージが今日も始まります。

 

大雪渓へ

おそらく、ノリクラに訪れるスキーヤー・モーグラーの多くは、ヒトコブでも多く滑って技術向上を目指す方ばかり...アソビなんてレベルではありません。

 

お花畑は6月4日から一般開放 − 例年より1ヶ月早い

畳平のお花畑は、雪解けがほぼ完了したため、先週から一般開放されました。花が咲いたから一般開放されたわけではなく、雪がなくなり遊歩道を歩くのに障害がなくなったため一般開放されています。そのため、高山植物はまだ咲いていません。高山植物の季節は例年7月からですから、無理もありません。

 

入口付近 ショウジョウバカマがいち早く咲く

それでも、先週の一般開放から1週間経過すると、いろいろな変化を見つけることができます。まず最初に見つけたのはショウジョウバカマ。高山植物の中で最も早く開花する花です。開花後も花茎はどんどん伸びますので、開花してからどの程度 経過しているのかがわかります。こちらのショウジョウバカマは芽吹いて間もなく開花した模様で、花茎は10センチにも満たない状況でした。

 

ブロッコリーじゃありません(ハクサンイチゲの新芽)
=全体の3〜4割につぼみが=

パセリというかブロッコリーに見えるのがハクサンイチゲの新芽。よく見るとつぼみがみられます。全体の3〜4割程度の株でつぼみがみられました。

 

遊歩道分岐点 ミヤマキンバイも蕾〜開花状態

遊歩道をさらに進むと、ハクサンイチゲ以外の高山植物の開花も目にすることができます。こちらはミヤマキンバイ。

 

遊歩道折り返し地点 − 雪解けが最初に進む場所

こちらは遊歩道の一番奥の折り返し地点で、例年ならこの付近から徐々に東側(画像奥)に向かって雪解けしますが、今年は全エリアがほぼ同じ時期に雪解けしてしまったため、高山植物の進捗も全エリアで同じ状態ですが、やはり、奥の方が若干早い模様です。

 

ハクサンイチゲの開花

遊歩道の傍らに見せてくれたのがハクサンイチゲの開花。一番奥のエリアではいくつもの花がみられるようになってきました。

 

昨年同時期の畳平お花畑 − 昨年も雪解け箇所はすでに開花していました
2015 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2015/06/13〜14) C
=今年のハクサンイチゲの見頃は6月中下旬〜7月上旬と推測=

こちらは昨年同時期の様子。昨年も雪解けの早かったシーズンで、お花畑はちょうど今週に開放されました。高山植物の開花は雪解けが進んだ箇所については、今年よりも昨年のほうが早かった模様ですが、全体的に見ると、雪解け箇所は今年のほうが圧倒的に広く、開花している株やつぼみの数も今年のほうが多い状況です。そのため、今後の開花・見頃もおそらく早く、ハクサンイチゲの見頃は6月中下旬〜7月上旬で、その後、ミヤマクロユリなどの群生が楽しめるはずです。

 

【畳平周辺】

不動岳 鶴ヶ池

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は、畳平の東にある鶴ヶ池。

 

昨年の不動岳
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2015/06/13〜14) C
昨年の鶴ヶ池
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2015/06/13〜14) C
=今年は昨年並みで、例年より2〜3週間早い雪解け状況=

こちらは昨年同時期の模様ですが、今年は昨年並みで、例年より2〜3週間早い雪解け状況です。

 

お花畑 昨年より2〜3週間早い雪解け
=先週よりも雪解けスピードが速くなっている=

こちらはお花畑の様子。遊歩道部分が完全に雪解けし、6月4日(土)に一般開放されました。先週と同様、昨年より2〜3週間早い状況です。

 

富士見岳

大雪渓側の積雪状況はこの後お伝えしますが、例年より1ヶ月以上早い雪解けを示すものの、畳平周辺は2〜3週間にとどまっています。

 

【畳平から肩の小屋へ】

昨年の肩の小屋・コロナ観測所分岐点
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2015/06/13〜14) C
先週の肩の小屋・コロナ観測所分岐点
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) D
今週の肩の小屋・コロナ観測所分岐点
昨年1週間遅く、例年並み

畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。分岐点から肩の小屋方面、そして、その先の稜線に向かう登山道までは、昨年よりも積雪量が多い状態がみられます。

今週はほとんど雪解けが進んでいないため、昨年より1週間遅い雪解けで昨年並みとなりました。

 

大雪渓 位ヶ原方面
今回と同じ積雪量の一昨年画像(6月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.8(2014/06/28〜29) D
今回と同じ積雪量の一昨年画像(6月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2014/06/28〜29) D

こちらの大雪渓全景と位ヶ原方面の撮影は6月末で終了するため、下段の6月末以降の画像はなく正確に比較できないものの、昨年より2週間早い雪解け状況で、例年の6月下旬〜7月上旬並みの積雪状況です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(6月中下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2015/06/19〜20) B
今回の肩の小屋周辺
昨年より2週間早く、例年の6月下旬並み
今回と同じ積雪量の昨年画像(6月中下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2015/06/19〜20) B
今回の肩の小屋周辺
昨年より2週間早く、例年の6月下旬並み

肩の小屋周辺に関しては、東側は昨年より2週間早く、例年の6月下旬の状況。

 

肩の小屋 西側・南側 − 完全に雪解け

そして、西側・南側は完全に雪解けが完了しました。

 

キバナシャクナゲが満開(肩の小屋南側)

先週から開花を始めたキバナシャクナゲ。肩の小屋の東側で先週咲き始めましたが、今週は南側の土俵ヶ原から続く肩の小屋南側で一斉に咲き始めました。淡いクリーム色に透明感があって、葉の緑をバックにきれいに映えています。昨年も同じ時期に開花していますが、今年のほうが若干早い状況です。ただ、雪解けのように極端に早いわけではありません。

 

黄色いもの(左)とピンクのもの(右)
=成熟するとピンクへ変化=

さて、こちらの二輪のキバナシャクナゲ。左は黄色系で右はピンク系の色合いです。どのキバナシャクナゲも最初は黄色ですが、受粉・成熟するとピンクへと変化します。

雄しべ・雌しべの両方を持つ両性花では、自家受粉を避けるため、雄しべが先に花粉を放出した後、雌しべが成熟して他の花粉で受粉します。そのため、左のキバナシャクナゲでは雄しべはまだ花粉が残っているのに対し、右のキバナシャクナゲでは雄しべに花粉が残っていない様子もうかがえます。

 

【肩の小屋から稜線へ】 

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) E
今回の肩の小屋〜山頂の登山道
積雪箇所は先週より50メートル先に

雪解けは先週よりも50メートルほど先に進み、雪解けスピードとはほとんど変わっていません。

 

登山道上に積雪がありますが、左側を歩けばよい

朝日岳直下まであと数百メートルのところですが、登山道左側は雪がありませんので、あえて雪の上を歩く必要はありません。

 

肩の小屋から稜線への登山道全景(朝日岳)
積雪区間60メートル(赤線)

こちらは速報で掲載した画像ですが、実際に雪の上を歩く必要があるのが赤線部分です。

 

積雪区間 − 下りはアイゼンがあったほうがよい

左の画像はちょうど積雪部分に差し掛かったところ。この先の折り返すところまで40メートル、折り返してから15メートル、合計積雪区間は60メートルです。登りはよほど冷え込んで固くなければ、登りはアイゼンの必要性は少ないと思いますが、下りに関しては、アイゼン装着されたほうがよいでしょう。

 

赤線以降の稜線方面は積雪ありません

赤線を抜けると再び岩場の登山道です。この先はもう積雪はありません。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2015/06/06〜07) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) E
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年とほぼ同じ、例年並みの積雪

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年とほぼ同じ状態で、例年並みの雪解けです。

 

昨年の権現ヶ池
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2015/06/06〜07) D
先週の権現ヶ池
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2016/06/04〜05) E
今週の権現ヶ池
昨年より2週間早く、例年より3週間雪解け

こちらは御岳の二ノ池に次いで国内2番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。昨年より2週間ほど早い雪解けで、例年より3週間程度早い雪解けです。

 

昨年の権現ヶ池
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2015/06/06〜07) D
先週の権現ヶ池
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2016/06/04〜05) E

今週の朝日岳
昨年1週間以上早く、例年の6月下旬〜7月上旬並み

朝日岳は昨年より1週間以上早い雪解けで、例年の6月下旬〜7月上旬並みの積雪状態です。

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