ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2016/06/11〜12) E

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(Update:2016/06/16)

 

【頂上小屋、越冬酒蔵出し】

乗鞍岳頂上小屋 − 越冬酒蔵出し

こちらは標高3026メートルの乗鞍岳主峰 剣ヶ峰直下にある乗鞍岳頂上小屋。昨年10月から一冬寝かせた日本酒の蔵出し作業が行われました。

 

ワンゲル部の学生が背負子で荷卸し

日本酒は低温で貯蔵すると味がまろやかになるといわれ、最低気温がマイナス15℃以下に及ぶ厳冬期を利用して毎年行われ、四合瓶(720ml)×300本が寒中保管されました。今日はワンゲル部の大学生がボランティアとして荷卸しに参加です。

 

背中には総重量25kg 雪道の下山は慎重に

ひと箱に四合瓶×12本が梱包され、背負子に二箱積み上げられると総重量は25kgにも及びます。縦走などを考えると特別重いわけではないものの、中身がガラス瓶であり、雪道の下山ですから、いつもの山行とはわけが違います。

 

途中で交代

背負子2人に補佐1人の3人体制で、途中で交代です。

 

「持ちあがらないよ!」 「重たかった〜〜」

普段から背負いなれているとはいえども、やはり肩にずっしりと来るもの...「重たかった〜。荷物下ろしたら宙に浮く感じ!」と、凝った肩を揉みほぐします。

 

今後、高山市内の酒蔵から販売

頂上小屋から荷卸しされた越冬酒は、製造元の高山市内の酒蔵に届けられ、今後、店頭で販売されるとのことです。(高山市三上之町 船坂酒造店)

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】 

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線付近 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

 こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

先々週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2015/06/06〜07) D
今回の蚕玉岳山頂付近
昨年より2週間遅く、例年並み

蚕玉岳山頂付近は、先週から高さ1メートルほどの雪解けがみられ、昨年より2週間遅く、ほぼ例年並みの状況です。

 

滑走エリアに岩がかなり出現 幅は90メートル

 稜線直下の横幅は90メートルと、先週とそれほど変わりませんが、滑走エリアに岩がかなり出現しています。

 

昨年の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2016/06/04〜05) F
今回の位ヶ原
昨年とほぼ同じかやや早い、例年の6月中旬並み
昨年の剣ヶ峰直下の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2016/06/04〜05) F
今回の剣ヶ峰直下の岩
昨年とほぼ同じ、例年の6月下旬並み

上段の位ヶ原は昨年とほぼ同じかやや早い状況で、例年の6月中旬の積雪状況。下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、昨年とほぼ同じで例年の6月下旬の積雪状況です。両者とも今週の雪解けスピードに大きな変化は見られません。

 

拡大

岩の頭の出現場所(赤丸箇所) 岩の頭の出現場所(拡大)

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ(赤丸部分)。3週間前からバーン中央に岩の頭が出現し、バーンはかろうじてツなっています。

 






狭小箇所 − スキー1台分 狭小箇所 − 歩いて渡る必要があります
=これで今シーズンの稜線滑走は終了です=

狭小箇所は二ヶ所あって、左が一番上にあるところで、スキー1台分(2枚分)の幅しかありません、その下は右の画像のとおりで、こちらは板を履いたままでは無理です。朝日岳方面の滑走が先々週で終了してしまい、蚕玉岳からの滑走エリアもご覧のとおりですから、今シーズンの稜線滑走はこれですべて終了となります。

 

県道乗鞍岳線に到達−高さ20センチ、過去最低

稜線から約1kmのバーンを滑り降りると県道乗鞍岳線に到達し、ここで終了です。積雪は20センチにまで減少してしまいました。

2015年は80センチ、2014年は2.5メートル。2013年は1.8メートル、2012年は3.4メートル、2011年は1.7メートル、2010年は2.3メートルで、過去最低の記録を今年は更新してしまいました。

 

【昨年の今ごろは?】

2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2015/06/13〜14) @

6月8日(月)に梅雨入り発表され、これからはぐずついた天候がつづき、せっかくのロケーションも少しの間は楽しめない状況が続くかもしれません。しかし、この週末は梅雨入りを忘れさせるような天候に恵まれました。

6月13日(土)は、朝一番からきれいな青空が広がり、さわやかな乾いた空気に包まれます。10時過ぎから雲が広がり始め、蒸し暑さを感じる状態も見られましたが、そよ吹く風に涼しさが再び流れてくれます。天候は薄曇りといった状態が続き、ほとんど日差しもなくなるものの、それ以上の悪化はなく、梅雨とは全く無縁の状況が夕方まで続きました。

6月14日(日)は、朝一番は青空があったものの、時間とともに山麓から雲が湧き上がるようになります。霧が流れてくるとひんやりした空気に包まれて、汗が引いて行く感覚があって、暑さしらずの一日でした。雪解けの早い今年は高山植物の芽吹きも早く、畳平のお花畑では雪解けの進んだ箇所では例年より2週間早く開花が始まったため、一般開放に向けて積雪の残る入口付近の除雪が行われました。

先月は昨年よりも2週間から1ヶ月程度早い状況が見られましたが、このところは全体的に雪解けスピードが遅くなり、先週の予測よりも稜線付近の積雪が残ったため、蚕玉岳や朝日岳からの滑走は可能な状態が保持されました。稜線付近の雪解け状況は、先週と変わらず昨年より2週間前後早く、大雪渓付近も先週と変わらず昨年より1週間程度早い程度にとどまっています。そのため、夏スキーのメインステージである大雪渓においては、例年と遜色ない積雪量と考えて差し支えないレベルに落ち着いて来たといってよいでしょう。

 

<編集後記>

「本格的な梅雨に入る前に,レインウェアのチェックも...」

レインウェアは、雨にならないと使用しないものなんですが、防寒着としても結構役立ちます。特にこれからの時期は、雨具と防寒着を両方とも持参するよりも兼用される方が多いのではないでしょうか?

現在主流となっている、ゴアテックスなどの透湿性のレインウェアは、機能性の生地(フィルム)が何層貼り合わせてあります。「ゴアテックスがシミテックスになる」という経験をお持ちの方も多いと思いますが、使用中に内部のフィルムが剥離したり破れたりすると、レインウェアとしての機能を果たさなくなってきます。ですから、服の裏からフィルムの状態を確認することをお勧めします。特に腕回りやパンツのお尻から股にかけては、生地に負荷がかかる部分で剥離・破損しやすい場所です。

薄くて軽い生地ほど機能的には良いものの、長く使うには耐久性に難がありますので、本格的な雨の時期に入る前に、今一度、レインウェアのチェックもしておいたほうが良いでしょうね...

 

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