ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2016/07/02〜03) A
【大雪渓に到着】
気温13℃、寒い!アウターを着る | 大雪渓でシャトルバスは転回 |
大雪渓の気温は13℃、各地で真夏日が記録される中、暑さとは無縁どころか、寒くてアウターを着なければいけないほど...大雪渓までの運行のため、シャトルバスは大雪渓駐車場で転回します。なお、翌3日(日)は濃霧に加えて、強風・横殴りの雨に見舞われ、今日以上の悪天候でした。ちなみに3日(日)は各地で猛暑日が記録され、東京では35.0℃を観測し、今年初の猛暑日でした。
冬季閉鎖が解除され、マイクロバスでお越しのグループも多い |
6月までの冬季閉鎖中は、春山バスなど特別な許可の下りた車両のみが通行できる状況でしたが、7月から冬季閉鎖が解除され、バス・タクシーであれば、特別な許可なしで通行可能となり、スキーヤー・ボーダーのグループがマイクロバスで大雪渓にお越しになっています。
前のページでもお伝えしたように、ナンバープレートの分類番号が「2×、2××」の車両であれば通行可能です。大型バス・マイクロバスの違いや自家用の白ナンバー・事業用の青ナンバーの違いはありません。ただし、ベースの車両がバス・マイクロバスであっても、ナンバープレートの分類番号が「2×、2××」以外のもの(8×、8××)は、通行できませんのでご注意ください。
大雪渓(滑走エリア)は駐車場のすぐ隣 |
用意ができたら大雪渓に...駐車場のすぐ隣が大雪渓ですので、シャトルバス到着後、すぐに滑走可能です。この時期、滑走可能な場所は国内にまだ存在しますが、これだけ利便性の良い場所は、ノリクラ以外には存在しないと思います。
剣ヶ峰登山へ | 登山口は大雪渓入口の50メートル北側 |
大雪渓にお越しになるのは、スキーヤー・ボーダーだけではありません。大雪渓入口から北側に50メートル先に登山道入口があり、ここから剣ヶ峰を目指す方もたくさんいらっしゃいます。特に今回はシャトルバスが大雪渓での折り返し運行で、畳平まで行きません。やはり畳平からスタートするという考えが一般的なんでしょうけど、実質的には大雪渓の登山道入口から剣ヶ峰に向かう場合と、畳平から剣ヶ峰に向かう場合とでは、所要時間にほとんど差がありません。
残雪を登る |
ただ、この時期は大雪渓登山道入口から数十メートル登ったところに残雪が残っていて、それを回避するために畳平を選択されるケースもあります。
例年なら全面積雪なのに今年は40メートルだけ − 7月下旬〜8月上旬並み |
しかし、今年は雪解けが早く、例年だと入口から大半の区間が積雪に覆われている状況が、現時点で積雪区間は40メートルしかなく、7月下旬〜8月上旬並みの状況です。踏み跡もしっかりついていますので、よほどのことがない限り問題なく登ることが可能ですが、冷え込んで固く締まったコンディションの場合はアイゼンがあったほうがよいでしょう。
この区間を過ぎると、肩の小屋までの登山道には積雪はなく、また、肩の小屋から頂上方面も、今年は完全に積雪がなくなっています。
【雪渓下部 T、雪渓中段】
大雪渓入口 | 細かなピッチ・氷柱はあるが、そのままでの滑走も問題ない |
ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。バーン表面のコンディションは、細かなピッチ・氷柱があるものの、そのままフリー滑走しても大きな支障となる状態ではありません。ただ、ポールをセットしたり、グループで滑走練習される場合は、鍬等で整備されたほうがよいでしょう。
【長野県安全登山条例について】 | |
大雪渓入口に新たな看板が設置 | 【画像拡大:7月より登山届が義務化されました 】 |
大雪渓入口には、新たにこんな看板が設置されました。7月からは登山届の提出が義務化されたことを案内する内容です。登山届義務化の概要については、 お知らせ − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。
長野県は、「長野県安全登山条例」を昨年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を4月11日に決定し、昨日7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。
条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。
ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。また、大雪渓でのスキー・ボードは、肩の小屋口登山道を利用しているものと解釈され、登山届の提出が必要です。
【ご注意:実際の登山道入口は大雪渓入口から車道を北へ50m先にあります】 | |
おそらく、この看板は設置場所の問題からここに建てられたものと思われますが、肩の小屋口登山口は大雪渓入口とは異なり、この画像より車道を北へ50メートルのところにあります。
今回とほぼ同じ積雪量の昨年画像 2015ノリクラ雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
今週は雪解けがあまり進んでいない模様で、雪渓下部は全体的には、昨年より5週間早く、例年の8月上旬〜中旬並みの積雪状況です。
今回と同じ積雪量の昨年画像(8月上旬65メートル) 2015ノリクラ雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
今回の大雪渓入口(65メートル) 昨年より5週間早く、例年の8月上旬〜中旬並み |
岩の帯の先端から車道までの距離は車道からの距離は先週の63メートルから65メートルの微増。昨年より5週間早く、例年の8月上旬〜中旬並みの状況です。
今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬) 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) B ↓ |
先週の登山道入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
先週の登山道入口 昨年より3週間早く、例年の7月下旬並み |
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。昨年より3週間早く、例年の7月下旬並みの状況。
今週の登山道入口(隙間9メートル) 昨年より3週間早く、例年の8月上旬並み |
車道との間の隙間は先週と同じく9メートル、昨年より3週間早く、例年の8月上旬並みです。
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登山道脇の高山植物 | シナノキンバイが満開 昨年より2週間早く、例年の7月下旬並み |
大雪渓から肩の小屋に向かうこちらの登山道は、間近に高山植物を眺めることができる登山道です。畳平のお花畑はハクサンイチゲ、ミヤマクロユリの群生が見事ですが、こちらの登山道は数々の高山植物を手に取る距離で見られるところが特徴です。
登山道脇に咲くのはシナノキンバイ。昨年より2週間早く、例年の7月下旬並みの状況です。
積雪区間は40メートル、場合によってアイゼンが必要 |
この時期の大雪渓〜肩の小屋登山道は、ご覧のように積雪箇所があります。例年7月下旬から8月上旬まで見られます。現在の積雪区間は40メートルほどで、例年の7月下旬並みの状況。おそらく、次週末にはかなり短くなり、雪解け状況によっては岩の間に点在する程度になっていることと思います。
今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬) ノリクラ雪渓カレンダー Vol.12(2015/07/25〜26) B ↓ |
先週のモーグルコースの岩 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
今回のモーグルコースの岩 昨年より3週間早く、例年の7月中下旬並み |
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
今週は雪解けがあまり進まず、昨年より3週間早く、7月中下旬並みです。
今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬) 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) B ↓ |
先週の石碑の岩 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
今回の石碑の岩 昨年より3週間早く、例年の7月下旬並み |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。昨年より3週間早い状況で、例年の7月下旬並みです。
チングルマ−開花、花弁が落ちる、昨年より3〜4週間早い状況 |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週、開花しましたが、今週は花弁が落ち始めました。昨年より3〜4週間早い状況です。こちらのチングルマは大雪渓の中でも進捗が早い方で、まだ咲き始めていないもののほうが多いかと思います。
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今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬) 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) B |
今回の石碑の岩の下部のバーン 昨年より3週間早い雪解け、例年の7月下旬並み |
石碑の岩の下部のバーンでは、中央部分の岩やその周辺の状況から、昨年より3週間は早く、例年の7月下旬並みの積雪状況です。
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今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2015/07/25〜26) B ↓ |
今回の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所) ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2016/06/25〜26) A ↓ |
今回の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所) 昨年より3〜4週間早く、例年の7月下旬並み |
石碑の岩の南側には雪渓上部から雪渓下部へ滑り降りるエリアがあります。昨年より3〜4週間早く、例年の7月下旬並みの状況で、今週は積雪が一部でなくなったため、雪渓上部から下部への滑り込みができなくなりました。
雪渓上部から雪渓下部への滑り込みは、北側の雪渓中段へ回るルートもありますが、こちらも雪渓上部右側と雪渓中段の部分で分断が始まり、滑り込みができなくなりました。そのため、一旦、スキー・ボードを外す必要があります。
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今回と同じ積雪量の昨年画像(8月下旬) 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2015/08/22〜23) B |
雪渓上部右側の下端部分 昨年より6週間も早く、例年の8月中旬並み |
大雪渓全体で特に雪解けが激しいのが雪渓上部と雪渓下部をつなぐ部分で、昨年より6週間も早く、例年の8月中旬並みの状況になっています。
昨年より8週間も早く、例年の8月下旬並み |
特に雪渓上部の下端部分に当たるこちらでは、昨年より8週間も早く、例年の8月下旬並みの積雪状況です。
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