ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2016/07/30〜31) D
【雪渓上部 U、モーグルバーン】
雪渓上部左側 − 上級者限定 |
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアですが、入口から最も遠く急斜面であるため、他のエリアが滑走できなくなる8月上旬以降にならないと、こちらで滑走するモーグラーはいません。今年は早々にコブ管理人がモーグルコースを作成し、滑走可能な状態に仕上げています。
今年は例年になく雪解けが激しく、他のエリアでの滑走が困難となり、モーグラーだけでなく、アルペンレーサーも多数お越しになり、雪渓上部左側のほぼ全域で滑走されていました。しかし、雪渓上部左側で安全に滑走できるのはモーグルコースのある右寄り部分と一番奥の左寄り部分で、中央付近は傾斜が強いため滑走には適しません。まだ7月ということもあって、現時点では雪が柔らかく、滑走に問題ないところ状態で、これがお盆近くになるとバーンが硬くなり、バーン表面のギャップもひどくなって滑走困難な状況も考えられます。そのため、急斜面を滑落の危険性があるため、初心者の方の滑走は困難ですのでご承知ください。
今回の雪渓下端 |
今回と同じ積雪量の2013年画像(10月下旬) 2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.25(2013/10/26〜27) B |
今回と同じ積雪量の2014年画像(10月中旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2014/10/11〜12) B |
雪渓下端は落書きの岩よりも上方40メートルのところにあって、昨年は10月末の時点で、これよりも積雪が多い状態でしたので比較することができません。また、2014年より10週間早く(先週は7週早く)、2013年より11週間早い(昨年は9週早い)状態で、シーズン終盤の状況になっています。
滑走バーンレイアウト(@〜E) 赤枠:アイスバーン、グレ−:滑走不適 |
今回は右寄り部分にモーグルバーン2本(@・A)、中央部分にモーグルバーン1本(B)とポール1張(C)、左寄り部分にアルペンボード(D)とポー一張(E)という構成でした。
赤枠部分は凍結していて、ハイクアップ時には滑落の危険性がありますのでご注意ください。また、中央のグレー部分は斜度が強すぎるため、滑走はお勧めしません。
@・Aのモーグルバーン |
こちらは右寄り@・Aのモーグルバーン。
ブレークタイム |
モーグルバーンの説明をする前に少しブレークタイム...
同じように埋めてあって、間違えて他人のビールを... |
常連の皆さんは、お昼休み用に缶ビールを雪に埋めて冷やしておきます。でも、色々なところに同じように埋めてあって、どこに自分のビールを埋めたのか区別がつかなくなり、間違えて他人のビールを手にすることも...
でも同じ長屋の住人ですから全く問題なし |
しかし、そんなことがあっても、同じ長屋住む住民のようなものですから、全く問題にはなりません。そして、いつものようにお昼休みの乾杯!これが楽しくて大雪渓に毎週通い続けてしまいます。
@のライン − 長さ32メートル×9コブ |
@ 一番右側のモーグルラインは、長さ32メートル×9コブ。6月下旬に作成されたコブで、長さは半分以下になっていますが、今年の激しい雪解けにも関わらず残っているとは驚きです。
Aのライン − 長さ38メートル×10コブ |
そして、Aのモーグルラインは長さ38メートル×10コブです。
上端付近の様子を確認します。
上端部分 |
先週から50センチ程度の雪解けし、雪解けスピードとしては平均的です。
|
|
今回と同じ積雪量の2013年画像(8月中旬) 2013ノリクラ雪渓カレンダー Vol.15(2013/08/14〜17) D |
今回と同じ積雪量の2014年画像(8月中旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2014/08/13〜16) D |
=2週間早い雪解け、それでも他のエリアよりも例年との差が少ない= |
昨年・一昨年より2週間早い状況。これでも、他のエリアと比較すると差がかなり小さいといえます。
上端から−雪渓下端まで83メートル 2014年より9週間も早い雪解け、2000年以降最も短い |
雪渓上部左側の上端から下端までの距離は先週の91メートルから83メートルに。昨年はこれより短い状態にはなりませんでした。2014年より9週早く(先週は8週間早く)、2013年より11週間早い(先週も11週早い)状態となり、10月中旬並みの状況で、2000年以降最も短い状態です。
【雪渓上部 V、ポールバーン】
Cポールバーン |
中央部分のポールバーン。
今日もマンツーマンで |
今日もポールを設置して練習開始。こちらのグループは昨年も10月末までお越しになっていて、ある程度状況を把握されてポール設置されています。
これからの時期はヘルメットは絶対必須 |
最近はゲレンデ内でもヘルメット着用のスキーヤーが多くなりましたが、これからの時期の雪渓上部左側は、ヘルメットが必須といえる状態です。
安全に滑走できる対策を重ねる |
こちらのグループではゴール付近に、安全対策としてネットを2重に張っています。
Dアルペンボード |
そして、左寄り部分のDではアルペンボードの方々。
下端のアイスバーン − 階段を作るだけで大変! |
まず最初に難航したのが、赤枠で示す下端部分のアイスバーン。ここを登ることができず、滑走部分にたどり着けません。アイゼンを装着してピッケルで階段をつけますが、それだけで1時間ほどかかってしまいます。
Eポールバーン |
そして、Eは最も左寄りのボールバーン。
他よりも斜度が緩い | スキーを脱ぐ場所を作る(滑落防止) |
他の@〜Dよりも斜度が緩いものの、ゴールエリア付近はアイスバーン状態になっていて、スキー板を脱ぐ段階で滑落する様子もあり、斜面を削って平坦部分を作り、そこで板を脱ぐようにされていました。
ここは上から小石が絶えず落ちてくる − 丹念に拾ってバーン整備 |
右の画像の雪渓の上をご覧になるとお分かりかと思いますが、上部は砂礫地となっていて、絶えず小石が雪渓に落ちてきます。今回も丹念に小石を拾ってバーン整備されたそうです。
青氷 − バーンが薄くなってきた証拠 |
しかし、下端付近はご覧のように青氷になってきていて、バーンが薄くなってきた様子がうかがえます。今後、雪解けが進むと、滑走困難いなる可能性があります。
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|