ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.13(2016/08/06〜07) A

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(Update:2016/08/11)

 

【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景U(位ヶ原山荘〜大雪渓)】

位ヶ原山荘 湧き水は給水ポイント

観光センターから約15km、標高2350メートルの位ヶ原山荘。ヒルクライム・登山の中継ポイントで、多くの方が立ち寄って一休みです。道路の反対側に湧き水が引かれていますので、ボトルが少なくなったらここで補給しましょう。

 

満載の荷物に興味津々
「えぇ〜っ、毎日登ってきているのか?すごいな〜」 「大雪渓にボードやりにいってるの?」

乗鞍高原から登山道をお越しになる方も結構いらっしゃり、そんな登山客にとって荷物満載の自転車は興味津々...色々な方に声をかけてもらえるのもチャリダーの特権で、すぐに仲良くさせてもらうことができます。

 

夏休みに入ったら自転車で乗鞍に行きます!
=本当に来ちゃいました=

何年かブランクがありましたが、毎年春山バスで稜線からのスノボにお越しになっていて、今年の6月にお会いした際には「夏休みに入ったら、自転車でノリクラに行きます!」と、おっしゃっていましたが、本当に来ちゃいました。

今回の挑戦のために自転車を購入。自宅から4日かけて、8月3日(水)に乗鞍高原に到着しました。今週は週の前半に大雨が続き、道中はかなり大変だったとのこと。観光センター駐車場に到着した時は、おそらく「捨て猫」のようなひどく哀れな状態だった模様で、見ず知らずのスキーヤーの方に「車に入れ!」と緊急避難させてもらったとのこと。また、一緒に寝泊まりした日本一周チャリダーの方々とも親しくなって「ロードバイクのほうが絶対いいから、ウチにあるやつ、送ってあげるよ!」なんて思わぬ展開もありました。

「一人旅じゃないと、こんなにみんなに親切にしてもらえなかったように思います。」
今回の旅行での色々な出来事について、彼はこんなことを呟きました。毎年、再会するたびにその成長ぶりを拝見いたしますが、今回はその様子を目を細めて眺める筆者がそこにあったことだけお伝えします。

 

今日のような天気のために用意されたステージ 「達成感」という目標を目指して駆け抜ける

...さて、話を元に戻して、位ヶ原山荘を超えると森林限界。景色は一遍して、まさに今日のような天気の日のために用意したステージが待っています。ランナーもヒルクライマーも、手段は違っても「達成感」という目標を目指して駆け抜けます。

 

エンジンをうならせながら登るシャトルバス バスと変わらぬスピードで走りぬく2台のロードバイク

急峻なヘアピンカーブをエンジンをうならせながら走るシャトルバス。それとほぼ同じスピードで走りぬく2台のロードバイク...いや!本当にバイク(オートバイ)じゃないか!と思うほどのスピード。他のヒルクライマーがスローモーションのように見えるほど..(いったいナニモノだ!)

 

この二人なら早いわけだ!

この2枚の画像を見て「あぁ〜納得」と思われた方はヒルクライム通...やはり次元の違う走りを実際に見るべきですね...

 

初めての自転車旅行に加え、初めてのノリクラヒルクライム

ボードブーツ、ボードウェア、着替え・食料・飲み水など、この1週間の生活物資を一切合財を積込み、初めての自転車旅行でノリクラのヒルクライムをちゃんと登ることができるかどうかもわからない状態でしたから、かなり勇気が必要だったと思います。

 

大雪渓到着 − 先ほどの登山客と再会

大雪渓に到着し、スノボの準備をしていると、先ほどの登山の方も到着。

 

思わず感激してしまうのは「大人」の方なんですね〜。ほっとけない...

こういう時に思わず感激してしまうのは「大人」の方...脳裏にフラッシュバックするものがあるから、ほっとけないですよね。

 

日本一周のチャリダーも大雪渓に 自由奔放とは「偶然性を求める探求心」

ひと足遅れて到着したのが、先ほどの日本一周のチャリダー。「大雪渓で会えるかと思ったけどひと足おそかったかぁ〜」と残念そう。でも、「またどこかで会えるさ〜」

そういう偶然性が旅にはつきもので、自由奔放とは「偶然性を求める探求心」から生まれて来るものかもしれませんね。

 

【大雪渓入口に到着、俊足のヒルクライマー】

大雪渓入口 常連スキーヤー「雪少ねぇ〜」

さて、大雪渓入口は、大雪渓での夏スキーを楽しむスキーヤーが集まる場所ですが、バス停があって、車道と登山道が交差していて、さらには避難小屋・トイレもあり、云わば「交通の要所」的な要素があるため、多くの方々と出会う場所でもあります。

 

WebSiteはいつも見てます − 年に1回でもすでに27年間

「年に1度しか夏スキーには来られませんが、WebiSiteはいつもみてますよ。」と、おっしゃるこちらの方。「毎年1回は来るようにして、今日このようにノリクラに来ることができましたので、27年間継続できたことになります。」

 

今年はこれで最後の夏スキー 来年また! − 28年目を

今年はこれで最後の夏スキー。来年もまた、28年目のノリクラでお会いできることを楽しみにしています。

 

先ほどの俊足の二人 下山途中で足を止めてくださいました

さて、先ほどの俊足の二人。畳平まで走り抜け、下山の途中で足を止めてくださいました。

 

森本 誠 選手、矢部 周作 選手
=今日は二人でトレーニング=
「ノリクラはいいですね〜、下界じゃ暑くて走れませんよ」
=よき友・よきライバル=

「ノリクラはいいですね〜下界じゃ暑くて走れません。路面近くで45℃なんて信じられない状態ですから。」と、おっしゃるのは森本 誠選手と矢部 周作選手。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に向けて今日も練習中。トップレベルの走りを維持・更新には、お互いを切磋琢磨し続けなければならず、「よき友・よきライバル」なんでしょう...きっと。

 

【雪渓下部、雷鳥の親子】

大雪渓入口

それではここからは大雪渓の積雪状況をお伝えしますが、一番下の車道に面した雪渓下部は、先週の段階で積雪が完全になくなりました。2000年以降では最速の雪解けでした。

 

【長野県安全登山条例について】
大雪渓入口に新たな看板が設置 【画像拡大:7月より登山届が義務化されました】

大雪渓入口に設置された「肩の小屋口登山口」の看板は、7月からは登山届の提出が義務化されたことを案内する内容が記されています。登山届義務化の概要については、 お知らせ−7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。

長野県は、「長野県安全登山条例」を昨年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を4月11日に決定し、昨日7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。

条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。

ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。また、大雪渓でのスキー・ボードは、肩の小屋口登山道を利用しているものと解釈され、登山届の提出が必要です。

【ご注意:実際の登山道入口は大雪渓入口から車道を北へ50m先にあります】

ご注意:実際の登山道入口は車道を北へ50m先にあります

実際の肩の小屋口登山口

おそらく、この看板は設置場所の問題からここに建てられたものと思われますが、肩の小屋口登山口は大雪渓入口とは異なり、この画像より車道を北へ50メートルのところにあります。

 

 

石碑の岩 チングルマ

こちらは石碑の岩。いつもお伝えしているチングルマは先週とほぼ同じ状態で、まだ綿毛が幾分の残っている状況。昨年より7週間早い状態です。もうここまで来るとこれ以上の変化はなく、今後は紅葉の始まりが昨年と比べてどうなのか?という点に着目して行くこととなります。

 

今年の高山植物は、見頃がやや長い

今年は高山植物が早いものの、例年と比べて見頃の期間が若干長めであるような気がします。

 

綿毛のチングルマ − 風に吹かれてキラキラ光る

花の終わったチングルマ。風に吹かれてキラキラと輝く様は魅力的。

 

何がいるかな〜

さて、この場所に何がいるかわかりますか?(スマホゲームではありません。)

 

雷鳥の親子(左:雛、右:親鳥)

雷鳥の親子が高山植物をついばんでいます。草原の中にもぐりこんで、その姿はかなりわかりにくいもの。「雷鳥を見たい!」と、お越しになる方が多いのですが、もしかすると、すぐ目の前・足元にいても、その存在に気づかないだけかもしれませんね。

 

クークーと鳴いて雛を呼び寄せる 親鳥の足環

雌親はクークーと鳴きながら雛たちを呼び寄せます。そして、親の足環から以前ご紹介した親子であることがわかります。(→ノリクラ 雪渓カレンダーVol.11(2016/07/23〜24) C) まだ、2週間しか経過していませんが、雛は一回り大きくなっている模様でした。

雷鳥は絶滅危惧種Tb類(近い将来に絶滅の危険性の高い種)に指定されています。一度絶滅してしまうと、トキのように莫大な費用をかけて保護・繁殖させなければなりません。そうならないためにも、一般人ができることは可能な限り取り組むことが必要です。

【カラス対策 − 絶対にザックから食べ物・レジ袋を放置しないこと】
雷鳥にとって、鳥類の中では猛禽類が外敵と思われていましたが、最近の調査ではカラスが雷鳥の雛を捕食することがわかり、特に大雪渓付近はスキーヤーの弁当などを狙うカラスが多くなっています。大雪渓に飛来するカラスを増やさないためにも、弁当類・レジ袋は必ずザックの中から出さないようお願いいたします。

カラスは人(スキーヤー)の食べ物を狙って大雪渓に集まります。カラスは臭いはわかりませんが、学習能力によってレジ袋に食べ物があると判断します。そのため、レジ袋に入っている物は中身が食品であろうがなかろうが破って中を確かめます。また、ザックに食べ物が入っていることも知っています。左右どちらからでも開けられるダブルジッパーのザックの場合、ジッパーの隙間をつまんで簡単に開けてしまいますので、ジッパーをどちらかの端に寄せるなど簡単に開けられないようにしてください。

【雷鳥保護の取り組み】
孵化後、ライチョウ家族一ヶ月間ゲージ保護事業(2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2013/08/14〜17) F)

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